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アナザーワールド 〜My growth start beating again in the world of second life〜  作者: Blackliszt
Solitude on the Black Rail 編

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74Tuba mirum



 手ずから朝食を作り。

 目を覚ますと朝食をとり、シャワーを浴びて身なりを整え仕事へ向かう。

 このルーティーンが染み付きつつある最近は充実している。

 そして、この充実した日々を続けていていいのだろうかと迷いがある。


「それじゃあ一般倉庫にも温度管理できる魔道具を取り付けるということで」

「はい、ありがとうございます」

「他に困ったことや要望はない?」

「要望が一つあります。何かまたイベントがやりたいなとみんなから声が上がってます」

「イベント?」

「年明けの釣り大会、楽しかったと」

「あれ」

「楽しかったのもそうですが、サイレンの方々と仲を深められる交流ができてよかったと。それにリアムさんのキマイラたてがみロープを使った一本釣りが──」

「あれはやりすぎたよ。僕のことはいいから・・・でもこの時期のマリンスポーツとなると思いつかない。夏なら色々やりようがあるけど、とりあえずまた釣り大会でもする?」

「ぜひ!」

「それじゃあ企画は任せていい?」

「いいんですか!?」

「自由参加の一点はくれぐれも守るようにして、ルールを変えたりとか、賞品を考えたりとか。できる範囲でやりたいようにやるといいよ」

「で、では、早速交渉を一つさせてください。賞品に大会の最初にリアムさんが使っていたリールと釣竿をですね、そのぉ・・・」

「それが狙いか」

「えへへー」


 ノーマをはじめ関連会社に勤めている人たちとの関係も良好で・・・でもあと1年経ったら、僕は約束を果たすために王都へ行く。


「それじゃあノーマ、いってくるね」

「いってらっしゃいませ」


 とはいえ、僕には自前の長距離移動法があるのだから多少はなんとかなりそうだなと。その間は王都で勢力を増すよう活動するのも悪手ではないし、それまでにできれば抱えている競争に決着をつけておきたい。


──リヴァプールでノーマと別れた午前の10時ごろ、ステディエムの入り口へと飛び立つ。






 ・・・淀んでる。


 人を巻き込まないように空に作ったゲートから関所前を見下ろすと、いつもは河のようにくねりながら伸びている長蛇の列が湧くべき場所から出ていない?

 より緩慢としていて、ところどころ人の集団が溜池のように流れを淀ませている。

 昨日の雪溜まりと似たような、路面にも雪が残っているが今日は晴れ、じきに雪解ける。

 それと、慌ただしい。


「こんにちわ」

「ああ、どうも」

 

 慌ただしいのは関所の交通職員だ。


 空間属性での移動が禁止されている街中、メルクリウスの産出物を守るための出入の管理、故に街には入口から入場してそれなりの移動手段を利用する。

 前世では当たり前のことだったが、魔法にドップリ浸かってしまうと面倒に思える心を律しようと日々健闘する。

 要は、急に空から降りてきて要人用通行受付に立とうともここの人たちとも面通しが済んで覚えがいい。


「アレ、どうしたんですか?」

「入場の自粛です」

「理由は?」

「現在街中で反貴族主義の集団による抗議活動が起こっておりまして」


 ・・・ー?


「もう少しわかりやすく教えていただけるのでしょうか?」

「・・・ここだけの話、ステディエムの土着の民を中心に結束された反領主集団のデモが貧困層を巻き込み混沌としている最中です」

「いつからでしょう」

「本日の明け方、ダンジョン広場に結した集団が半々日ほど抗議活動を行った後、中核と見られるガポン家のメンバーに扇動され現在は領主館へ行進中ですが、一部は分離し広場で少数が暴徒化しこれを鎮圧。デモの主張が錯綜していて目的も詳しくは把握できていません」


 こうして街の出入り口で足止めを食らうのは久しくない。

 しかも明確に現在進行形で問題が起きている最中だというから、気分が焦逸る。


「自粛が推奨される状況であって規制されているわけではない?」

「規制は一旦解かれたので・・・はい」

「入りますね」

「お待ちください!?」

「議論している時間すら惜しい。知り合いの安全の確認に出向きたい」

「確かに広場でデモに合流した群衆の一部が暴徒化しましたが、今は乱暴した者たちは取り押さえられ膠着状態です」

「一触即発ではあると」

「騎士たちが事態の収集に動いていますからもう少し情報が出揃ってからでも」


 ──”だってそうでしょう・・・あなたは今回この事件を解決、あるいは防ぐために足止めをした! ほとんどが言葉を交わしたこともない村人が怯えるばかりに閉じ込められた旅人は全員が殺された!”


「お仕事がんばってください」

「リアムさん──・・・行ってしまった」


 杞憂だ、大丈夫、何もない、大丈夫だ、大丈夫・・・。


 街中に入っても辺りは静かだった。

 いつもはもっと賑わっている。


 はじめに行くべき場所はどっちだ。


 クロカか、ピーターメールか。


 ピーターメールには湊花さんや他の大人たちがいる。

 孤立していたとしても対応を間違うことは起きづらい。

 ゲイルとガスパーは確か、王都に行くと言っていた。

 一方で、暴動すら起きたというダンジョン広場、そこの近くに勤務しているクロカとクッキーベルのみんなの方が心配だ。


 空間属性魔法を使うことは厭わない。

 だが人が多いことが予想される場所、かつ、目視できない転送先にテレポートすると二次被害を起こす可能性もある。

 しかし、しかし僕ならこの距離でもゲートの出現先を安全に選ぶこともできるのだから、懸案事項は周りの人を驚かせるくらいのこと。


 広場の状況を把握しつつ最速で──Blood Plazma Sprite.


 少しだけ、少しだけ時間が欲しい。

 僅かでいいんです、ごめんなさい、許してください。

 だから走り跳ぶ。


「クロカさん、クロカさん──・・・!!!」


 秒にして空を貫く。

 スカイパスより高く、メルクリウスより低く。

 視認した着地先──・・・群衆の傍への着地を考える。

 ・・・このまま、空を飛びたい。

 飛んでしまって、肌に感じるこの風と一緒にこの一時を走馬のような永遠に閉じ込めてしまいたい。


 ダンジョンの入り口の幾つかを塞ぐようにデモ隊が居座り、騎士団や自警団が連携し対峙している。


「背が浮いたように肩が重い・・・何かが街に入ってきた?」

「街に入った魔力が一つ検知機から消えた」

「誰のだ!」


 この速度に追いつかないデモ隊の声の一音を拾うことなどできるわけもなし、主張や目的は窺い知れないが、合理的に考えれば音と風の力を喰いながらただ通り過ぎればいい。


 メルクリウスの中は、閑散としていた。

 明け方からのデモではあるが、メルクリウスはデカく、また、全ての入り口を塞げているわけではなかった。

 まばらに冒険者が残っているが、ギルド職員の姿は窓口にはなかった。

 おそらくは一時的に業務を停止させているのだろう。

 

「いない──・・・」


 もちろん、それはクロカもだった。 

 そこに彼女がいないことは周りの状況を鑑みてどことなく察していたが、なんとしても目視で確認しておきたかった。


『クロカさんにはいざという時にサイレンまで移動できる魔道具を持たせてあるわけだし、おそらくは──』


 心構えはできた。

 躊躇いはしない。

 ピーターメールの建物の上空にテレポートする。


「閉まってる」


 正面のカーテンが閉ざされていることを確認しつつ降下して玄関扉に手を掛けるも施錠されていた。そのためすかさず建物内の魔力感知を行い再びテレポートする。

 

「リアム!!?」


 建物に侵入した僕を出迎えたのは、剣先を真っ直ぐに僕に向けたラディだった。


「声を掛けなくてゴメン。みんないる?」


 建物内にいる人物については外から感知したが漏れを塞ぐ念の為に点呼をとる。


「他の職員たちは私が帰しました」

「適切な対応をありがとうございます、ライヘンさん」

「それから、こちらにクロカさんも来られたのですがジョシュさんとチェルニーさんがいないと知ってエスナの台所まで様子を見に行かれました。ジェームスはカレンダーさんの付き添いで、同じくまだ出勤されていない湊花さんの方へ」

「クロカさんも来てたんですね」


 一先ずは、よかった。


「つまりここにいるはずなのにいないのは、クロカさん、ジェームスさん、ジョシュ、チェルニー、そしてカレンダーと湊花さん」

「はい。湊花さんの方へは職員への対応が終わった後での対応である一方で、クロカさんの方は朝方に様子を見に行かれたのですが慎重を期していられるのか」

「遅い・・・身動きが取れなくなったか」

「ええ」

「キャシー」

「なに?」

「魔道具で資料を回収する」

「・・・わかった!」


 キャシーは床の一部を外してから、箱を拾い上げて魔道具を取り出す。

 その様を不思議そうに見ていたライヘンにそれとなく前置く。


「ピーターメールの重要書類に押す判子って変な構造してるでしょ」

「ええ」

「あれの上から入れるインクにメルクリウスから産出される空間属性魔石屑が混ぜてあるんですよ」

「あのやけに高いインクが」

 

 ピーターメールの社章は羽の蝋印が押された封筒。 

 普通の印と同じように朱肉に押し付けるが、親指で柄の背を押しながら紙面に貼り付ける一手間かかった仕様となっている。

 すると、蝋印の羽が煌めき特別感のある一目でこの書類は重要だとわかるものが出来上がる。


 カレンダーがいないので、代わりに僕が魔道具を起動するとピーターメールの社屋の重要書類が漏れなく消えた。

 仕舞われた書類の印の羽がこれで消えているはずだから、事が終わり次第また羽だけの印で修復しなければならない。

 それから次の隠し場所も考えなければならない。


「説明していただけるのですよね」

「キャシーに質問してください。不足は後で。キャシー、頼んだ」

「任せて!」

「これからここにいるメンバーをベッセルロットに送ります」

「ですがそれでは罰則が」

「とどのつまりが、罰則を食らうのはゲートを使った僕だけ。それともライヘンさんはここに残るか街の外に、後で迎えに行きます。ハイボール団各位、いざという時には避難する旨は伝えてあります」

「・・・わかりました。私も子供達と一緒に行きます」


 ルールには穴がある。

 街中に再び戻ってこられる条件を満たせば、一時的に姿を消しても、再び現れたときに証明する術が実はない。

 記録に残るのは一時的な魔力の消失だが、それだけを根拠に罪を問うことは果たしてできるだろうか。

 それでどう他領という遠い彼方に移動したことを証明するのか。

 検知器はステディエムとその近郊までしかサポートしていない。 

 検知器外の遠郊へ移動し、同じ手段で帰ってきてしまえばいい。


 僕は再び走る。

 今度はクロカとすれ違いになる可能性があるためだった。

 Bullet Brainを用いるとすべての事象情報の重なりが遅く、捻じ曲がって吸い取るように伝わる。


「いた・・・」

 

 噛み砕かれた情報が味は奥深く。


「クロカさん」

「リアム!?」


 クロカはエスナの台所にいた。


「・・・なにがあったんです」

「わたしがここに来たときにはもう。通りがかった人が近くの治療師を呼びに行ってくれているけど、どれほど時間が経ったのかっ」

「僕が診ます」

「お願い」


 広場で一悶着あったとのことだからそちらに駆り出されているか、自主的に粛しているか。


「リアム・・・」

「こんにちはセナさん。今日はいい天気ですね」

「みんなは?」

「傷は深くないですよ」

「そう。からだがだるくて」

「魔力に酔わされたのでしょう。徐々に回復していくはずです」


 クロカの膝を枕に寝かされていたセナは全身をズタズタに切り裂かれていた。 

 その隣には、朦朧としながらセナの手を握るエスナさんと、それを支えるナゴラスさんが座り込んでいて・・・どこにもキュリーの姿がない。


「わたし、戦ったの」

「ええ」

「彼は私に言った。私が逆らったのがいけなかったと言ったの。そう・・・とても痛かった」


 傷だらけのセナに対して、他に床に倒れていた人たちには膚に一筋の切り傷があるだけだった。 

 そしてセナもまた傷が達していたのは膚までだった。

 他に異常が見られないにも関わらず怠そうに目を瞑っていたので毒かと思ったがどうにもそうではない。

 セナの魔力の安定性に乱れが見える。肉を切られ骨を断たれても基本的に魔力を消耗することはないはずだが、傷口に重なるように魔力が滲み流出していた。 

 そのせいかセナは極端に魔力を消耗し、それは、他に襲われたエスナとナゴラスに宿の客たちも同様だった。


「セナさん。犯人は・・・」

「シド・クリミナル」


 しかし、シドが攫うところもまでは確認できなかったとも続いた。

 セナは顛末を見届ける事なく、気を失ってしまったらしい。


『イデア。キュリーとジョシュとチェルニーだ』

『はい』

 

 僕がセナの傷を診て、イデアに街を観させる。


『魔力が探知できません』

『手の内の一つを見せたから、当然、対策はしているだろう。更に言えば、街の外まで逃げられていたらお手上げ』


 非常に苛立つ。

 怒りが滾る。


『リアム・・・ダメです』


 この街を灰燼に変える力が手の内にありながら、目的を達するための手段が他に思い浮かばない。


『許可できません。聞いていますか?聴こえていますか!!?』


 ただひとつだ・・・ただ一つ。


『だ、だったら私に少し時間をください』

『なんのために』

『私から話しておきたいことがあります』


 アニーの二の舞にしてはならない。


『何か問題があるの?』

『まつわることでお話が。それに魔力の消耗も激しいですし、その後の戦闘を考えるとまずは街の騎士たちと連携を取ることが最善だと提言します』

『ジョシュとチェルニーだけなら、もしかしたらそうしたかもしれない。だけどキュリーは・・・キュリーは巻き込まれただけのとても可愛い盛りの無垢な子供だ』


 キュリーの心細さは、如何程のものだろう。


「リアム・・・キュリーを、おねがぃッ・・・!」


 僕まで歯を食いしばってしまっていては、力の入らない体でも唇を噛むほどに悔しい思いをしているセナに、一生癒えない傷を確実に深く残すだろう。


「クロカさん。前に渡した魔道具をセナさんに触れながら使ってもらいます」

「ピーターメールの人たちは?」

「カレンダーとジェームスさんと湊花さんがまだですが、他はすでに送りました。シドがこちらに出たとなっては悠長なことは言っていられない。エスナさん、ナゴラスさんはいかがします?今のお二人を運ぶくらいならクロカさんに渡した魔道具を補助してやるだけでできますよ。追加で必要な魔力も僅かです」

「私がここに残ろう。エスナ、セナについて看てやっていてほしい。お客への対応を済ませながら、私はキュリーの帰りを望み祈ろう」

「・・・わかった。キュリーをお願い。リアムさん、キュリーをどうか助けてください」

「力を尽くします」


 2人の話し合いは合理的で簡潔だった。

 消耗の激しいセナをここに置いておくのはよくないだろうし、キュリーが帰ってきた時に抱きしめてあげられる人も必要だろうし。


「待ってくださいリアム!私は許してませんよ!」


 ・・・イデアが衆人環視にて談判に躍り出た。


「僕たちより強い人がどれほどいる?」


 だけど、いちどの命はもうすでに。──口にはしないが伝わっているだろう。しかし僕はこんな訳のわからない言葉が浮かんできてしまうくらいに、澌尽灰滅と滅法ばかりに尽くしている。


「ち、ちがっ。わたしはただ・・・そんな寂しいことを言わないで。わたしは只々、あなたに」


 このままでは嫌われてしまうかもしれない。どこの記憶が呼び起こされるかわからない。この切羽にどう声にして伝えればいい・・・・・・誰か・・・教えて。


「なにをする気」

「心配ないですクロカさん。魔力をたくさん使うだけですから」

「あなたのたくさんって・・・それでそのあと戦えるの!?」

「それでも魔力は十分に残る」

「言いたいことはわかる、でもだったら私だって一緒に戦えるはずで!!!」

「クロカさん・・・ダンジョンではやり直しが効きましたし、だから手探りも許される。でもここでは様子見だとか言ってられない。ここで死んでしまえば、命は落ちるものだから・・・だから全身全霊を以って僕は戦います」


 死んでしまえば、次に活かせない。

 正論のように聴こえるが、切羽な論である。

 死んでしまわないことを否する言葉ではない。


「イッテ!!!今、この街で僕にとっていちばん大切なのはあなただから!!!」

「その言葉は私にしても同じ、あなたにとっての私が、わたしにとってのあなたなんだから!!!だから頼ってばかりなんて嫌だから!!!」


 僕は突き放すように怒鳴ったはずだった。

 そして、本音だった。


「今度はわたしに頼りなさい」

「・・・僕はもうクロカさんに頼らせてもらいました。でも、また、頼らせてもらってもいいですか」

「いつでも」


 クロカは離れるどころか、僕を抱きしめて涙を流して堪えてくれた。


「エスナさん、手を」

「はい」

「セナ、いくわよ」

「クロカさん、ありがとう」

「いいのよ。あなたは可愛い後輩みたいなものだから・・・それじゃあリアム、行くわ」

「はい。エスナさん、空いた手をこちらに。セナさん、左手失礼します。雨の宮についたらベルーガさんに事情を説明して助けを求めてください。雨の宮の紫陽花は綺麗ですが毒があるので絶対に触ってはいけません。エスナさんとセナさんは魔力の回復に務めて、それから、それからですね・・・」

「心配しすぎだって。パパとキュリーをお願い」

「・・・クロカさん、いいですよ」

「緊急離脱」


 そうして、クロカ、セナ、エスナは雨の宮へと避難していった。


「ナゴラスさん・・・」

「なにか手伝いがいるかな?」

「大変な時に、ひとり残していくことだけが気がかりで」

「そんなことはいい。私は我が家で待つ。君にしかできないことがあるのなら、どうか、頼む」


 貫徹が約束された決意は、もう誰だろうと砕くことはできない。


「ハイド!・・・ハイド!!──ハイド!!!」


 血溜まりの水槽の中で、煌めく白い髪を揺らしながらイデアは探しびとに呼びかける。


「いないのですかハイド!!!」

 

 声に出さなくても、ここに来れば目の前にいる。


「・・・どうして」


 そんなあのドラゴンが、呼んでも呼んでも応えない。


「アンバーァァァ!!!」


 こんなに叫んだことが、わたしの畢生にあったでしょうか。


──”ソーマァァァ!!!”


 ・・・・・・あった。



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