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ユニコーンヘッド

ある日ユニコーンヘッドに

舞い込んた依頼

それは…

王都ガリアードから10kmほど離れた洞窟、

弱電呪文(ショルス)!」

バリリリリッ!

杖から放たれた雷が目の前の男達を飲み込み

その意識を失わせた。

「よしっ」

銀のショートヘア、短い上着にショートパンツ

手には杖という出で立ちの少女は、

気絶させた男達を縛り上げた。

「えっと……6人、これで12人か」

彼女は更に奥へ踏み込んでいく、

この洞窟は盗賊団のアジトになっていて

依頼は奴らの捕縛、

道が別れていたので相方と別行動中。

「よお、よくも他人の家(ひとのいえ)で好き勝手してくれたな、これはおしおきしないとなぁ」

「俺達にも楽しませてくださいよボス」

もうそろそろ最奥かな?なんて思ってたら

一際大きい男とその他3人が現れた。

弱電呪文(ショルス)!」

バリリリリッ!

その他3人は倒れたが大男は微動だにせず、

「そんなものかゆいだけだ」

(あまり強い呪文使うと洞窟が崩れそうだし……)

カラアン

少女は杖を放り投げると男に向かって歩き出した

「何だぁ?諦めたのか?」

ダッシュした少女の姿が男の目の前で消える

「!?」

背後に周り男の首に飛びつき、

左腕を首にまきつけ肘を喉の前に

そして首を左右から挟んで締め上げる、

スリーパーホールド|半年前まではこの世界に存在しなかった・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「なんだこりゃあ!外せねぇこんな細ぇ腕なのに」

「関節技は力を何倍にもするのよ

…ギルマスの受け売りだけどね」

息は出来る、しかし頭がぼやけてくる、

男は膝をつき倒れふした。

「ふぅ、さてこいつらを拘束して…」

ドコッ ビュン!

目の前を男が吹っ飛んで行った。

「あ、悪りぃショルダータックルしたら

予想以上に飛んじまって」

そう言ったのは金髪で鎧を身に付けた女戦士

「大丈夫よ当たんなかったしそれよりそっちは?」

「そいつで14人目だ」

「こっちは16人、全部で30人って話だから

これで全員捕縛完了ね」


騎士団に盗賊団を引き渡し依頼完了

「いゃあ2人で全員捕まるだけでなく

あのボスまで無傷で捕えるとは」

「まぁ、あいつがこっちをナメてたから」

「あのぉそれでですね…レインさん…

サイン…いただけないでしょうか?」

「引き渡しのサインならさっき書いたけど」

「いえ、そうではなくて……ファンなんです!」

「あ、そっち(・・・)のサインね、クリスぅこっち来て」

「なんだ?」

「団長さんがサイン欲しいって」

それを見ていた団員は

(団長そのために同行したのか………)

とちょっと呆れている……

レインがサインを書いた紙をクリスに渡した

「でも今回の依頼、何で討伐じゃなくて

捕縛だったんですか?」

「ああ、あいつらは我々の追っている連中と

関係があるという情報がありまして」

「なるほど」


「じゃあ今度は会場でね」

団長は2人の背中をずっと見送っていた、

サインを胸に抱きしめたまま。

「団長、冒険者のサインなんて

貰ってどうするんですか?」

「お前!ユニコーンヘッドを知らないのか!?」

「あの二人の所属ギルドですよね?」

それを聞いて隊長はため息

「お前、今週末俺に付き合え」

「いや……おれ…週末は予定が…」

「さぁ帰ったらチケットをもう1枚抑えないとな」

「だんちょ~話聞いてくださいよ」


王都のメインストリート

そこから脇道に入って行った先

そこに冒険者ギルド『ユニコーンヘッド』がある、

そしてこの世界初の女子プロレス団体

ユニコーンヘッドの本社それがもう一つの顔。

「たっだいま~」

「依頼終わったぜ」

「お、レイン、クリス丁度よかった

お前達のタッグタイトル戦今週に変更していいか?」

そう言ったのはギルマスで社長のオカダヒロシ

この世界にプロレスを持ち込んだ張本人。

「かまわねぇぜ社長」

「今週はジェンナのシングルタイトル戦でしょ?

何かあったの?」

「ジェンナさんにに名指しで依頼が入りまして

現場が遠く、試合までに戻れそうにないのです」

そう言ったのは国から派遣された

このギルド専属秘書ジルコニア、通称はジル

「だったら構わないよ、どっちにしろ

やることは変わらないし」

レインがそういうのを聞くと

1人の冒険者が立ち上がった

黒髪のミドルヘアの女剣士

「では行ってくる」

「行ってらっしゃいジェンナ」


馬車に揺られ半日そこから徒歩で2時間半

待ち合わせ場所の廃屋に到着した。

「待ってたよ」

現れたのはマントで全身を隠した人物

声からすると若い女性のようだ。

「遅くなってすまない、で、依頼内容は?

ここで話すと聞いてたが」

すると彼女はマントを放り投げた

「アタシと闘ってほしい!」

その姿は紅い龍と人間が混ざった亜人だ。

「それが依頼なら受けて立つが」

ジェンナが剣に手をかけると

「ま・待って!そうじゃなくて!」

「?」

「殺し合いじゃない!

プロレスってやつで闘いたいんだ!」

とりあえず話を聞くことにした。

「この前王都に買い出しに行った時

初めてプロレスを見たんだ、

それでアタシもやってみたくて、

でもアタシ亜人だから……」

「それで依頼という形で私を呼び出したのか」

彼女はうなづいた

「だがレフェリーも観客も無しではな」

「そうか……」

「1度戻って社長に相談してくる

返事はそれからでいいか?」

「ああ!じゃあここからまっすぐ行ったところに

アタシらの村がある、アタシの名前を出せば

入れてくれるから、じゃ待ってるぞ!」

「待って!あなたの名前は!?」

「あ・まだ名乗ってなかった……

シンク、アタシの名前はシンクだ」


ギルドに戻ったジェンナはヒロシに事情を説明した

「亜人とのプロレスか、

面白そうだな、その試合ぜひやろう!」

「いや、話はそう簡単じゃない

亜人が街に入るのをよく思わない人は多い」

「どういうことだ?

獣人は普通に街を歩いてるだろ?」

二足歩行して服を着て人間の言葉を話す動物

それが獣人だ。

「全然違うよ」

そう言ってレインが話に入ってきた

「獣人は人間と同じく、獣から進化して

知性を持った存在って知られてるもの」

「しかし亜人はなぜあのような姿になったのか

はっきりしていない」

「だから呪いだとか病だとか

なにかの実験で作られた生物とか色々な噂があるの」

「つまり得体の知れないモノだから

嫌われているということか」

「断った方がいいんじゃない?」

レインの言う通り断った方がいいかもしれない

だが亜人の娘の気持ちにも応えたい。

「街の外ならどうだ?換気の心配の無い

屋外会場なら抵抗も少ないんじゃないか?」

「でも、実際闘うジェンナはどうすんの?」

確かに亜人が呪いや病気で変異したものだとしたら

試合でジェンナにうつるかもしれない

「とりあえず明日亜人の村に行って

話してくる、ジェンナ案内を頼むよ」

「わかった」

翌日、亜人の村

「何者だ!」

入口にいたのは虎の亜人と熊の亜人

(おお、リアルケモ耳人間!…おっさんだけど)

「よそ者を村に入れるわけにはいかん!」

ジェンナが前に出た

「シンクの依頼を受けて来た」

「シンクの?なら仕方ない、

だが私が貴様らを監視させてもらう」

虎の亜人と一緒に村の中へ

「村長に挨拶しておきたいんですが

村長の家はどこですか?」

「…………道なりに行った1番奥だ」

村を歩くが住民の姿が見えない

いや、窓からチラチラこっちを見ている

「警戒されてるな」

「当然だ、よそ者は我らを敬遠するか攻撃してくる

警戒するのは当然、武器を持ってる奴は尚更だ」

その時子供がこちらに気付いて

家に駆け込もうとして転んだ。

「大丈夫か!?」

ヒロシが子供に駆け寄った

「おい!まて貴様!」

「膝、すりむいてるな」

ヒロシは子供の傷に手をかざした

治癒呪文(ヒュリア)…これでよし」

「…………ありがとうお兄ちゃん」

子供はそう言って立ち上がると家に駆け込んだ

「貴様変わってるな、大抵の人間は

亜人に近づこうともしないのに」

「まぁ俺の故郷じゃ少なくとも

畏怖する存在ではありませんから」


「ここが村長の家だ」

他の家とは変わらない大きさの家

虎の亜人が先に家の1番奥の部屋に通された

「村長、シンクの依頼をうけたと言う

人間を連れてきました」

「人間?」

「失礼します」

そこにいたのは人?のような違うような姿のお爺さん

「こちらが村長だ」

「あの…失礼ですが何の亜人ですか?」

「ああ、ワシはフレイムゴリラの亜人じゃ」

村長はそう言って軽く火を吹いてみせた。

「で…孫の依頼とは?」

「孫!?」ゴリラの孫が龍?

「ワシらは亜人族、みな何かの

亜人として産まれてくる

親と違う姿で産まれるものも珍しくない

ちなみにそこにおるティガはワシの息子じゃ」

ゴリラの息子が虎でその娘が龍か

「えっとそれで依頼というのは…」

ヒロシはこれまでの経緯を説明した

「なるほどわかった、ティガ

シンクを呼んできとくれ」

ほどなくしてシンクがやってきた

他に虎とスライムの女の亜人を連れて

「ジェンナ!ここに来たってことは

プロレス出来るのか?」

「その話はこれからだ」

「初めまして俺はユニコーンヘッド社長のヒロシだ」

「お前がしゃちょーかアタシ達(・・・・)

プロレスやらせてくれ!」

「アタシ()?後ろの2人もか?」

「ああ!もちろん!」

「ディーだ」虎の方がそう名乗ると、

「……ジェリ……です」

スライムの方も続けて名乗った。

ヒロトはとりあえずそちらより先に

気になっていることをはっきりさせることにした。

「村長、今日お伺いしたのは

確認したい事があるからです」

「亜人に関する噂のことかい?」

「はい、病や呪いでは無いのなら

人に感染しないと考えていいんですね?」

コンコン 「こんにちわー!」 ガチャ

人間の商人の男が入ってきた

「そんちょーお久しぶり!」

「おお、待っとったぞ」

2人は熱烈なハグ

「あの人は?」

「ここにたまに来る商人だ村長に気に入られて

唯一出入りを許されている人間なんだが

会う度にあの通りだ」

「あれを何度もしてなんともないなら

大丈夫みたいですね」

「おや、先客でしたか

なら私はいつも通り広場で商売させて貰いますね」

商人はそう言うと部屋を出ていった

「それでですね

彼女達が街へ行ってプロレスする事を

許可していただけますか?」

「街へ行くだと?」

「プロレスは客と審判がいないとダメなんだってさ

アタシは平気だから許してくれよ親父、爺ちゃん」

「アタイらもプロレス出来るなら構わねえぜ」

「…頑張る…」

村長は目を閉じてしばし考え込むと。

「よかろう、行ってくるがよい」

「やった!ありがとう、お爺ちゃん!」

「じゃあ3人には王都でプロレスをやる

準備をしてもらうけどいいかな?」

「ええっ?スグに出来ないのかよ」

「色々覚えてもらわないとね」

翌日ヒロシとジェンナは亜人3人を連れ

王都へ帰って行った。


異世界転移者が引き起こした

異世界プロレス譚

旗揚げです!

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