119 荒廃している新天地
迷宮がまだ破壊されてない地域。
かつては人の社会があった場所。
そこに自分たちの居場所を作ったヨシユキ達。
わりと前代未聞の事だった。
そこかしこに迷宮があるのだ。
これらから絶えず怪物が吐き出されている。
そんな危険地帯、好んで住もうという者はいない。
なのに、そこに居を構えるのだ。
酔狂を通り越して狂気と言ってもよい。
それができるのも、ヨシユキ達が高レベルの探索者だからだ。
そんなヨシユキ達の最初に仕事は、迷宮攻略になる。
見える範囲から怪物を排除したとはいえ、危険が消えたわけではない。
居住地近くの迷宮はできるだけ破壊したい。
なので、迷宮攻略経験のあるヨシユキ達が迅速に破壊していく。
やり方は既に確立されてるので、手間取る事もない。
最初の迷宮攻略に一ヶ月もかからなかった。
やり方が出来上がってるというのはありがたい。
また、ヨシユキが大きくレベルを上げていたのも大きい。
強力な戦力が一人でもいると、戦闘が楽に進む。
そうして迷宮を攻略して、新たに強力な魔力結晶を手に入れる。
それを使ってタケヒト達精鋭のレベルを上げていく。
それがまた迷宮攻略に拍車をかけていく。
引っ越してきて三ヶ月もする頃には、合計3つの迷宮を。
半年後には9つの迷宮が破壊された。
移住地とその近隣は大きく切り開かれた。
平野を中心とする地域がヨシユキ達のものになっていく。
この頃には、各地から呼び寄せた探索者の家族達もほぼ集まってきていた。
それらがかつての農地に入り、荒れ地を復旧させていく。
また、三男坊以下の冷や飯食い達も仕事を得ていく。
職人にせよ商人にせよ、様々な労働者にせよ。
人手は常に求められている。
やらねばならない仕事はいくらでもあるのだ。
求人募集は常にかかっている。
当然ながら探索者も求められている。
むしろ、就業前の修業として、探索者をするのがほぼ一般的となっていた。
レベルを上げれば能力が上がるからだ。
そうしてから仕事をおぼえた方が効率が良い。
それに、破壊しなければならない迷宮も多い。
資源が眠ってる場所や、農耕に適した場所などにも迷宮はある。
その周辺の安全も考えれば、まだまだ迷宮は間引きが必要だった。
その為、人材育成を兼ねた迷宮攻略も進められていく。
今後の事を考え、レベルが高い人間を揃えておきたいという思惑もある。
その為、ヨシユキ達は比較的近くにある迷宮を、育成・経験値稼ぎの場として残していた。
それもあって、レベルを上げた人間が増加。
ヨシユキがやってきた場所の発展を底上げしていく事になる。
ここに探索者の家族や、探索者相手の商売人達も加わる。
その家族も当然やってくるので、かなりのものになった。
移住して2年目になる頃には、新たに生まれる者も出て来る。
もちろん、寿命を迎える者もいる。
それでも、総人口は8000人になっていた。
今も土地を切り開き、旧来の姿に回復させている。
それに伴って、更に人は増えていった。
発展はまだまだ続いていく。
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