新しいスキル
もう少しで旗揚げ……出来るかな?
「んーと、あと必要なものは……」
ヒロシはプロレス団体旗揚げに
必要な物をリストアップし
あと必要なものは何か、忘れているものは無いか、
歩きながら考えを巡らせていると。
「ん?なんだろコレ」
道端で露店に並んでいたものに目が止まった
「いらっしゃい」
「これってなんですか?」
並んでるのはラムネ瓶に入ってるビー玉みたいな玉。
「これはな“スキルスフィア”っていってな
これを使うとスキルを覚えられるのさ」
「へー」
「ただし覚えられるのは適性があるものだけでな」
露天のおじさんが玉に手をかざすと光った
「適性があるとこのように光るんだ」
「やってみていいですか?」
「もちろん」
ヒロシは剣のマークが浮かんでる玉に
手をかざしてみるが光らない。
「それは剣術スキルだな、残念だか適正なしだ」
その後もスキルを色々試してみたところ
いくつか光った物もあったが、
コレと言うようなのは中々見つからなかった。
「あ、光った!」
「それはマルチアイのスキルだな」
マルチアイ:30km以内の任意の場所を
任意の視点から見ることが出来る、
ただし使用中は肉眼で物を見られなくなるので注意。
つまり上空から周囲を把握したり
危険な場所を近づかずに見られるってことか
これ結構当たりじゃね?
「探知系のスキルは無い?」
「この辺のやつがそうだな」
探知系とマルチアイを組み合わせれば
強力な索敵コンボになるし、
「あ、光った」
「それは魔力探知だな」
魔力探知
周囲の生き物の魔力を探知するレーダースキル
聞いてみると生き物は全て魔力を持っているらしい
ならこのスキルは使えるな、
他には何か無いかなと探してみると
マークが無いヤツが光った。
「お!そいつに適性があるたぁな」
「これは?」
「ああ、それは鑑定スキルが効かなくてな
俺も何か知らないんだ、
適正持ちも中々現れないしな」
「得体の知れない商品売ってるんですか?」
「うちに置いといたって仕方ねぇからな」
「じゃあコレと魔力探知とマルチアイをください」
「中身がわからないけどいいのかい?」
「なんか気になるんで」
「小金貨三枚だがまとめ買いしてくれたから
銀貨二枚まけてやろう」
小金貨二枚と銀貨八枚、
日本円で二万八千円払い
スキルスフィア3つを購入
「そいつを額に当てるとスキルを覚えられるぞ」
言われた通りに一つ額に当てると
吸い込まれるように入っていき、
ステータスを確認すると魔力探知が加わっていた
「本当にスキルが増えてる」
マルチアイも入れてあと1つ。
「これ、入れた途端に呪われたりしませんよね?」
「わからん」「ですよね~( ̄∀ ̄)」
意を決して入れてみる
「どうだ?おかしい事にはなってないか?」
「大丈夫そうですね」
ステータスを見てみると。
「転移スキルセット?」
「セットのスキルなんて聞いた事ねぇな」
「えっと“瞬間移動”と“ゲート”が使えるみたいですね」
瞬間移動はその名の通り一瞬で遠くへ移動でき
ゲートは2ヶ所にゲートを開きそこを通って
2ヶ所を行き来出来るらしい。
「なるほど名前通り転移スキルのセットか
でも同じようなスキル二つもあって意味あるか?」
「まあ、ものは使いようって言いますから」
ピロリン
【転移系スキル、魔力探知、マルチアイを
獲得したので3rdスキル千里眼を獲得しました】
3rdスキル 千里眼
距離無制限で任意の場所を見ることが出来る
ただし視点は指定した位置に固定となる
(場所の変更は自由)
使用中は肉眼で物を見られなくなるので注意。
ジルさんから聞いた話によると
クラスに就くのと同時に身につく”基本技”1stスキル
レベルを上げていくことで身に付く
“発展技”2ndスキル
そして“大技”3rdスキルは
特定の組み合わせのスキルを全部覚えると
獲得できるので、
条件さえ知っていれば獲得可能らしい、
ちなみにその上には“奥義”4thスキルもあるけど
特殊な条件が必要らしく獲得者は少ないとか。
「ほお、偶然3rdスキルの組み合わせを
引き当てちまうとはな」
「ラッキーだったんですかね」
大通りを通ってギルドに戻る途中
スキルを試してみた
「まずはマルチアイ、頭上5m、向きは真下に」
景色が一瞬で変わった
「おおっ俺が見える」
意識するだけで向きも位置も自由自在
ゲームでカメラを動かしてるみたいだ
まるで鳥になった気分、
そのまま魔力探知も使用してみる。
「おお…周囲の魔力の位置や大きさが
手に取るように分かる」
すると自分の背後からソロソロと
近寄ってくる人間の反応、
視点の向きを変え真下を見ると
(あ、なあんだ)
「なんの用だ?レイン」
「え!なんでわかったの!?」
スキルを解除して振り向いた。
「上から丸見えだったからな」
「上?」
「へぇ~露天でスキル買ったんですか」
「で?なんか用事でもあったのか?」
「ああいえ、たまたま見かけたので脅かそうかと」
「見た目は不審者そのものだったぞ(笑)」
そんなことを話していると
「ドロボー!」
男が1人走り抜けて行き
遅れておじさんがやったきた
「どうしたんですか?」
「売り上げをゴッソリ盗まれたんだよ!」
「ギルマス!」
「大丈夫、おじさんはそこで身構えていてください」
「え?ああわかった」
しかし人混みでドロボーの姿が見づらい
瞬間移動スキルは
移動させる対象を認識する必要があるから使えない
なら場所を指定するだけで使えるゲートを使えば!
おじさんの1m前方と
逃げた男の目の前30cm位前に
ゲートを出現させる
すると「なんだ…ってうわぁ!」
止まることが出来ず
ゲートに飛び込んだ男がおじさんの前に
飛び出してきた。
「今です!」
「あ……よっしゃ!」
男を受止め地面にねじ伏せ
レインが杖を男の顔に突き付けると
男は観念したように大人しくなった。
「すごい!転移魔法にあんな使い方があるなんて」
「たまたま上手くいっただけだよ」
「ありがとよ、礼にコレ持ってってくれ」
(カボチャ?)
「パプキだ!」
「今が旬だから美味いぜ」
「いいんですかこんなの」
「あんたがいなきゃ大損するとこだったんだ
遠慮なく持ってきな」
パプキを受け取り帰ろうとして
「あ、ちょっとまってて」
千里眼を発動、ギルドのロビーを見てみる
視線は動かせるけど向きは変えられない
防犯カメラの映像を見てるみたいだな
ホールの人のいないスペースを見つけ。
「よし瞬間移動するよ」
「え?」
瞬間移動を発動しギルドのロビーへ飛ぶ
「うわっ!」
「ギルマスとレインさん
どこから現れたんですか!?」
「あ~、ジルさん、脅かしてごめん」
パプキを調理してみようとしたが
「か、硬い~」全然包丁が入らない………
「お母さんは茹でてから切ってたと思うけど」
そう言ってもこんなデカいパプキが
丸ごと入るような鍋はないし…
「あ、そうだ」
ゲートを発動してパプキを半分だけ
ゲートに通しゲートを解除すると、
ゴトン!まな板にパプキの半分が落ちた
「硬いパプキが簡単に切れた……」
ア然とするレイン
ゲートに途中まで入れた状態でゲートを消せば
空間ごと切り離されるから
理屈上ではどんな固い物も切れる
ちなみに紙を斬りたいものと重なるように
瞬間移動させても同じことが出来るだろう、
使い方次第でドラゴンすら瞬殺出来る
恐ろしいスキルだ(゜д゜;)。
同じ要領でパプキを四等分して種を取って
煮込んでる間に。
「そう言えばミルクとバターって
どこで売ってるかな?」
「中々入ってこないみたいですから
王都の店では見つからないのでは?」
「農家から直接買ってくるしか
ないんじゃないですか?」
ジルさんの言葉をレインが補足した
「ミルク作ってる農家ってどの辺?」
「この街から北に山1つ越えて2日くらいですかね」
「なるほど」千里眼を発動し
ジルさんが言ったあたりを見てみる、
(無いなぁ…よし魔力探知!)
2km程離れたところに人間の魔力が集まっていた
その場所へ千里眼を移動させると
「農村があった!ちょっと行ってくるから
鍋お願いしますね!」
千里眼を解除し
そう言うと瞬間移動で農村へ飛んだ
先程見たのと全く同じ景色の場所に着いた
「あの!すみませーん!」
「ん?他所もんが来るなんて珍しいな」
近くで畑の草刈りをしていたおじさんに声をかけた。
「ミルクとバターが欲しいんですけど」
「ああそれならこの先にカウミルが
沢山いる家があるからそこで頼むといい」
言われた通りに進んで行くと
「のどかな景色……癒されるな~
っと牛みたいな生き物が沢山いる……
あれがカウミルか?」
「兄さんなんか用かい?」
「あ、ミルクとバターが欲しいんですけど」
「ただいま、買ってきたよ」
「もう帰ってきたの!?」
驚くレインをスルーしてキッチンへ戻ると
パプキがいい感じに煮えてたので
ボウルに移して潰しバターと塩を足して混ぜ
ミルクを加えて混ぜて完成、
パンを小さく切ってフライパンで炒めて
「よし、パプキの冷製スープ&クルトン完成!」
スープはみんなに好評であっという間に無くなった。
~翌日~
練習を見ながら皆のステータスをチェックしてると
「あれ、レインの技増えてないか?」
レインのステータスに渡した技リストに
書いた覚えのない技があった、しかも3rdスキル
「レイン、ストレッチプラムなんて
教えてないのにいつ覚えたんだ?」
ストレッチプラムは下半身はコブラツイスト
片手でリバースフェイスロック、
反対の手で相手の腕をロックする
コブラツイストの上位形のような技。
「え?脇固め覚えたら勝手に」
3rdスキルって事は覚えてるスキルと関係があるはず
「どんな技の組み合わせだったんだ?」
「えっと、コブラツイストと脇固めと
後はフェイスロックだったかな」
確かにそれぞれの要素が入ってる
って事は同じ要領で3rdスキルを量産出来るかも!
じゃあ早速モルモ…もとい協力者を探そう
「何サボってんだ?ミミ」
「しゃ・社長!いや別にサボってるわけじゃ……」
あきらかにサボってたけどな
「それより新しい技覚えてみないか?」
「新しい技!?面白そう!やるやる!」
よし、実験台GETだぜ!
ミミは延髄切りを覚えてるので
ジャンピングニーを覚えさせることにした。
「よし来い!」
布を詰めて作ったデカミットを盾のように構える
「たあぁぁぁっ!」ボスッ
しかしジャンプのタイミングが早く
ミットにダイブしただけ。
「たあぁぁぁっ!」バスッ!
今度は遅すぎ、これじゃ腹に当たっちゃう
2時間程で形になってきた
しかしまだスキルの習得に達していないようなので
「たあぁぁぁっ!」
前に出てタイミングを外す
「うわっ!」またミットにダイブ
今度は後ろに下がる
「ちょっとお!」
「相手がいつも突っ立ってると思うなよ」
その後もランダムで前に行ったり後ろに行ったり
動かなかったりを繰り返し、
「たあぁぁぁ!」
後ろに下がろうとしたヒロシの膝を踏み
飛び上がるミミ
(来たか!)
反射的にミットを左に構え直すと
ミットに衝撃が走りヒロシが倒れ込む!
ドダアン!
「たたた……」
「ごめーん社長大丈夫?(ノ≧ڡ≦)」
「気付いてなかったらモロに食らってたぞ
覚えてたんなら言えよ」
「意地悪されたからお返し、てへっ(*ノ>ᴗ<)」
「中々修得出来無いみたいだから
色々試してたんだよ」
ミミのステータスに
2ndスキル ジャンピングニー
3rdスキル シャイニングウィザード
の文字が増えていた。
「これで3rdスキルを量産できるな
作れそうな技を探してみるか」
夜
「へぇー転移スキルセットかぁ」
「もしかしてこれで元の世界に戻れ」
「それは無理ね」
ミュリーナが食い気味の否定
「なんでだよ?」
「空間転移と次元転移は別物なの
例えるなら空間転移は馬車、次元転移は船ね
馬車がいくら早く走っても海の上は走れないでしょ?」
「やってみないとわからないだろ?!?」
「じゃあやってみたら?」
元の世界の俺の部屋を思い浮かべて
「瞬間移動!」シーーーン
「ゲート!」シーーーン
「ほらね」
ワンチャンあると思ったのに……
そう上手くは行かないもんだ。
転移スキルを攻撃に転用するというのは
元々書こうと思ってた別作品のアイデア
ただそっちが全然纏まらなかったので
こっちに持ってきたただそれだけ




