57 新人2人の意思
(けど、どうすりゃいいんだ?)
新たにやってきた者達。
またも残ってしまった者達。
それが2人。
果たしてどうすれば良いのやら。
とはいえ見捨てるのもしのびない。
経緯はどうあれここにいるのだ。
何もせずに放り出すわけにもいかない。
「やるだけやってみるか」
腹をくくる。
それに。
探索者向きでない者は初めてではない。
既に3人の実績がある。
これが増えたところでどうという事は無い。
……そう思い込むことにした。
早速、2人と話し合う。
あらためて何が出来るかを確認していく。
「無いのはしょうがないし、それをとやかく言うつもりはない。
ただ、それでもやってく気があるかどうか。
それだけ聞かせてくれ」
必要なのはその気持ちがあるかだ。
「どうしてもやるって言うなら、俺も少しばかり手助けする。
ある程度レベルが上がるまでは付き合う。
この3人もそうしてきたからな」
言いながらサクラ達を示す。
「だけど、簡単にはいかない。
正直に言えば厳しい。
それでもやるか?」
問われて2人は迷った。
迷宮に行かねば食いぶちにありつけないのは分かってる。
だが、言われて恐怖も抱いていく。
危険な迷宮に挑むのだ、死ぬ可能性がつきまとう。
それでも良いのかとあらためて考える。
だが、迷いは長くはない。
もともと覚悟をしていたのだ。
だから新人教育にも参加した。
迷宮の中に入りもした。
どういうところなのかも分かってる。
「やるよ」
先にスミレが答えた。
「もうそうするしかないもん」
「私も……です」
少しつっかえながらユリも答える。
「もう、迷宮に行くしかないんです……」
か細い声だが、しっかりと意思を示す。
「分かった」
それだけ聞ければヨシユキには充分だ。
「それなら迷宮に行くぞ。
ある程度レベルが上がるまで付き合う。
それで必要な技術や能力を身につけろ」
2人の参加が決まった。
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