61 他のところに入れるくらいなら、この娘達だけでやらせた方が良いのかも
また、ユリとスミレの能力を見て、あらためて考えていく。
この娘達だけで探索をさせた方が良いのではないかと。
便利ではあるが、癖の強さはどうにもならない。
便利なようで、不便な所もある。
それを補っていくなら、互いの特徴を知り尽くした者達でないといけない。
それが出来る者はそう多くはない。
よほどの熟練者か、達観してる者でなければ無理だろう。
単なる中堅どころの探索者では荷が重い。
となれば、いっその事5人で組ませた方が良いのではないかと思う。
下手にどこかに組み込むよりは。
特性も分からずに動かされるよりは。
自分たちで好きなように動ける方が良い結果になりそうだった。
その為にも、ある程度のレベルまで上げていく。
なんだかんだで、同レベルの専門職には劣ってしまう。
探知にしろ、戦闘にしろ、魔術にしろ。
推奨レベルもあてにならない。
そう示されたレベルよりも幾分高い方が良い。
ツバキの祝歌とアヤメの剣舞のように、例外的な組み合わせもある。
この強化で、レベル7のアヤメは推奨レベル10の怪物と渡り合えるようにはなってる。
だが、これも例外的なものだ。
全体として見れば、どうしても劣ってしまう。
推奨レベルのところまで成長しても、苦戦は免れないだろう。
だから、推奨レベルの低いところで活動させる。
レベルが10なら、推奨レベル5あたりのところで。
せいぜい、推奨レベル7までを限度にして。
そうしたところで活動させた方が無難だと思えた。
それでも、食いぶちを稼ぐ事は出来る。
時間はかかるが成長も出来るだろう。
生きながらえていけば、いずれそれなりのところまで行ける。
この考えを5人にも伝えていく。
そりが合うかどうかという問題もあるが。
可能なら5人で一緒にやっていった方が良いと。
「もっとも、性格のそりが合うかどうかとかもあるけど」
どうしても好きになれない人間というのはいる。
そういう人間がいるなら、無理して付き合わない方が良い。
そうでないならば、ある程度までは一緒にやっていった方が良い。
「俺はそう考えてる」
ヨシユキはそう伝えた。
それをどうするかは5人次第となる。
「とりあえず考えてみてくれ。
話し合いもしてみてくれ。
ユリとスミレがレベル5になるまでは付き合うけど。
そこからは皆がどうするか決めるんだ」
突き放すようだが、あとは彼女らが自分の意思で決める事。
ヨシユキはそう考えて、これ以上の口出しは避けようとした。
求められれば考えを述べるにしてもだ。
もっとも、全てはレベルを上げてからの話だ。
あともう少しレベルを上げねばどうにもならない。
ユリとスミレはあと2つ上げておきたい。
そうすればレベル5になり、探索に余裕が出来る。
他のところに行くにしても、その方がやりやすい。
ただ、5人で迷宮探索をするなら、今のままでも問題はない。
サクラ・ツバキ・アヤメの3人が戦闘の中心になれば良い。
推奨レベル5くらいのところまでなら問題なく活動出来る。
それくらいの能力はある。
なので、レベル上げはここで切り上げてもよい。
5人で活動するならば。
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