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73 新人達の感想

 新しくやってきた新人達の躍進はめざましい。

 ヨシユキがやり方を教えた者に限るが。

 それでも、死亡率が極端に減っている。

 レベルを上げる者も増えている。



 そう頻繁にレベルは上がるものではない。

 今までだと、新人は一年に1つか2つ上がるのがせいぜいだった。

 今もそれはあまり変わってない。

 だが、レベルを上げる事が出来る者が増えている。

 死なずにレベルを上げてる者が増大している。

 この影響は大きい。



 旅団に入ってるなら、これはさほど珍しくもない。

 他の者達の手助けがあるからだ。



 しかし、今の新人は違う。

 旅団に入れなかった者達でも生き残ってる。

 少しずつ経験値を手に入れている。

 レベルを上げていっている。



 今までならありえなかった事だ。

 やり方も分からずに死んでいくのだから。

 だが、やり方を知った事で死ぬことは減った。

 生き残る者が増えた。

 結果として、新人全体の水準の上昇になっている。



 そうして水準をあげていった者達は、着実に奥へと向かっていく。

 もちろん、無理はしない。

 自分の出来る範囲で戦い、確実に生き残る。

 その上で、生活費を稼ぎ、経験値を手に入れていく。

 レベルが上がるのを待ち、それから奥へと向かっていく。



 そうして、全体的な水準を上げていく。

 新人だけに進みは遅いが、確実に前へ向かっている。

 そんな新人で迷宮の入り口近くはにぎやかになっている。



「教えてくれたおかげですよ」

 交流の多い新人はそう告げてくる。

「あのとき教えてもらわなけりゃ、今ごろ死んでたでしょうね」

 率直な感想だ。

 実際、何も知らない新人は、やり方を見つける前にくたばっていく。

 それが無くなっただけも、生き残りやすくなっている。



「出来ればもっと強くなって、早く先に進みたいですよ」

 意欲も燃やしている。

 その理由は様々だろう。



 単純に、生活費を稼ぎたいというのがある。

 生きていかねば始まらないのだから当然だ。

 どれだけ意識するかは人それぞれだが。

 それでも、まずは食っていく事を誰もが意識する。



 迷宮の奥まで進んだという評判が欲しいものもいる。

 危険な迷宮の奥に進めば、それだけで賞賛される。

 見栄や名誉といったものが手にはいる。

 それを求めて奥に向か者もいる。



 探究心や好奇心が理由になってる者もいる。

 ヨシユキがそうであるように。

 食っていかねばならないのは確かだが、それ以上に迷宮の奥へと向かいたい。

 そこに何があるのか見てみたい。

 そう思う者だっている。



 レベルを上げるのが目的の者もいる。

 極度にあげれば、迷宮の外でもそれなりの効果を発揮する。

 他の者より優れた能力を手に入れることが出来る。

 そうなれば、迷宮の外で仕事を見つける事も出来る。

 迷宮での戦いから身を引く事が出来る。



 これらをかなえる為にも、レベルを上げないといけない。

 レベルを上げて迷宮の奥へ向かわねばならない。

 だから新人達は迷宮に挑む。



「それが出来るのもヨシユキさんのおかげです」

 生き残るための基本を知る事が出来た。

 だから死なずに活動が続けられる。

 生活はまだ苦しいが、食いぶちにありつけないほどではない。

 着実に強くなってるから、先へと向かう事も出来る。



 そうして新人もまた迷宮の奥へと向かっていく。

 ヨシユキの教えによって。

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