78 活動拡大の余波
迷宮の奥地で活動する者が増えていく。
それは迷宮都市にも影響を与えていく。
魔力結晶を持ち帰る者が増えた。
当然ながら、取引は活発になっていく。
迷宮周りに集まる商人達の稼ぎが増えていく。
魔力結晶の取引をする者達だけではない。
探索者相手の商売も賑わっていく。
食堂に宿屋、武器や防具の商店に鍛冶。
それらも少しずつ商売を拡大していく。
生き残る探索者が増えてるのが大きい。
人数が増えた事で経済規模が大きくなっていく。
探索者を起点にして迷宮都市は拡大をしていく。
都市の主な産業は探索者相手の商売だ。
これが拡大すれば、都市も当然発展する。
そして、探索者以外を相手にする産業も生まれていく。
そんな経済は、更なる発展をしていく。
魔力結晶の売却で得られる利益が、新たな産業に流れこんでいく。
その産業は迷宮探索に関係なく利益を上げていく。
都市が独自の発展をはじめていく。
探索者の存在は必要不可欠だ。
だが、その重要性は少しずつ下がっていっている。
それをもたらしたのが他でもない探索者というのは皮肉ではある。
しかし、都市の発展は決して悪い事ではない。
発展するというのは、より豊かになるという事だ。
それは探索者への恩恵にもなる。
今までより豊富な食料、様々な料理。
取り扱いが増えた様々な道具。
増加していく娯楽。
宿屋もより快適なものが増えていく。
それらは探索者だけを相手にするものではない。
都市に住むあらゆる者を対象にした商売だ。
しかし、探索者もその商売相手になる。
自然と恩恵を受ける事も出来るというもの。
新人が死なず、探索者増大していく。
その事は、確実に都市を発展させた。
巡り巡って、探索者自身の快適さや豊かさにもつながっていった。
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