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68 拡大する新人教育

「それはそうとですね」

 推奨レベルの話が終わると、サクラは別の話を始める。

「また新人の教育やるんですか?」

「そのつもりだ」

 問いかけにヨシユキは正直に答えた。



 新人がやってくると開いてる新人教育。

 安定感はあるが、儲けは余り見込めない仕事。

 趣味でやってるとしかいいようがないものだ。

 これをヨシユキは新人が集まるごとに開いている。



 サクラ達と分かれてからの3ヶ月の間にも一回行っている。

 それから時間も経ち、また新人が集まってきた。

 そろそろまた教育を開始しようと思っていたところだ。



「となると、私たちもお手伝いした方がいいですか?」

「出来ればお願いしたい」

 これには頭を下げて求めていく。

「手伝ってくれると本当に助かる。

 今は君らがいないとどうしようもない」

 事実、一人では手が回らなくなっている。



 事務処理にしろ、迷宮内の付き添いにしろ。

 サクラ達がいないとさばけない。

 新人はたいていまとまってやってくるので、人数が多い。

 それを相手にするには、どうしたって人手が必要になる。

 なので、今回もサクラ達に依頼を出すつもりだった。



「それにな」

 幾分真剣な顔になってヨシユキは続ける。

「今回から、旅団の方から援助も来てる。

 訓練が終わった新人を出来るだけ多く作ってくれって」

 複数の旅団からそんな依頼がやってきていた。



 どこの旅団も人手が欲しい。

 出来れば即戦力になる者が。

 だが、そんな人間は滅多にいない。

 戦闘訓練を受けてる人間そのものが少数派なのだから当然だ。



 しかし、ヨシユキの訓練を受けた者は違う。

 レベルは低いが、最低限の事は出来るようになっている。

 そういう人間は出来るだけ手元におきたい。



 そんな思惑から、ヨシユキの新人教育を支持する者が出てきている。

 より適切な訓練をしてもらうために。

 そんな人間を、出来るだけ確保するために。

 ようは、「手伝ってやるから、こっちに人をよこせ」という事である。



 そこはさすがに本人の意向もあるので、ヨシユキの一存では決められない。

 ただ紹介はするという事で納得してもらった。

 旅団の方もそれは仕方ないと受け入れるしかない。

 ただ、優先的な交渉権は支援してくれてる者達にまわしていく。

 あとは有望な新人を獲得出来るよう頑張ってくれと。



「そんなわけで、余計に手が抜けなくなってね」

「……凄い事になってますね」

 旅団が動くほどになってる事に、サクラは驚いた。

 そんなに影響力のある仕事になってるのか、とも。

「だから報酬の方は少しは大きく出来るから。

 お願い、手伝って」

「そういう事でしたら……」

 サクラはとりあえず頷いておいた。

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