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53 レベルを上げてから仕事を頼む

 その後、再び迷宮の奥へと戻り、レベルを上げていく。

 3人は戦い方を分かってるし、その能力も確かなものだ。

 それが分かれば、それ以上観察する必要もない。



 とにかくレベルを上げる事。

 生存の可能性を高める事。

 それだけでは解決しない問題もあるが、これで解決する事もある。

 強ければ迷宮で稼ぐ事ができるのだ。

 それは良いことだ。



 それが出来るくらいのレベルまで上げていく。

 目安としてはレベル7。

 獣型の怪物とも余裕を持って戦える強さだ。

 それだけあれば、3人で迷宮巡りも出来る。

 比較的安全に。



 あとは一緒に巡る者達が見つかれば良いのだが。

 こればかりは運を天に任せるしかない。

 ただ、そういう人間を見つける機会も近づいてくる。

 再び始める予定の新人教育だ。



 迷宮都市にはまた新しい人間がやってきてる。

 それらを集めて訓練をする予定だ。

 そこで3人とやっていけるものが見つかるかもしれない。

 それが目的では無いがヨシユキはそれに賭けていた。



 ついでだから、3人に手伝いをしてもらおうと考えていた。

 ヨシユキ一人では手が回らない。

 それは前回も感じていた。

 そのせいで、終わったあとに3人に書類整理などを手伝ってもらう羽目になった。

 今回はそういった無様をさらさないようにしていきたかった。



「というわけで、頼む」

 迷宮でのレベル上げから戻ってきて。

 食事のをしてる時にヨシユキは手を合わせて頭をさげた。

「俺だけじゃ無理だ。

 みんなが手伝ってくれると助かる」

「ええと、それは……」

「どうしよ」

「まあ、とりあえずもっと詳しくきかないと。

 あと、ご飯食べよ、まずは」



 何はなくとも話を聞いてくれるのはありがたい。

 ヨシユキは再び新人教育をするつもりなこと。

 だけど人手が足りないこと。

 3人に協力してもらいたいことを伝えた。



「どうかな?」

「それはまあ」

「やれるなら」

「けど、私らに出来ることなんかあるのか?

 まだレベル7になったばかりだぞ」

 不安を感じる3人。

 だが、そこは全く問題のない事だった。



「大丈夫だ。

 3人のレベルなら、入り口近くは問題なく巡れる。

 やり方だってもう分かってる。

 何もしらない新人が相手なら問題は無い」

 それくらいの実力を3人は身につけている。

 なので、心配はいらなかった。



「それに、3人にはもっと別のこともしてもらいたい」

「何を?」

「書類整理だ。

 あと、行動計画とか。

 このあたりはツバキが得意だったから頼みたい」

「うーん」

 言われてツバキが思案顔になる。



「サクラとアヤメは迷宮の中での付き添い。

 俺が一緒にいけない連中を守ってほしい」

「出来るでしょうか?」

「大丈夫だろ。

 サクラの毒草なら怪物を一網打尽に出来るし。

 アヤメの剣舞も、一気に何匹も倒すことが出来る」

「まあ、巨大虫くらいなら問題ないけどさ」

「それで新人を守ってほしい」



 このあたりは戦闘能力の高いサクラとアヤメだからこそ頼めることだ。

 単純な戦闘力ならアヤメはレベル5の戦士に匹敵する。

 そのレベルなら最弱の巨大虫が何匹飛びかかってきても問題は無い。

 攻撃を全て避け、敵は全て切り捨てることが出来る。



 サクラの毒草攻撃も巨大虫には致命的になる。

 食らった巨大虫は一気に全滅する。

 それだけのことが出来れば、戦力としては申し分ない。

 治療も出来るので、怪我をしても死ぬ可能性が下がる。



 ツバキはそんな二人に比べれば少しだけ劣ってしまう。

 直接の戦闘力がないからだ。

 しかも、最も効果を発揮するのがアヤメだけ。

 他の者達に祝歌を使っても、支援効果はさほど大きくは無い。

 レベル1の者達に使うなら、かなりの支援になるだろうが。

 それでも、効果的な支援が出来るとは限らない。



 それよりは、書類仕事をやってもらいたかった。

 地味に見えて、意外に手間で面倒な仕事だ。

 知らず知らず紙が積み重なるのだから。

 ツバキはこのあたりを上手くこなしてくれる。

 サクラやアヤメよりも。



「こんな風にやっていこうと思ってる」

 説明を終えたヨシユキは、そう言って3人を見る。

「どうかな?」

「それならば」

「やる」

「頑張ってみるよ」

 全員、頷いていった。

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