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46 サクラの提案

 薬草師のサクラはそもそも戦闘向きでは無い。

 薬草の使い方を知ってるので、治療の時に活躍出来る。

 だが、それ以外では特にこれといった取り柄がない。

 こう述べると失礼極まりないが。

 しかし、薬草師としての能力以外は平凡か、人並み以下だ。



 それは探索者に必要とされてる能力にも及ぶ。

 体力が足りず、敏捷さがたりず、反射神経が足りない。

 薬草探しで必要なのか、直観や智慧は高い。

 しかし、それらが探索に直接関わる事は少ない。



 直観の高さなどは、長じれば罠や怪物の発見などに役立つかもしれない。

 しかし、現時点ではそれを生かすだけの知識や技術がない。

 宝の持ち腐れ状態だ。



 だからヨシユキはこう考えていた。

 サクラはあくまで治療要員。

 他の作業は補助的にやるしかない。

 実際、能力値などを見たらそうするしかないと思えた。



 もっとも、これは探索者としてやっていくならばだ。

 薬草師としてならば充分にやっていける。

 その為の底上げとして、迷宮でレベルを上げる。

 その能力は主に迷宮の中でしか発揮されない。

 外では効果が薄れる。

 しかし、薄れはしても、能力を高める事は出来る。



 そうして高めた能力で今後の生活をたてていく。

 そうした方が良いと考えていた。

 考えが変わったのは、初日の探索を終えてからだった。



「あの」

 おずおずと声をかけてくるサクラ。

「どうした?」

「試したい事があるんです」

 そういうサクラは、いつになく真剣だった。

 決して引かないという意思が感じられる。



「何かやりたいのか?」

「はい」

 頷くサクラ。

「何をするの?」

「その、今日の怪物相手なら効果があるかもしれない事を」

「……え、そんなのがあるの?」

「試してみないと分かりませんが」

 そう言うとサクラは頭を下げる。

「お願いです、やらせてもらえませんか」

「そういう事なら」

 断る理由はなかった。

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