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90 高レベル探索者ヨシユキの戦い方

 推奨レベル40の場所を探索していく。

 かつてはギリギリ余裕をもってあたれる所だった。

 相応に敵が強いからだ。

 しかし、今のヨシユキにはどうという事のない敵ばかりになっている。



 既にヨシユキはレベル54。

 装備も最盛期のものにしている。

 出て来る敵を余裕で倒すことが出来る。

 さすがに一撃で全てを殲滅するとまではいかないにしてもだ。



 弓による遠距離攻撃。

 入り組んだ迷路状の地下迷宮で、と疑問を抱かれるものだ。

 どうしても接近戦が多くなるため、当然である。



 しかし、全く使い物にならないかというと、そんな事は無い。

 長い直線通路もあるし、縦と横にそれぞれ20メートルを超える空間もある。

 高い天井を舞う鳥や虫型の怪物だっている。

 そういった場所では、弓は最高の威力を発揮する。

 また、意外と迷宮内にこういった所は多い。



 そうでなくても、接近するまで20メートルは距離がある場合は多々ある。

 そういった時に弓で先に攻撃できるのは大きい。

 場合によっては、それだけで相手を瞬殺する事もある。



 問題になるのは、そこまで先を見通すのが難しいこと。

 意外と明るい迷宮内であるが、20メートルというのはギリギリ見えるかどうかになる。

 全く見えない事はないが、どうしても姿が暗がりに隠れてしまう。

 それをヨシユキは、魔術と道具で補っている。



 この世界、専門の魔術師でなくても魔術は使える。

 専門でやっていかないと、効果的な威力が出せないし、そもそも複数の魔術をおぼえるのも難しいが。

 だが、仕事や役目に沿って魔術をおぼえる者は多い。

 探索者の場合、この傾向が強くなる。

 使えれば探索を有利に進める事が出来るからだ。

 それが生死を分かつ事もある。



 ヨシユキも必要と思えた魔術を身につけている。

 直接攻撃をするようなものではないが。

 だが、探索において必要となるものを覚えている。



 敵の存在を感知する魔術。

 付近一帯の地形・通路を把握する魔術。

 味方か敵かは分からないが、徘徊してる生物を見つける魔術。

 自分の姿や存在を気付かれ難くする魔術。

 主に探知や発見に関わるもの、身を隠すものが多い。



 その中でも特に使ってるのが、暗視と視力増強の魔術だった。

 これだけで暗い迷宮も遠くまで見通せるようになる。



 加えて、目を覆うゴーグル。

 魔術が込められた魔術器具で、暗視や視力を強化する。

 こちらは魔術ほどの効果はないが、長時間使えるので重宝している。

 これを使って見通せない場合に魔術の出番となる。

 そして、魔術と併用する事で、より高い効果を発揮する。



 これらを使ってヨシユキは長距離攻撃を仕掛けていく。

 普通なら見通せないほど遠くにいる敵を。

 それこそ、何百メートル先だろうと見通す事が出来る。

 さすがに迷宮内だとそこまで見える必要もないが。

 それでも、こういった魔術と魔術器具のおかげで先手を取ることが出来る。

 そのまま、接近させずに敵を倒す事も。



 接近されても問題は無い。

 剣鉈で容赦なく切り捨てていく。

 専門の戦士ほどではないが、それなりに様になった動きをしながら。



 更に、身のこなしや魔術を使って、怪物の視界から消える事も出来る。

 相手の視界や感覚の隙間、死角に入っていく。

 そうして姿をくらませてから、がら空きの急所を狙っていく。



 それどころか、率先して敵集団の中に入っていき、攪乱しながら攻撃する。

 これがヨシユキの基本的な戦い方だ。

 敵の中という危険な状況ではある。

 だが、見つかることは無いなら有利な戦法でもある。

 敵もまともな理性や知性があるなら、同士討ちを警戒して思い切った行動が出来なくなってしまう。

 それでも、無謀と無茶を合わせた戦い方だ。



 しかし、能力差があるからヨシユキは遠慮無く仕掛けていく。

 最悪の場合になっても、同行者という保険がある。

 助けてくれる可能性があるから、敵の中に入っていくというメチャクチャな戦い方が出来る。

 それがなければ、ヨシユキもここまで強引な事はしない。



 そんな戦い方を続けながら、ヨシユキは探索を続けていく。

 更に魔力結晶を手に入れるために。

 少しでも経験値を稼いで、最前線に到達するために。

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