39 余計な思い込みがあるなら、それを取り除いておきたい
迷宮に入ったヨシユキ達は、怪物を探していく。
今回は3人の強さを見るためだけなので、入り口付近の弱いものを探していく。
丁度良い訓練にもなる。
単純な戦闘力だけなら、3人の能力はレベル1と大差がない。
そんな彼女達には、入り口付近にいる最弱に分類される怪物と戦ってもらう。
それでも苦戦する可能性があった。
戦闘は新人教育の時以来だからだ。
その頃も3人は上手くやれてなかった。
やり方はおぼえているが、体がついていかないのだ。
どうすれば良いのかわかっていても上手くやれない。
必要な能力が足りてない。
あと少しの体力が、俊敏さがあれば……という場面が何度もあった。
だが、今はその能力がある。
あの頃に出来なかった事が出来るようになっている。
ヨシユキはそれを確認しておきたかった。
最低限の動きでも、それが出来れば迷宮探索において大きな一歩になる。
3人にとっても大きな契機になるかもしれなかった。
新人教育の時は失敗続きだった。
どうにか成功にこぎ着ける事もあったが。
それでも、上手くいかない事の方が多かった。
それが挫折感になってる可能性がある。
諦め癖になってるかもしれない。
それを拭い去っておきたかった。
自分たちも出来る、自分たちはやれるんだと。
気持ちというのはとてつもなく大きな影響力を持つ。
駄目だと思えば、それだけで思考能力も運動能力も低下する。
やれると思えば、頭も体も動き出す。
もちろん、そのときの体調などにもよる。
疲労困憊ではどうしようもない。
そもそも、必要な智慧や知識、体力に技術がなければどうしようもない事もある。
だが、気の持ちよう次第で変わる事は確かにある。
それをまず最善の状態にしておかねばならない。
でなければ、今後の活動の成否が大きく変わってくる。
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