第六話 「月影亭」
ギルドの登録が終わったので、ナビに聞いた「月影亭」というところへ向かう。
ナビがまたマップを出してくれるので、夕方の人ごみの中でも迷う心配はない。
本来なら、ここの文字で書かれているはずの宿の名前が漢字で書かれているのは置いておいて、どんな宿かを想像する。
…まあご飯がおいしければいいのだが。
ついた宿の外見を見ると、普通の外見をしていた。(なんか旅館を想像してしまうのはなぜだろう)
中に入って、すぐ目の前に受付がある。俺は、とりあえず長めに取ろうと考えながら受付に話しかけた。
「なあ、三十日分の宿をとりたいんだがいいか?」
「は、はい!三十日分ですね?えっと…一日青銅貨二枚なので…」
てんぱっているが…計算できないのか?簡単な掛け算だぞ?
「すまん。嫌がらせだったか?青銅貨六十枚。つまり銀貨六枚だ。」
ま、さすがに迷惑行為になるので教えてあげるのだが。それにしても、異世界の人は計算が苦手か…覚えておこう。そして、手続きが終わり、203号室のカギをもらって中に入った。
そうそう、中に入る前、ご飯の時間になったらお呼びしますと言っていた。どんなご飯か楽しみだ。
部屋に入ると、まずステータスを確認した。
石原健斗 Lv47
ATK470 DEF376 SPD564 MP4700 統計値6110 経験値7100/2010
「うん。ちょっと待て。突っ込みどころが三つぐらいあるが、一つだけ言わせてくれ。あのクマLV何だったんだよ!!」
つい心の中で叫んでしまうほどの驚きだった。本当なら、こんな上がり方はしないのだから。
ま、そんな驚きは置いておいて、俺は、「変身」スキルを作って赤髪赤眼の顔にした。仮面が外れてもばれないようにするためだ。
最初からこうすればよかったのでは?と思う人がいるだろうが、これでいいのだ。
「ご飯が出来上がりましたよー!」
店員の呼ぶ声が聞こえた。どうやらもうできたらしい。
そして、ご飯を食べて寝たのだった。