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59 工作人の能力

 その後も推奨レベル10のところで怪物をたおしていく。

 何度か狩り場を移動し、戦い続けた。

 最終的に新人のレベルを一つあげるだけの量を手に入れる。



 それをまずはスミレに使っていく。

 単純にスミレの方が体力があるからだ。

 戦闘能力がありそうな者を先に育てていく。



 それを一週間ほど続けていった。

 経験値を優先的に与えた結果、スミレはレベル3になる。

 能力が成長し、生存率が上がった。



 そうなったところで、意外な事が分かった。

 スミレが迷宮内の罠を見つけるようになったのだ。



 迷宮の罠は、何日かごとに場所を変える。

 なので、一度回避・解除しても、再び位置を変えて襲ってくる。

 だからこそ、罠の位置を見つけ、解除する探知能力が求められる。

 無駄な損傷を減らすために。



 普通、こういったものは斥候や盗賊といった探知能力が高いものがもつ。

 なのだが、スミレはそういった能力はもってない。

 あくまで工作人だ。

 物を作るのが仕事で、罠の発見が出来るとは思われてなかった。

 どうなってんだ、とヨシユキ達は思った。



「たぶん、作った物だからかな」

 皆の疑問にスミレは感じた事を伝えていく。

「なんとなく分かるんだ。

 ここ、何か不自然だなって。

 作り物めいてるって感じる」

 そういって罠を指し示す。



 そしてその解除もやってのける。

 このあたりは工作人らしいと言えた。

 物を作るのが工作人だ。

 ならば、物の構造や仕組みも把握出来る。

 その知識や技術を使って罠を解除するのだろう。



「びっくりした」

 他の誰よりも驚きながらスミレが言う。

「こういう事が出来るって思ってなかった」

 それは他の者達もだ。

 探索に関係のなさそうな能力。

 だが、レベルが上がると知られてなかった使い道が見えてくる。



 ただ、ヨシユキはそれほど驚かなかった。

 既にサクラ・ツバキ・アヤメという前例がある。

 様々な職業や技術のもつ別の面を見てきた。

 今回もそうしたものの一つなのだろうと納得出来た。



(という事は……)

 今回はレベルを上げなかったユリ。

 この娘にも新たな能力が芽生えるかもしれない。

 そうヨシユキは考えていた。

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