36 3人に手伝ってもらって凄く助かった
迷宮の道案内に新人教育。
これらをヨシユキは一人でやっていた。
当然ながら、収支計算や活動計画なども一人でこなしていた。
その際に、必要な事は何かと書き記していた。
なのだが、この整理がほとんど出来てなかった。
やはり一人で全てをやるのには限界がある。
迷宮の案内に、新人教育にとやっていれば、他の作業に割く時間がなくなる。
その為、帳簿に予定表などは、書き記したはいいがほとんど放置されていた。
それを見て、3人娘は手伝いを申し出てくれた。
ありがたいのでその申し出にのった。
もちろん、給金も出して。
3人はそれを断ったのだが、仕事を頼むのだからとヨシユキは作業料を支払った。
無料でやってもらうのはしのびない。
そうして手伝ってもらったのだが。
これが凄かった。
確かにやり方はヨシユキが伝えた。
こういう風に整理して欲しいと。
しかし、それを聞いた3人のなした事は、ヨシユキの期待を超えた。
乱雑に散らばった書き記しは順序立てて整理され。
殴り書きだった覚え書きは清書され。
乱雑だった予定表も適切な形にととのえられた。
おかげでヨシユキの部屋は久しぶりに人が住める空間に戻っていた。
床も見えないほど散らかっていたのに。
これなら大家が見に来ても大丈夫と思ったものだ。
「出来れば、また手伝ってもらいたいけど」
そんな事も思う。
しかし、3人が求めてるのは迷宮での活動。
それを遮って身の回りの世話をしてもらうのもどうかと思った。
ただ、3人が求めてる事が生活の安定なら問題は無い。
ヨシユキが給料を払って雇えば良い。
それで問題は解決する。
しかし、迷宮で成り上がること。
あるいは普通の人以上に稼ぐこと。
こういった事を求めてるならそうもいかない。
いくら頑張ってもヨシユキが出せる給料には限界がある。
せいぜい、一般的な労働者並にしかならない。
ある程度成功した探索者には及ばない。
探索者の稼ぎはそれだけ大きい。
中堅どころであっても月収100万円になる事も珍しくない。
その半分は経費で飛んでしまうのだが。
それでも、一般的な労働者より手元に残る金は多くなる。
それを求めてるならば、ヨシユキのところで働く事はないだろう。
もうしばらくはヨシユキのもとで修業をするにしてもだ。
いずれ独り立ちして迷宮に行くようになる。
探索者としてやっていくなら、そうなるだろう。
だが、実際に何を望んでるのか。
それは聞いてみるまで分からない。
(悩んでても仕方ないか)
とりあえず話をしてみようと思った。
でなければ何も分からないのだから。
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