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96 これからはレベルを優先してあげていく、能力値をほぼ同等にするために

 ヨシユキ復帰初日の探索は順調に進んでいく。

 前方からやってくれば、まず弓矢で対応。

 それから残った敵を倒していく。



 後方から敵が迫っても、事前に気付く事が出来る。

 そうすれば前衛を一人下げて、後方に移す事が出来る。

 万全の体制で戦う事が出来る。



 ヨシユキの弓が近づいてくる敵を倒していく。

 接近すればそのままヨシユキも戦闘に参加する。

 剣鉈を振るう戦い方は戦士に準じる戦闘力をもたらす。

 前方にいる者が後方にやってくるまでの時間を充分に稼ぐ事が出来る。

 そのまま敵の正面にたって戦い続ける事も出来る。



 あまりにも円滑に戦闘が進むので、古巣の者達も驚くほどだった。

 一人加わるだけでこれだけ変わるのかと。

 その一人がとてつもなく有能だからだと分かってはいるが。



「やっぱり楽だな」

 迷宮街に戻ってきて休みながら。

 古巣の者達は実感を口にしていく。

「ヨシユキがいるのといないのとじゃ全然違う」



 いてくれるだけで戦力が全然違ってくる

 それは能力が古巣の者達と肩を並べたからだろう。

 そうでなければ、ここまでの活躍は期待できない。

 今ならば、このまま迷宮の中枢部まで乗り込めそうだった。



 もっとも、懸念もある。

 もしヨシユキとレベルが同じくらいになったら。

 その時はやはりヨシユキが足手まといに戻る可能性がある。

 能力値の差が出て来たら、そうなるだろう。



 そうなった場合の事も考えねばならない。

 レベルを上げるにしても、ヨシユキとの差を極端に縮めるわけにはいかない。

 そうなれば再びヨシユキを手放す事になりかねない。



 とはいっても、古巣の者達のレベルを上げないわけにもいかない。

 それでは今後の攻略に支障がでる。



「ヨシユキのレベルを優先してあげるしかないな」

 そういう結論になっていく。

 能力値をほぼ同等に保つには、ヨシユキのレベルを古巣の者達以上にしておくしかない。

 その分、他の者は割をくってしまう。

「でも、そうした方がいいよな」

 結果を見れば何が最善なのかも明かだった。



 ヨシユキがいるとそれだけで探索がはかどる。

 ならば、他の者のレベル上げをおさえてでも、ヨシユキを加えていた方がよい。

 以前はそれをせず、レベルを同等に保とうとして失敗したが。

 これからは能力値をほぼ同等にならすようにしていくしかない。



 それが悪いというわけではなかった。

 むしろ、その方が良い結果に繋がる。

 ヨシユキがいる方が効率的に動けるのが分かったのだから。



「もっと早く気付いていれば……」

 そんな後悔が頭をもたげもする。

 レベルでは無く能力値を同等にしておけば。

 ヨシユキを失わずに済んだ。

 もし一緒に探索を続けていれば、もっと奥まで進めていたかもしれない。

 そうなっていたかもしれないと考えると、とてつもなく大きな損をした可能性が出て来る。



 とはいえ、ヨシユキが出ていった後も、古巣の者達は探索を続けた。

 ヨシユキがいなくなった事でより奥地まで潜れるようになった。

 しかし、それも考え物だ。

 もしヨシユキの能力を上げていたならば。

 もっと迅速に先まで進めたかもしれない。



「今更だけど」

 後悔しても遅い。

 だが、何をすれば良いのかも分かってきた。

「これからはヨシユキのレベルを上げていこう」

「おう」

「そうですね」

「やっぱり、いないと困る」

 古巣の者達の意見は一致した。

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