50 まずは一人のレベルを上げていく。
前もって言ってたとおり、戦闘はヨシユキが担当していく。
3人がまだ戦力にならないのは彼が一番理解している。
そのレベルを少しでも早くあげてやりたい。
そう思って、以前よりも多くの怪物をたおそうとする。
なるべく多くの魔力結晶を手にれるために。
当然ながら、それは戦闘を以前よりもこなす事になる。
3人にとって辛く苦しい日々もまた再開されていく。
「ひいい…………」
ついていくサクラの口から悲鳴がもれる。
怪物はヨシユキによって倒されてるが、気が気ではない。
なにかの拍子に向かってくるかもしれないと思うと余計にだ。
ヨシユキの強さを考えれば、そんな事もないとは思うのだが。
一応、ツバキの祝歌は事前にかけている。
サクラの毒草なども。
推奨レベル10の怪物相手に効果があるとは思わない。
何もしないよりはマシという程度なのは相変わらずだ。
今日はここに、サクラの薬草も加わっている。
事前に服用しておけば予防になるというものを。
滋養強壮で体力を底上げするものや、病気にかかりにくくするもの。
これらをサクラの魔力で強化して服用している。
効果がどれくらいか分からないので、これもまた気休めにしかなってないが。
ただ、ヨシユキは違いを感じていた。
薬草と祝歌の組み合わせ。
この二つの組み合わせで、能力強化の影響が高まっていた。
前回よりはるかに大きな効果をもたらしている。
感覚が鋭敏になり、怪物の居場所を見つけるのが楽になってる。
戦闘にかかかる時間が減っている。
それだけ体力も体の動きもよくなってる。
その分、倒せる怪物の数も増えていく。
3人にまわる魔力結晶も増えていった。
手に入る経験値も増えていく。
売り払って金にする分も残さなくてはいけないが。
それを差し引いても経験値にできる分が大きい。
それを使って、当面はツバキのレベルを上げていく。
祝歌の効果は全員に及ぶので、ヨシユキ達全員が恩恵を受けられるからだ。
それに、ツバキの強化はそのままアヤメへの大きな支援になる。
剣舞が祝歌の影響を大きく受けるなら、アヤメの戦闘力上昇に大きく関わっていく事になる。
自然と戦闘力の底上げもできる。
そう考えてツバキのレベルを上げていく。
サクラとアヤメは待ってもらう事になった。
集中してレベルをあげたせいか、1ヶ月でレベル5に。
2ヶ月目にはレベル7にまで成長した。
そこまで上がったところで、ヨシユキは一旦レベル上げを切り上げた。
「今の状態の強さを確かめよう」
祝歌の底上げがどれだけ大きいのか。
それによって3人がどこまで戦えるようになってるのか。
推奨レベルがもう少し低いところでそれを確かめる事になった
「自分の状態はしっかり把握しておかないと」
そういってヨシユキは3人を促した。
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