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114 大天使と小天使の撃破

 サクラが薬草の力を拡大していく。

 それらが大天使の振りまく毒煙のオーラを消滅させていく。

 毒や病気の効果を打ち消す薬草の力は大天使にも有効だった。



 その薬草の効果は大天使を取り巻いていく。

 薬草の薬効に巻き込まれた大天使は、燃えさかるようなオーラを減退させていく。



 小型の天使も同じだ。

 大天使の飛び散った血から出て来た存在だ。

 性質も元になる大天使と同じなのだろう。

 毒をまき散らす存在ならば、薬に弱いのも当然。



 そうなると大天使も逃げだそうとする。

 自分の弱点になる性質のものをぶつけられてるのだ。

 単純な攻撃以上に弱ってしまう。

 ある程度距離をとって回復をしようとする。

 時間が経てば自然と修復されていくのだ。

 無理して戦い続ける理由は無い。



 それを阻むものが大天使の撤退を妨げる。

 いつの間にか出来上がった壁。

 それが大天使の逃げ道を防いでいく。



 それらは工作人であるスミレによるものだ。

 その他にも、大工や石工などの建設系の能力を持つ者が造り出していた。

 魔力を使い、何もないところに様々なものを造りだしている。



 最初に作ったのは天井。

 高すぎる部屋の天井では、空を飛べる大天使は簡単に逃げられてしまう。

 それを防ぐために、大天使の頭上ギリギリの所に天井を作った。



 更に背後に逃げられないように壁も作っていく。

 左右も同じく。

 魔力の塊である建造物によって、大天使は退路を塞がれた。



 ただ、そのままでは大天使の放つ毒煙がこもってしまう。

 そうなるのを防ぐため壁にも天井にもほどよい隙間が作られている。

 魔術による風が吹き付けることで、そこから毒煙が排除されていく。

 これらは設計士や測量士によるものだ。

 彼らが効果的な形を見いだし、それをスミレなどの建築関係の能力を持つ者達に伝えていった。

 これによって障壁は効果的な形になっていた。



 逃げ場を失った大天使と小型天使達は、やむなくヨシユキ達にむかっていく。

 あるいは、立ち塞がれ天井や壁を破壊していく。

 魔力でできたそれらは、破壊不可能な物質ではない。

 耐久力はそれなりに高いが、叩き続ければ壊れるものだ。

 吹き出す血の数だけ発生する小型天使達は、退路を作ろうと必死になって破壊していく。



 だが、それは前衛に攻撃をする数を減らす事になっていく。

 しかも天井と壁は次々と作られ続けていく。

 破壊するそばから新たな壁や天井が出来上がっていく。

 小型天使も増えるが、それでは決して追いつかない。



 そして小型天使は取り巻く薬草の効果によって消耗していく。

 時間が経てば消滅していく。

 おかげで天井と壁の破壊もろくに進まない。



 だが、ヨシユキ達は攻撃を重ねていく。

 大天使に出血を強いていく。

 その都度、大量の血しぶきが舞う。

 それが小型天使を更に産み出していく。

 しかし、大天使を確実に削っていっている。



「この調子なら、確実に倒せる」

 状態を見ている学者がそう判断していく。

 大天使の様子から、長くはもたないだろうと。

 ただ、楽観もできない。

「追い込まれてくると、強烈な攻撃をする。

 今までの迷宮の主もそうしてた。

 こいつも例外ではないだろうよ」

 過去の事例から、中枢でもある迷宮主は確実に何かを仕掛けてくると判断された。

 どんな事を仕掛けてくるのかまでは分からなかったが。



 それでも、そこまで追い込んでるのも確かだ。

 追い込まれねば出さない攻撃をだ。

 断末魔の叫びでしかない。

「なら、それを出させてやればいいだけだ」

 致命傷を負ったという証になる攻撃を。



 大天使はそれを発動させていく。

 追い込まれて他に手段がなくなり、それでも形成を逆転するために。

 ヨシユキ達はそれに対応するべくあらゆる手段を使って備えていった。

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