49 レベル上昇の強化合宿再開
判明したサクラの能力。
もう一日それを確かめるために弱い怪物を相手にしていく。
怪物に効果のありそうな薬草を試していく。
この場合、毒草と言った方が正しいのだろうが。
その効果はなかなかのもので、意外なほど簡単に怪物達は倒れていった。
効果のあるものを当ててるのだから、そうなって当たり前だが。
効果を増強するサクラの能力あってなのも確かだ。
一日かけて、効果を調べていった。
どれくらいの距離まで届くのか、どれだけ多くの者に効くのかなど。
分かったことはそう多くは無いが、今後の参考にはなった。
あくまで現時点では、という事になるが。
サクラのレベルと共に、効果は更に拡大する可能性もあるからだ。
今後どれくらい成長するのかは分からない。
それらが分かったところで、奥へと向かう。
3人のレベルをもっと上げて戦力を強化するために。
これが本来の目的なのだから。
少しばかり寄り道してしまったが。
「やる事は前と同じだ」
事前の説明でヨシユキはそう伝えている。
「推奨レベル10の所で魔力結晶を稼ぐ」
聞いた3人の顔色が一気に悪くなる。
以前よりレベルが上がってるとはいえ、推奨レベル10の所で戦える程では無い。
最低でもあと7つほどレベルを上げねばならない。
また死にそうな思いをするのかと思うと泣けてくる。
「前よりも派手にいくから。
もっと怪物と戦うつもりでいく」
そんな事まで言われて、3人は死にそうになった。
「レベルが上がると必要な魔力も多くなるからね。
今まで以上に怪物をたおしていかないと」
それは分かるが、出来れば勘弁してもらいたかった。
それでもレベルを上げるためにヨシユキについていく。
わざわざ骨を折ってくれるのだから泣き言を言ってられない。
やれるだけの事をやっていくしかない。
3人はそう思ってヨシユキの後ろをついていく。
だが、迷宮の奥へと進むごとに、その覚悟もゆれていく。
レベルがあがったおかげか、以前ほど怖いとは思わなくなったのだが。
やはり、重圧感を感じてしまう。
「がんばろう」
「うん」
「分かってる、分かってるよ」
意気揚々とはいかないが、そういって自分を鼓舞し、仲間を励ましていく。
そうでもしないと、震えで体が動かなくなりそうだった。
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