逆鬼滅ブーム
2025年、逆鬼滅ブームが来ることを予言しよう。
いま『鬼滅』と言えば、『鬼滅の刃』である。
かまど炭治郎が鬼と戦う漫画。
週刊少年ジャンプに連載され、アニメ化で火がつき、
LiSAの『紅蓮華』が大ヒット中。
2020年10月には、映画も上映される。
『鬼滅の刃』ブームは映画が完結するまで
数年は続くのは確実だろう。
じゃあ、『逆』って何ッ?
そのまま。
『鬼滅』の逆、それは『鬼の繁栄』?
そう、『鬼』ブームがくる。
鬼、頭に角が映え、虎のパンツをはいている。
これは陰陽道からくる魔物だ。
陰陽道では北東の方角が鬼門と言われ、
魔物がくると恐れられた。
そのため寺院を建て、魔除けとした。
比叡山延暦寺がそれである。
都(京都)の北東に位置している。
北東、昔では丑・寅と言い、
ここから鬼は牛の角、トラの装束が生まれたという。
いまだにゾンビブームが続いているなら、
鬼ブームがくるというのも頷けよう。
「映えるねぇ~。その角」
2025年になっても、インスタ映えは基本だ。
「かわいいでしょう」
彼女はメガネの縁を持ち、ほほ笑んだ。
「あなたの黒い角もカッコイイ」
「ブラックトリガー使いだから」
彼は決め顔をスマホに向けた。
彼の角はアフトクラトルのエネドラモデルだ。
彼女はベンチに座る少年を見て思った。
ヒュースタイプもいいなあ、
でも、バッファローマンタイプはちょと、と。
彼ら以外の人々も角をはやしていた。
そのブームは日本から広がり、今や世界にも・・・
コロナウイルスが中国から世界に広がったように。
しかけたのは日本企業だった。
必然とも言えた。
2024年、脳波でスマホの精密な操作が可能になったからだった。
そして、眼鏡タイムのモニターが一般化され、
スマホを手に持つ必要がなくなった。
まあ、盗撮防止のため、撮影はスマホ本体を使ったが。
まず、米国企業が帽子型の脳波捜査装置を発売した。
帽子にはソーラーパネル、バッテリーが設置され、
実用的だったが、それほど普及しなかった。
映えなかったからだ。
それから一か月後、日本企業は角型を発売した。
それが、映えに映えた。
それから、いっきに世界に広がった。
鬼滅ブームは映画完結で終わったが、
逆鬼滅が到来したのだった。
完全に少年ジャンプに便乗した作品でした。