79 迷宮探索の変化、旅団が旅団と呼ばれるわけ
迷宮探索においても、レベルの高い探索者の影響は出てくる。
数多くの探索者がいる事で、支援体制も出来上がっていく。
迷宮探索は長丁場だ。
奥地まで進むとなると、何日もの時間がかかる。
それにあわせて、食料なども用意しないといけない。
他にも、武装の修繕などもある程度出来るようにする必要がある。
荷物はどうしても増える。
増えた荷物を運搬するために荷車などが必要になる。
それを引くための馬や人も。
その護衛も。
最近では魔力を使った動力も出来て、これを搭載した自動車も出てきている。
馬力や出力も大きいこれらは運搬力も高い。
これらを使えば、少ない人数でより多くの荷物を持ち込む事が出来る。
それでも、最低限必要な人数というものはある。
この為、奥地まで進むような探索者なら、徒党を組む事になる。
最低でも数日は迷宮に潜るために必要な物資を持ち込む為に。
それはもう、旅の一種だ。
だからこそ、探索者の集団を旅団と呼ぶようになった。
その名の通りに迷宮の旅をする事になる旅団。
必要なものを持ち込んで挑み、可能な限り長期の滞在をする。
そんな旅団であっても、限界はある。
食料などが底を尽きれば、嫌でも戻らねばならない。
新たに物資を調達する為に。
それが少しずつ改善されていく。
推奨レベル20あたりまで進出したヨシユキ達によって。
当然ながらヨシユキ達も数多くの物資を持ち込む。
推奨レベル20という区域まで行くには結構な時間がかかる。
そんな場所だから、可能な限り滞在して活動しようとする者が増えていく。
そんな者達を支援するために、ヨシユキは迷宮に食料や物資を持ち込んでいく。
都市からほぼ毎日様々な物資を持ち込んでくる。
それらを持ち込み、迷宮内に駐屯地を作り上げていった。
迷宮内部に町を作るようなものだ。
最初は床に毛布を敷いただけだったのだが。
広めの部屋や通路などに、ベッドや道具置き場を作っていった。
調理場や休憩室も。
さらには鍛冶なども居付き始め、迷宮内でもある程度の活動ができるようになった。
そうなれば商人だってやってくる。
それがどんどん拡大していった。
人が生きていくのに必要な設備が揃っていく。
規模は小さいが町としての機能を備えていく。
怪物の存在は脅威だが、それを駆逐する探索者も揃ってる。
レベル20の人間が多くなってるので、防衛についての問題は無い。
近寄る怪物はそういった者達の臨時報酬になっていった。
この迷宮内の町が良い中継地点になっていった。
迷宮の奥まで進んでる探索者達は、町に戻る必要もない。
最低限必要なものは、迷宮内の町で揃うのだから。
ただ、日光を浴びないと健康に支障が出る。
その為、ある程度定期的に迷宮の外に出る必要はある。
それでも、迷宮の外まで戻る必要がないのは大きい。
最前線に向かう探索者達の活動時間は、確実に増大していった。
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