122 余計な面倒は起こらないが、邪魔は入ってこようとする
そんなこんなもありつつ、ヨシユキ達は移住先を発展させていく。
何せ土地は余ってる。
労働力も大量に必要だ。
周りを迷宮に囲まれてるので、探索者も常に求められる。
脱出してきた国から、更に多くの人間を呼び込む事になる。
元々、同じ国の人間だ。
軋轢や問題などはさほどない。
地域差や地域対立などはどうしても絡んでくるが。
なるべくそういったものを持ち込まない者を取り込んでいった。
このあたりは旅団で採用する時の基準をそのまま用いてる。
才能や能力があるかではない。
人間としてまともであるかどうか。
それをもとに人を選んでいく。
余計なもめ事を起こす奴など決して受け入れない。
それでも、駄目な人間が入り込んでしまう事もある。
そういう時は迷宮の中で処分していく。
おかげでヨシユキ達の移住先は平穏を保っていた。
もめ事を起こす奴がいないので、生産性も高い。
様々な業務が滞りなく進んでいく。
迷宮も次々に攻略されていく。
魔力結晶回収用で近くに残してるもの以外は、移住先付近から排除してある。
手を付けずにいるのは、脱出してきた国との間になるものだけ。
相変わらず天然の防衛線として迷宮密集地帯は活躍してくれていた。
流れ込んでくる怪物には辟易するが。
それでも、移住先は発展していく。
やってくる冷え飯食いの部屋住み達は、喜んで荒れた田畑へと向かっていく。
そのまま家の中で労働力として朽ちていくだけだった者達だ。
自分の田畑が持てるとあって、全力で作業にあたっていく。
町の建築・整備もするので、土木建設系の作業員も求められている。
まだまだ人が増える今、町もどんどん大きくなっていく。
職人・商人は言うまでもない。
あちこちで必要になる道具は多い。
それをあちこちに持ち込んでいく必要もある。
それを担う彼らは休んでる暇もない程だった。
急激に発展する移住先は、一つの地方と言うほどに大きく巨大になっていく。
それは当然、王侯貴族の目にもとまる。
さすがに彼らが放置するわけもない。
何度もヨシユキ達の所に向けて使者が立てられた。
しかし、誰一人としてその任を全うする事はなかった。
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