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130 更に時間が流れていきます

 ヨシユキの安息を代償にして、移住先の里は発展していく。

 それが5年10年と続き、更に長く行われていく。

 20年もすると、里は明確に巨大化していた。



 人口は5万人ほどにまで膨れ上がり、今も増加を続けている。

 最初期の移住者達の子供達が成人し、それらが所帯を持っていくからだ。

 その間に子供達が生まれ、更に人が増えていこうとしていた。

 おかげで今後の領内整備が大変なことになる。



 今後、人口は10万人を超えるのが見えている。

 それを支えるだけの食料など物資を用意しないといけない。

 田畑は更に必要になり、鉱物や工業もより充実させねばならない。



 その為の整備を進めていかねばならない。

 迷宮を破壊し、土地を確保しなくてはならない。

 田畑もそうだし、資源地帯への道を切り開かねばならない。

 実現するために、探索者を数多く繰り出していくことになる。



 そうして手に入れた土地を整備しなければならない。

 田畑も雑木や雑草が生えてるなら排除しなくてはならない。

 土地の状態も回復させねばならない。



 資源地帯は実際に見つけねばならない。

 魔術があるので探知は出来る。

 だが、それでも広範囲に散らばる必要がある。

 手間はどうしてもかかってしまう。



 この手間を省くために、かつての記録などを頼りにする。

 どの地域で鉱物がとれていたのか、それを示す資料を。

 この為にかつての都市の廃墟などの探索もなされていく。

 蔵書などが残ってることはほとんどないが、まれに何かが見つかることもある。

 それらによって、鉱山の発見が出来たこともある。



 それらを見つけて、採掘施設の建設予定を作る。

 更に、加工する為の工場も建設する予定をたてる。

 建設にかかる時間があるので、少しでも早く作り上げられるようにしていく。

 それでも、実際に着手出来るようになるまでに長い時間が必要になる。



 また、数年先を見込んで計画をたてても、それが上手くいくとは限らない。

 予定より時間がかかることは珍しくもない。



 特に問題なのは鉱物資源だ。

 埋蔵されてる場所が遠く離れてる場合、採掘するのが難しくなる。

 運搬のための道などの整備が難しくなるからだ。

 そういう場合、採掘地点近くに町を作るしかなくなる。

 だが、そうなると巨大な移住計画が必要になる。

 それを実行する余裕はほとんどない。



 それでも何とか里を運営していく。

 相変わらず足らないものだらけであるが。

 それでも、少しずつことを進めていく。

 どうにもならない事は諦めながら。

 出来る事、やれる事を確実にこなしていく。

 それでたいていはどうにかなったりするのだし。



 そんな仕事に忙殺され、ヨシユキの毎日は暇がない。

 幸い、生活に不備は無い。

 もとより金には困ってなかった。

 探索者だった頃も、それなりの立場になってる今も。

 贅沢とまではいかないが、欠乏や困窮にあえぐことはない。

 しかし、悠々自適とは言いがたい日々である。



「どうしてこうなった……」

 そんなぼやきが毎日こぼれていく。

「早いとこ、ゆっくりと生活したい……」

 切なる願いだが、かなう気配はない。

 だからこそ、願望が口から何度も漏れていった。

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