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第三十七会「最皇祭!③」

初めて書いたので拙いと思いますが、これから成長していければと考えていますので、温かい目で見守っていただければ幸いです。

 最皇祭二日目。

 今日の俺のシフトは午後二時から終了の五時まで。

 そして午前は火恋さんと一緒に回るという予定もある。

 これは記録係の仕事としてだ、うん。


 一緒に回っている姿を土門なんかに見られたらからかわれるかもしれないな…。

 いや、土門は事情を知っているからしないか。でもあいつ、知らないふりしてクラスのやつと一緒にからかってくるかもな…。

 まあ、その時はその時だ。


 とりあえず火恋さんと一緒に回るために合流しないと…。

 俺は待ち合わせ場所として二人で決めた中庭まで向かった。

 今日二日目は一日目と違い、一般のお客さんも来るので開始時間が一時間早まり九時からスタートする。

 今は八時五十八分。あと少しで時間だ。

 あんまり早すぎても変かなと思いぎりぎりを狙った。


 そして九時になった。アナウンスで最皇祭スタートの合図が放送される。

 火恋さんの姿はまだ見えない。

 火恋さんが遅刻したことなど今までないのだが…。

 もしかしたらトイレかもしれないと思いしばらく待つことにした。


 九時十分。

 スマホを確認するも連絡はない。

 一体どうしたのだろうか。

 行き違いになるかもしれないと思ったが、俺は火恋さんのクラス、一年二組に向かうことにした。


 ―――――――――――――――――――――――


「いらっしゃいませー」

「あの、紗衣火火恋さんって来てますか?」

「火恋ちゃん?今日は見てない…よね?」

「うん、私も見てないな…」

 どうやら教室に顔を出していないようだ。


「なにか連絡って来てる?」

「どうだろう…、わからないな…。クラスのグループには何もないよね」

「体調不良かな?」

 一応今日休んでいても午前は俺と、午後は金美さんと一緒に回ると言っていたのでシフトは大丈夫だろう。


「力になれなくてごめんなさい」

「全然大丈夫です!というか時間を取らせてしまってすみません…」

「おお、じゃあぜひ寄って行ってくださいよ〜」

「え?」

「私たちの喫茶店。さあ、入った入った!」

 俺は気づいたら案内人に中まで連れていかれて、半ば強制的に料理を注文させられたのだった。


 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 二組から出てすぐ、こちらを見つめている女子がいた。

「あ、あの…」

「?」

 その子の見た目は小学生くらいで、俺に近づいて話しかけてきた。

(迷子かな…?)


「どうしたのかな?」

「え、ええと…」

「もしかして、迷子かな…?」

「!?」

 何やら驚いた様子でこっちを見ている。


「やっぱり…。お父さんかお母さんの名前とかわかる?とりあえず本部まで一緒に行こうか」

「ち、違うんです!」

「?」

「私、最皇高校一年二組!采原光(さいはらひかり)です!」


 どうやら同級生だったようだ。

「…」

 間違えてしまったので気まずい空気が流れる。

「す、すみませんでした…」

「いえ、よく間違われるので…」


 いや、だって、どう見たって小学生にしか…。よくて中学一年生くらいに…。

「そ、それで、采原さん。俺に何か?」

「あ、そうですそうです。さっき火恋ちゃんを探している様子だったので…」

「火恋さんがいない理由、知ってるんですか!?」

「え、ええと、知ってるというか…。真相は分からないですが、もしかしたらこれかもっていうのがあって…」

「ぜひ、教えてください!」


 采原さんから事情を聞いて、俺は火恋さんを探すことに決めた。

 というか、絶対見つけないと…。

 采原さんからの情報を頼りに、俺は学校を走り回ったのだった。


 ―――――――――――――――――――――――


「くそっ!どこにもいない…」

 学校中探したがどこにも見つからなかった。連絡もつかない。

 ということはそもそも学校に来てないのだろうか。


 探すところもなくなったので、一旦教室に戻ると采原さんが俺の方へ走ってきた。

「つ、月浦さーん!」

「采原さん」

「あ、あの!ハァ、ハァ…」

 采原さんは急いだ様子で息を切らしている。


「落ち着いて、息吸おう」

 采原さんを落ち着かせるために、俺も一緒に深呼吸する。

「すぅー、はぁー」

「落ち着きました?」

「はい…」


「それで、どうしたんですか?」

「さっき、先生から話を聞いたんですが…」

「うん」

「火恋ちゃん、今日体調不良ってことで休んでいるそうなんです」

「そうだったんだ…」


 体調不良なら仕方ない。でも連絡もできないくらい体調が悪いのだろうか。心配だ。

「でも…」

「?」

「でも私、違う気がするんです。火恋ちゃん、中学の時から体調不良って言って休むときは別の事情があるんです」

「そうなんですか?」

「はい。だから、きっと火恋ちゃんは別の理由で家にいると思います」


 采原さんは何の迷いもない瞳でまっすぐこちらを見つめている。

 きっと本当のことなのだろう。

「でも…」

「…行ってあげてください」

「…」

「火恋ちゃん、本当は弱い人なんです。いつも明るくてみんなと仲良くて、頼りになる。とても優しい人。だからこそ自分の気持ちは二の次なんです。火恋ちゃんに寄り添ってあげてください…」

「…私じゃだめだから…」


 俺は采原さんの言葉を聞いてすぐに走った。

 火恋さんを助けたい。力になりたい。

 時間帯も昼になり、人がどんどん流れてくる。

 俺はその流れに逆らい、入り口を後にした。


最後まで読んでいただき、本当にありがとうございます。

続きもぜひ、読んでいただければと思います。よろしくお願いします。

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