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24 楽しくもない返済計画

「でも、良いんですか、こんなに買ってもらって」

 宿に戻る途中、サクラが尋ねてくる。

 そこにツバキとアヤメも、

「ツケだけど」

「でも、それにしたって大盤振る舞いじゃない?」

とかぶせてくる。



 確かに今日の装備品の調達でかなりの金を使った。

 ヨシユキの懐はこの程度では痛まないが、普通の人間からすれば結構な金額になる。

 なるたけ安い装備にはしてるが、それでも総額で70万円にはなる。

 特に魔術の増幅器が大きい。

 これだけで30万円はかかってる。

 薬草も加えれば、もう少し出費が増える。



 必要だからとこれらの代金を支払ってる。

 さすがにここまで支払わせてる事に、3人とも気が引けていた。

 ツケと言ってるのも気になる。

 今の3人には支払いきる自信が無い。



 ヨシユキはそんな3人に、「かまわない」と言ってのける。

「まあ、時間はかかるが払いきれない金額じゃない。

 迷宮探索をしっかりこなせばどうにかなる」

「確かにそうですけど」

 不安そうなサクラの声があがる。



 迷宮探索をこなせば、確かに返済はできるだろう。

 だが、サクラ達3人では迷宮探索そのものが難しい。

 ヨシユキがついてきてくれるとはいえ、上手くいくか不安だった。



 それに、返済するにしても、時間がかかる。

 順調にいっても、初心者が一日に稼げる金額は、一日に4000円が限界だ。

 このほとんどが宿代と食費に消える。

 よくて一日に数百円が手元に残る程度。

 これで返済ができるのかどうか悩ましい。



「そこは心配しなくてもいいだろ」

 ヨシユキは全く気にしてない。

「レベルが上がればもっと稼げる。

 俺もレベル上げに付き合うから、他の新人より成長は早いはずだ。

 そうなれば、返済できるだけの金もたまるようになる」

 普通の人間なら、レベルが1つ上がれば稼ぎも大きくなる。

 サクラ達3人は戦闘に向いてないので、もう少しレベルを上げた方が良いのだろうが。

 それでも2つか3つも上げれば余裕が出て来るはずだ。



「それから返済をしてくれればいい。

 利子もとらないから、今日使った分を返してくれ」

「そういう事なら……」

 なんとかなりそうな気はした。

 それでも、かなりの時間が必要になるだろう。



 一般的に、最初のレベル上昇まで、早くても3ヶ月はかかるという。

 そこからは必要な経験値が増えるので、さらに時間がかかる。

 返済はそれからになるから、ヨシユキにはかなり待ってもらう事になる。



「ああ、大丈夫」

 出て来る心配に、ヨシユキは笑顔で答える。

「超特急でレベルを上げてもらう。

 楽ができると思うなよ」

「あ、はい」

「う…………」

「うへえ…………」

 三者三様の返事が挙がった。

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