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この砂漠を超えて

作者: ヤグーツク・ゴセ

この世界にはもううんざりだ。

そうだ。目を閉じよう。


2088年世界は終焉を迎えようとしていた。2052年に勃発した第三次世界大戦により世界中全ての国が壊滅的被害を被った。世界各地で多くの死者を出した。その数85億人。世界の95%の人々がこの戦争により何らかの被害を受け亡くなった。また、核兵器を使用したことでこの大戦より26年間、今日に至るまで世界中で異常気象が起こり続けている。そして世界における最大の変化は地球の陸地の8割が砂漠になってしまったことである。 


僕が生まれた時からそんな世界であった。生まれた時には地球のあらゆる所で砂漠化が起こり、人が住まなくなった町は恐ろしい廃墟の町と化していた。僕は生まれる前の世界を見たことはないがこれだけは言える。

この世界は絶望そのものだ。


僕の親は5年前に亡くなり僕はずっと独りぼっちだ。どこの町かもわからない今はもう名もない町で独りきり。こうして生きながらえてきたが生きることに希望も見出せず、助けてくれる人もいないので毎晩誰もいない夜空を独り占めにしてその夜空に問いかける。「僕は何のために生まれてきたのか。」と。   


そして僕は死ぬことを選んだ。この町から出て砂漠の果てまで歩こうと決意した。そこを墓場にすると決めた。何もない砂漠だが意外と砂漠というものは美しい。そんなことを考えながら強い太陽の光に照らされながら砂漠の果てを目指し歩き始めた。


もうそこから意識はないが僕は死んでしまったのだろうか。いや、死んでない。僕は要らない存在だから殺されてしまったのだろうか。いや、殺されてない。この世界から消えてしまったのだろうか。いや、消えてない。僕の意識の中のもう1人の僕はまだ生きてて欲しいみたいだ。


目が覚めるといつもの天井だ。スマホの目覚ましを止め果てしない外の景色を仰ぎ見る。砂漠への逃避行は夢だったのかと落胆した。僕が生きている現実世界も夢で見た砂漠の世界と変わりやしない。同じ絶望の世界だ。


家のドアを開け、高校までのいつもの通学路をゆっくりと歩く。まるで砂漠を歩いているかのように。

じゃあ、砂漠を超えた先には何が待ってるのだろうか。

絶望か...。    

こうして現実世界を生きながらえて僕ははかなく死んでしまうのだろうか。この砂漠を超えた先には何があるのか。何が一体何が僕を待ち受けているのか。

ただ知りたいだけなんだ。その果てを。


僕の肩には小さい砂粒が残っていた。

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