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9 レベルの差が一ヶ月で出ている

 戦力の低下。

 それはしっかりとあらわれてる。

 もちろん、極端に落ち込んでるわけではない。

 効率的になってる部分もある。

 今まで以上に迷宮の奥まで進めるようになってるのだ。

 落ち込んでるというのもおかしな話である。



 だが、体感としてタケヒト達は自分たちの戦闘力が低下してると感じていた。

 探索にかかる負担が大きくなっている。

 奥へと入れるようになった事だけが理由では無い。

 明らかに以前よりも戦闘力が落ちているのだ。



 では新しい人間を入れればよい、とはならない。

 タケヒト達と一緒に行動できるほどの能力を持ってる者などいない。

 いるとすれば、上位争いをしてる他の旅団くらいだ。

 なので、簡単に戦力の補強もできない。

 だからヨシユキの復帰を求めてる。

 一段劣るにしても、ヨシユキほどの人材はいないのだ。



「お前が戻ってきてくれれば、これも解決するはずだ」

 だから戻ってほしい。

 それが古巣の者達の一致した意見だった。

 とはいえ、それが無理だというのをヨシユキが理解してしまっている。



「ありがたいけど、無理だな」

「なんで?」

「能力に差がありすぎる」

 事実としてヨシユキはこれを痛感している。



「この一ヶ月でみんなはもっと奥に行った。

 俺は入り口近くでうろついてる」

「それは、他の旅団の案内をしてたから…………」

「この間にレベルに差が出ている」

「…………まあ、それは」

 そう言われるとタケヒト達は何も言えなくなる。



 怪物をある程度倒すと人間の能力はあがる。

 この区切りをレベルと呼んでいる。

 他にも、段階とか位階など様々な呼び方がある。

 ただ、一般的にはレベルと呼ばれるし、これで通じる。



 レベルの上昇と、これに伴う能力などの向上。

 これは迷宮内ではっきりとあらわれる。

 外に出るとそう大きな差は出てこない。

 何十レベルにもなると、さすがにかなりの違いが出て来るが。

 それも迷宮内での上昇幅に比べれば小さなものだ。



 このレベルの上昇は、強い怪物をたおした方がより大きくあらわれる。

 同じ期間で比べれば、強い怪物をたおしていった方がレベルの上昇速度は大きくなる。



 ヨシユキが言いたいのはこれだ。

 一ヶ月も迷宮の奥で戦ってきた古巣の者達。

 彼らが手にした経験はヨシユキより大きい。

 レベルも更に上がってるだろう。



 一方で、ヨシユキのレベルはそのままだ。

 比較的浅いところで活動してたのだから当然だ。

 怪物を倒す事も少なかった。

 案内を中心に活動してたのだから当然だろう。



 そんなヨシユキが古巣に戻って迷宮の奥に行っても役に立たない。

 以前以上に足手まといになる。



「だから、みんなとは行けない」

 タケヒト達は残念そうな顔をする。

 ヨシユキもつらい気持ちになる。

「だから、頼みたい事があるんだ」

「なんだ?」

 ヨシユキの声に、皆が目を向ける

 そんな彼らに、ヨシユキは提案をしていった。



「これから育てる新人。

 そいつらの中に才能のある奴がいたら、受け入れてもらいたい」

「……詳しく聞かせてくれ」

 食事を忘れ、タケヒトは続きを流していく。

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