表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/132

34 3人も不安を抱えてる

 強化合宿とでもいうのだろうか。

 ヨシユキに付き合って迷宮に潜った一ヶ月。

 その間にサクラ・ツバキ・アヤメの3人はレベル3になっていた。

 普通にやっていたら、一年でどうにか到達出来るかという段階だ。

 そこまで一瞬で上ってしまった。



「どうすればいいのかな」

 サクラは途方に暮れてしまった。

 悪い事をしてるわけではない。

 しかし、こんなあっさりと凄まじい水準に来てしまった事に驚いている。

 事態を受け止めきれてない。



「どうにもならない」

「もう、どうしようもないじゃん」

 ツバキとアヤメは諦めたように言う。

 困っても驚いても何も変わらないのは確かだ。

 ならば、なるようになっていくに任せるしかない。



「でも、これで人並みの探索者になれたんだよね」

「そのはず」

「あまり実感はないけど」

 3人ともレベル3まで成長している。

 元の能力が探索者向きでなくても、増大した能力で補う事が出来る。

 ヨシユキの教えてくれた事をもとに頑張れば、そこそこにやっていけるはずである。



 探索者の旅団も紹介してくれるという。

 今なら、妥当な所に入る事も出来る。

 それを断っても、入り口から遠くないところでなら稼いでいける。

 食いぶちに困る事は無いだろう。



 だが、不安もある。

 確かにレベル3にはなれた。

 しかし、能力は他の探索者のレベル1とほぼ同程度。

 幾らか上回ってるという程度でしかない。

 それくらい、3人の探索者としての適性は低い。



 能力が無いというわけではない。

 探索に必要な能力が低いのだ。

 そこが不安の種になっている。



 サクラは薬草師としては優秀だ。

 しかし、それが探索に役立つかというと悩ましい。

 誰かが傷を負った時などの治療は出来るのは確かだ。

 しかし、それ以外の場面で何が出来るというわけではない。



 ツバキは祝歌というものを使える。

 これは支援魔術と呼ばれるものに近い効果をもっている。

 攻撃の命中や威力を増したり。

 回避能力を上げたり。

 あるいは探知能力を上げたり。

 歌ってる間はこういった効果を周りの者に与えていく。

 だが、支援魔術に比べれば、効果は今一歩というところ。



 アヤメも似たようなものだ。

 剣舞という踊りを用いる事で戦う事が出来る。 

 だが、その戦闘能力は本格的な剣術ほどではない。

 あくまで踊りの動きを応用しただけに過ぎない。

 戦士としては本職より一段も二段も劣る。



 こんな3人が他の者達と共にやっていけるのか。

 そこに疑問があった。

 だからこそ、どこかの旅団に入る事も、3人だけで迷宮に入る事もためらっている。

「上手く出来ればいいけど」

「無理」

「ちょっと厳しいよね…………、いや、ちょっとどころじゃないけど」

 だからといって迷ってる場合では無いが。

 どうすれば良いのかと考えてしまう。

気に入ってくれたら、ブックマークと、「いいね」を


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


ファンティアで支援を随時受付中

【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/fanclubs/478732
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ