98 迷宮街進出のために
ヨシユキ達は快進撃と言えるほどの活躍を見せていく。
推奨レベル70の所を探索し、魔力結晶を稼いでいく。
それを使ってレベルを上げ、更に奥地へと向かっていく。
ヨシユキのレベルを上げ、それから他の者達のレベルを上げる。
能力値がヨシユキに追いついたら、再びヨシユキを上げていく。
このくり返しで、一ヶ月でヨシユキのレベルは80に到達する。
ほかの者達もレベル75になっている。
それで推奨レベル80くらいの所を巡っている。
もともと能力値の高かったタケヒト達だ。
推奨レベルより高いところを苦も無く巡れる。
ヨシユキも妥当な強さの敵と戦える。
この仲間で巡るなら、これくらいが丁度良いのが分かってきた。
ヨシユキのレベルをほかの者達より5つくらい上げておく。
そして、ヨシユキのレベルに合った所を巡る。
概ねこれで問題なく活動出来た。
ただ、先に進む事で出て来る問題もあった。
休息地点までの距離だ。
ヨシユキの旅団の者達。
彼らもレベルを上げているが、ヨシユキ達との差は広がるばかりだ。
どうしても迷宮の奥まで進出出来ない。
現在、どうにか推奨レベル60の所まで来てるのだが。
そこで足留めを食らってる。
ヨシユキ達の活動場所とのレベル差を20ほど付けて。
迷宮街を作ってるヨシユキの旅団の者達が無能というわけではない。
彼らも効率的にレベルを上げている。
ヨシユキ達が尋常では無いほど早く成長してるだけだ。
そのレベル差が問題になってしまっている。
迷宮街がもっと奥まで来てくれないと、行き来で時間をくってしまう。
さりとて無理して迷宮の奥まで来させれば、レベルの足りない者達の多くが死ぬことになる。
これを避けるなら、レベルを上げるしかない。
「だから、協力を頼みたい」
ヨシユキは仲間に頭を下げる。
迷宮街の者達の努力だけではどうにもならない所に来てる。
先行してるヨシユキ達も魔力結晶を回さないとどうにもならない。
「うちの旅団の連中に魔力結晶を提供してほしい。
奴等のレベル上げに協力してくれ」
どうしても必要な事だった。
「分かった」
返事は即答だった。
「俺達だってあそこは必要だ」
「よろこんでレベル上げに協力するよ」
「近くにあると便利ですから」
拒否する者はいなかった。
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