ショートコント
ミニコーナー 01 《実験! テツト&ヨシヒロはメイドに萌えるか?》
ノリカ・ミヤ・カオリとその他メイドスタッフはこそこそ談合していた。
「ねぇねぇ、あの2人がメイドに攻め寄られたら、どんな反応するんだろ?」
メイド店員=カオリはにやにやしながら一同に疑問を投球した。
ノリカはノリノリで話を加速させる。
「確かに気になるねぇ。あのスカした2人が赤面発情し、崩れるかどうかは」
「あの2人が赤面発情? 想像付かないなぁ~」
ミヤは困ったような苦笑いを溢す。
「でも、クラスメイトで顔を知ってるあたしら3人では効果は薄いと思う。そ・こ・で!」
出陣! メイド店員の1人、身長145㎝・ロリぶりっこメイド・サユリが鏡の前で自惚れ真っ最中のヨシヒロのペースを狂わすべく、参上!
サユリはわざとずっこけ、ヨシヒロへ抱きつこうとする。
自分のキュートさに自身のある彼女はこれでイチコロだと看破し、実行に移した。
ハッと倒れ来るサユリを察知したヨシヒロは咄嗟にターンし、傾く彼女を抱き抱える。
それはまるで姫を救出した貴公子のようであった。
「大丈夫かい?」
爽やかな笑顔に、白く輝光する歯。まさにイケメンである。
「きゃ、きゃっふ~ん、申し訳無いですぅ。サユリ、ドジっ子なモンでぇ~」
「ふふ、下手な演技だね……。まぁそれが持ち味なのかもしれないけどね」
げ、バレてる……。と、笑顔が氷結するサユリ。
結局ペースを崩し、赤面・発情などさせられなかった。
「さ、仕事に戻りたまえ、メイドガール。僕はイケメンヒーローポーズ考案に忙しいんだ」
渋々身を引くサユリ。
まごうことなき、作戦失敗である。
悔しがるノリカ・カオリ。
ミヤは「やっぱりね……」と、失笑。
心機一転。
今度はテツト陥落へ攻め入る!
挑戦者は当スタッフ最大爆乳を誇るエリサ。
豊満で弾力性抜群のおっぱいを暴れさせ、無駄に身体をくねくねさせ、テツトの目前へ!
これでどうだ?……と、息を呑む女子一同。
「あのぉ~ん、ご主人さまぁ~ん♪」
妖艶な言い回しで、エリサはテツトをご主人様と呼称した。
「む?」
エリサの存在に気付くテツト。
カオリは勝ち誇った、あくどい顔をする。
「これはいけるっしょ! エロサ……いや、エリサのパイオツには流石に参るでしょ!」
「うはぁ~、楽しみ、楽しみっ! 鼻血ブーとかやれよぉ~」
「ノリカちゃん……。鼻血ブーは古いよぉ……」
テーブル席前。エリサは脳内で、
どぉ? 早くあたしのおっぱいに興奮しなさぁい?
と、魔性の笑みを浮かべる。
しかし、テツトは平常通りのクールフェイスで、動揺の色も脈動の激化も見られない。
「む、店員か……。そうだ、水のおかわりを貰おう」
テツトは淡々と水を飲み切ってカラのコップをエリサの目の前に移動させ、再度Sボードに目を通し、分析を再開する。
己の色香に引っ掛からなかった事がこの上なく、ショックであるエリサ。
彼女は放心状態の中、こう返す。
「か、かしこまりました……。ご主人様………」
端に隠れて見ていたノリカ・カオリらは顔で目一杯悔しがった。
「くっずれネー、あいつら!」
ノリカはバナナに滑った時並の、盛大なズッコケを披露。
「あぁ、やっぱり……」
柔和にミヤは苦笑いを行う。
カオリらメイド達はわなわなと怒り昂ぶる。
お、おのれぇ~。
全ての客を萌えさせて来た我々がぁ~。
修羅の獄炎を纏うメイド陣であった………。
そんな事など知らず、テツトやヨシヒロはマイペースに各々のやりたい事をやっているのだった。
テツトは心中で呟く。
(やれやれ、楠らめ。馬鹿馬鹿しい事を……。俺は女などという、不確かな存在に幻想・欲望は抱かん……。幻想を抱くのは自分自身だけで十分だ………)
ミニコーナー 02 《ステルスサテライトの濫用は止めましょう》
ぬっとカメラ目線で現われたコウスケ。
「おっす、俺コウスケだ。皆、女子の裸見たいよな? 俺もだ! 今回はステルスサテライトを悪用……いや、有効活用して女子更衣室を覗こうと思う! テツトやヨシヒロは興味ないって断ったけど、俺は見たいからさぁ。んじゃ、撮影開始ィ!」
コウスケは嬉々とステルスサテライトを使い、ノリカ・ミヤ達が学校の女子更衣室で着替えをしている映像を撮影した。
室内には数々の下着……。露出された女体の数々があった。
「あ~あ、また胸だけ大きくなっちゃたぁ~。身長の方を大きくしたいのにぃ~」
思うように育たない自分の身体……。萎えるミヤの顔。
やや苦しそうにブラジャーを装着する。豊乳が窮屈そうに暴れる……。
「それ、嫌味?」
ノリカは後ろからミヤの胸を揉み出す。
他、カオリら友人らもミヤの豊乳の爆発しそうな揉まれ具合に注目。
「うわ、何これちょっと!」
「うらやまー」
「もぉ~、止めてよぉ~」
頬が真紅と化すミヤ。
ノリカはそろそろ勘弁しておこうと、荒々しい乳揉みを停止する。
「っていうか、ノリカちゃんだって結構大きいじゃん」
「そうだけど、あんたには負けてんの! 自分に無いものほど、憧れるものは無いよぉ~」
「そ、そう?……」
3分の1ほど納得はするが、どうも釈然としないミヤであった。
「いやぁ、目の保養……。保健の勉強になったなぁ~」
鼻の下を伸ばし、コウスケは感慨耽る。
……が、彼の背後に瘴気を纏う般若と化したノリカの姿が迫って来ていた。
複数あるうちの、彼女のステルスサテライトが更衣・入浴時には男子を監視するよう設定していた。その為、覗きがバレたのだった。
そして暗雲に囲まれたコウスケは………。
「んぎゃ~っ!!」