89 武器や防具の性能
「久しぶりだな」
迷宮から帰って古巣の館に出向き。
預けていた装備を受け取っていく。
久しぶりに手にした感触に顔がほころぶ。
かつて使っていた弓と剣鉈。
それと鉄板を縫い付けた革上着と革スボン。
その他、様々な武具を手に取っていく。
いずれも特別な強化が施された物だ。
当時としては最高級品に近い性能を持っていた。
さすがに今は更に性能の良い道具も出来ている。
最前線がより迷宮の深い所に潜るようになった為だ。
高性能の武器防具が求められ、それに応えるように様々なものが製作されている。
だが、それでも性能は決して劣るものではない。
最高最強ではなくても、高性能高品質なのは変わらない。
ヨシユキの旅団の中では、間違いなく最強装備である。
いずれも魔力による強化が施されている。
その為、性能は通常の武具よりも跳ね上がっている。
その性能向上の度合いをあらわす値として、2段の数値が割り当てられている。
この段位は、武器や防具の能力が何倍されてるかをあらわす。
初段で通常の能力の2倍。
2段ともなれば3倍の能力を示す。
ややこしい表記だが、段位に1を足した値の分だけ倍増してるという事になる。
ヨシユキが手にしてる弓も、弓2段と表記される。
その名の通り、通常の弓の3倍まで威力が跳ね上げられている。
人にあたれば、着弾地点の周辺の肉や骨ごと吹き飛ばす威力がある。
迷宮の怪物でも、推奨レベル10あたりのものまでなら一撃で即死になりえる。
剣鉈や鉄板補強の革上着も同じだ。
いずれも2段の性能を持つ。
剣鉈は一撃で樹木を切断する威力を示す。
防具の革上着も鉄製の鎧並みの硬さを持つ。
これらを用いれば、推奨レベル30あたりでも単独行動が出来る。
遭遇する怪物をほぼ無傷で殲滅していける。
ただ、維持費も莫大なものになる。
魔力を込めた補修が必要になるので、値段も割高になる。
レベルの低い所に出没する怪物相手に使ってたら、武具の補修費用を回収出来ない。
だから今までは使わずに済ませてきた。
しかし、これから先はそうもいかない。
推奨レベル40が近くなれば、かつて最前線にいた頃と同等の怪物が出て来る。
装備もそれに合わせておかねば命が危うくなる。
「これをまた使う事になるとはなあ」
そんな風になるとは思ってもいなかった。
もう迷宮の奥に挑む事もないだろうと。
だが、再びこれらを手に取る事になってしまった。
それが良いのか悪いのか。
それでも、これが必要な所まで戻ってきたのだ。
「頑張るしかねえか」
今更退くわけにもいかない。
先に向かう為に、かつての武具を手にしたのだから。
それから。
ヨシユキは再び最強装備で迷宮に向かうことになる。
仲間を引き連れて。
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