62 今後はどうするか話し合う
このままレベルを上げて、他の旅団や探索班に紹介するか。
それとも、5人で独自に活動していくか。
どちらが良いのかは、ヨシユキには分からなかった。
そもそもとして、他人であるヨシユキが決めて良いことではない。
どうしたいかは本人が考える事だ。
なので、5人に直接聞くことにした。
「──と考えてる」
探索の休みの日。
5人と一緒に今後について話し合っていく。
このままレベルを上げて他の旅団などに紹介するか。
それとも、5人で組んでやっていくか。
「他にも何かあるかもしれないけど。
これはみんなが考えて決める事だと思う。
だから、みんなの考えが聞きたい」
彼女らの意思を問うていく。
「それは……」
「どうすっかな。
あまり考えた事なかった」
サクラとアヤメが眉を寄せていく。
本来であれば、考えておかねばならない事ではある。
しかし、今の状況になじみすぎて、すっかり忘れていた。
「でも、放っておいて良いわけでもないですし」
「決めなくちゃならない事ではあるよな」
ユリとスミレもあらためて向かい合っていく。
これからの事に。
自分たちがどうしたいのかを考える。
理想を言えば、ヨシユキと一緒に迷宮を巡るのが一番だ。
労せずして稼ぎが手に入る。
ただ、それはさすがに無理ではある。
ヨシユキは独り立ち出来るようになるまで協力してるだけ。
目処が付いたら、協力はそこまでになる。
当たり前だ、ヨシユキが延々と5人に付き合わねばならない義務はない。
だから決めねばならなかった。
これからどうするかを。
5人でやっていくか、どこかの旅団を紹介してもらうか。
それとも、もっと別の道を見つけて進むか。
「出来れば一緒の方がありがたいです」
5人からすればそういう事になる。
高レベル探索者のヨシユキと一緒の方が何かと都合が良い。
ただ、それでヨシユキの行動を縛る事になるなら考えものだ。
ヨシユキとしても、5人と一緒の方が便利な時もある。
新人教育などの時に手伝ってもらえるとありがたい。
しかし、いつも一緒というのは面倒でもある。
このあたりをどうするか。
全員にとって都合の良い形はなにか。
それを求めて頭を動かしていく。
その後も何日か話し合いを続け。
様々な考えを出していった。
一長一短がある意見をまとめ、妥当なところを探していく。
その間に探索も行っていく。
当面、ヨシユキは単独で行動し。
5人はまとまって行動しながら。
そういう事を続けていく中で、だんだんと何が良いのかが分かっていく。
最終的にヨシユキと5人は提携関係を結ぶ事で話をつけた。
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