58 3人の成長ぶり
決まれば話は早い。
必要な装備を揃えて、迷宮入りの準備をしていく。
その中で、装備の費用を貸し付ける事も伝えていく。
それも2人は受け入れていく。
当然のように推奨レベル10のところまで向かう。
一気にレベルを上げるためだ。
ユリとスミレが震え上がったが気にしない。
一気にレベルを上げて2人が戦えるようにするのだ。
無理や無茶をしなくてはならない。
ただ、今回は今までよりは幾らか楽ではある。
レベル7まで上がってる3人がいる。
戦闘に直接参加はしなくても、援護は期待出来る。
ヨシユキの負担も以前よりは減っている。
まずは、サクラが動いていく。
怪物を呼び込む薬草を焚いていく。
相手を殺すものと違い、怪物の好む香りなどをひろげていく。
これによって、怪物を探す手間を省いていく。
当然ながら、効果時間中は怪物が押し寄せる事になる。
使い方を間違えれば危険なものになる。
だが、使い方次第では有効な手段になる。
本来は怪物をあらぬ方向し、その間に背後を通過する、というような時に。
もちろん今回は違う。
怪物を引き寄せて、一網打尽にする為に使う。
圧倒的に強いヨシユキがいるから出来る方法である。
そのヨシユキを支援するためにツバキが祝歌を歌う。
ヨシユキの能力が上がる。
アヤメももちろん戦闘力を上昇させる。
その力で仲間を守る位置についていく。
ヨシユキが戦闘に集中する間、皆を守るのが役目になる。
そういった準備が出来たところで怪物がやってくる。
それらをヨシユキは、手にした剣鉈で切り捨てていく。
隔絶したレベル差によって、ヨシユキはこのあたりにいる怪物をたやすく撃破していく。
続々と集まる怪物達。
サクラの焚いた薬草は絶大な効果をもたらしてくれる。
瞬く間に数十匹の怪物が押し寄せてきた。
それを苦も無くヨシユキが撃破していく。
切りつけられた怪物達は、次々に魔力結晶に変わっていった。
そうして一群を倒したら次の群れがやってくる。
休む事もなくそれらをヨシユキは撃破していく。
薬草の効果時間が終わる頃には、300匹ほどの怪物を倒していた。
さすがにヨシユキも息が荒くなっている。
ほんの少しだけ。
軽く体を動かしたくらいに疲労をおぼえてるヨシユキは、まだまだ余裕がある。
「行くぞ」
次のおびき寄せ地点を目指し、ヨシユキは動き出す。
魔力結晶を拾い終えてから、彼らは移動をしていった。
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