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111 攻略を言い分けにした時間稼ぎ

 迷宮攻略のためのレベル上げ。

 それを続けて、ヨシユキはレベル100に到達した。

 仲間も同等のところまで上げている。

 ここまで来れば、あとは迷宮の主を倒すだけ。

 中枢に乗り込むだけとなっている。



 だが、そこでヨシユキは足を止めた。

 攻略前に下にいる者のレベルを引き上げると言って。



 迷宮攻略による迷宮崩壊。

 そうなればここで稼ぐ事は出来なくなる。

 それで困るのは新人だ。

 レベルの低い者達だ。

 すぐに他の迷宮に行っても稼げるかどうか分からない者達だ。



 そういう者達の為に、レベルを上げるまでは攻略を控える。

 そう言ってヨシユキは旅団員と関係探索者のレベル上げを進めていった。



 もちろん、嘘である。

 末端の旅団員はともかく、中核の者達のレベルは既に充分に高い。

 大半がレベル50になっている。

 そこまではヨシユキも何とか引き上げようと頑張ってきた。

 そこに届いてないのは、本当に入って間もない新人くらいだ。

 その数は本当に少ない。



 敢えて攻略を控えてる理由は一つ。

 移住先の充実を待ってるだけだ。



 移住予定地の開発は進んでいる。

 持ち込んでる資材と現地の人員によって小さな町にまで発展している。

 人員も増やし続け、今や200人。

 その人数を収容できるだけの設備が揃ってきている。



 だが、まだ足りない。

 ヨシユキの旅団はもう500人をとっくに超えている。

 関係のある探索者や取引相手を加えれば、1000人になろうというところだ。

 それだけの人数が一度に移住できるだけの状態にはない。



 設備を更に拡充しなければならない。

 その為の時間を稼がねばならなかった。



 物資を更に集めねばならない。

 人ももっと追加せねばならない。

 速やかに人員を移動するために、荷馬車なども用意しなくてはならない。



 これが探索者だけなら何の問題もない。

 レベルの上がってる探索者ならば、馬やロバ並の力を発揮する。

 文字通り、一人一人が一馬力を発揮する。

 そんな探索者ならば、馬などの労役用の家畜も必要ない。

 何なら馬車を自分で引っ張れば良い。

 身一つで移動するなら、それこそ馬と同じくらいの速さで走る事も出来る。



 だが、探索者ではない一般人もいる。

 ヨシユキ達についていくと言ってる者達だ。

 それらを連れて行くとなると、移動手段なども用意しなくてはならない。



 その準備にどうしても時間がかかる。

 物を作ったり買い集めねばならないからだ。



 レベル上げはその為の方便だった。

 準備を少しでも進める為の手段だ。

 その為にヨシユキは、必要の無い足踏みをしていた。



 それも限界が出てくる。

 新人の加入もある程度落ち着いた。

 細々とした入団者はいても、大勢の人間が押し寄せてるわけではない。

 レベル上げも程なく終わってしまう。

 大半がレベル50を超えてしまう状態になった。



「もう無理だな」

 さすがにこれ以上はごまかせない。

 そこまで来てヨシユキは、迷宮攻略をする事にした。



 ただ、それでももう少し粘ろうとする。

 余裕を持って中枢を破壊できるようにと。

 レベル100を超えて、更にもう少しレベルを上げる事にした。

 姑息なものだとヨシユキも思う。

 だが、そうしてでも時間を手に入れたかった。

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