51 向上していた3人の能力
あらためて3人を中心に動かしていく。
推奨レベルの低いところに戻り、戦闘をさせていく。
最弱といわれる巨大虫よりは強い怪物が出て来るろころへ。
今の3人では少しばかりつらいかもしれない。
レベルが上がってるのはツバキだけ。
サクラとアヤメのレベルはそのままだ。
一人が強くても、他の二人が弱いと足を引っ張り。
それが致命的な状況を生み出すかもしれない。
だが、ヨシユキには勝算があった。
ツバキの祝歌とアヤメの剣舞。
この組み合わせはレベルの低さを補う可能性がある。
この二つの組み合わせは、一般的にはありえない能力向上をもたらす。
それがレベルの低さを大きく補うと考えられた。
ここにサクラの持つ、薬草・毒草の効果上昇も加わる。
これがどれほどの影響を与えるかは分からないが。
それでも、一般的な冒険者よりは有利に戦闘を進めるかもしれない。
これを試すために実際に戦わせていく。
その結果は良好なものだった。
巨大虫よりは強いといわれる、獣型の怪物。
小型犬程度の大きさをもつ、四つ足動物のような怪物。
それらがまず、アヤメの放った毒草によって苦しんでいく。
火を付けて投げつけられた毒草は、盛大に煙を放出していく。
それはたむろしていた獣型怪物を悶絶させていく。
それは怪物の嗅覚に作用するものだという。
一般的に獣は人間よりも感覚が優れてると言われる。
犬の鼻などはその好例だろう。
人間では分からない感知できない匂いも嗅ぎ取るという。
その敏感さのために、我慢できないほどの臭いには痛みすら感じるという。
今回投げつけたのは、その嗅覚に刺激を与えるものだ。
人間には、ちょっとした異臭がするくらいにしか思えないものだ。
だが、獣には凄まじい悪臭として感じられるという。
煙に包まれた獣型の怪物は、その場に倒れて転がり回る。
もう、戦闘どころじゃない。
そうなった怪物のトドメをさしていく。
抵抗もできずに怪物はたおされていく。
苦も無く3人は魔力結晶を手に取っていく。
楽に倒せるというのはありがたい。
だが、これでは普通に戦った時の事が分からない。
なので、怪物の数が少ない時には、サクラの毒草を使わずに倒していく事になった。
その場合でも、結果は変わらなかった。
祝歌の援護を受けた剣舞は凄まじい攻撃を繰り出していく。
踊るように繰り出される剣は、群がって襲ってくる獣型怪物を次々に切り伏せる。
剣の間合いに入れば、それだけで切り捨てられる。
さすがに一刀両断とまではいかない。
だが、四肢の一つを失う、腹を切り裂かれて内臓がこぼれる。
目や鼻などの感覚器を潰されて、行動がままならなくなる。
即死では無くても、戦闘不能状態になっていく。
これらに加えて、投石器による攻撃もある。
石に当たって動きが鈍ってるものもいる。
そのおかげで攻撃が当たりやすくなってもいた。
全体的にヨシユキの思った通りになっている。
上手くやれば、3人ならそこそこ戦っていける。
最弱よりは強いところでもやっていける。
危険はあるがやってやれない事は無い。
それだけ成長している。
これでサクラとアヤメのレベルが上がったらどうなるのか。
予想もできない強さを発揮するのかもしれない。
そうなる可能性をヨシユキは感じていた。
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