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アナザーワールド 〜My growth start beating again in the world of second life〜  作者: Blackliszt
第3部 〜ダンジョン ”テール” 攻略〜

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157 呼吸

「みんな!」


 テールのマザーポイント、リヴァイブの門・生還の間がある宮の前。


「ママ!パパ!」

「よかったエリシア。無事で」

「一先ず・・・か」


「おぉぉぉミリアぁぁ!」

「ママー!」

「ミリアも、無事でよかったわ」

「・・・・・・」


 既に建物から出てきてぼうっとつっ立っていた子供達が走る。


「母さん!?」

「あぁぁぁ! よかった無事でレイアぁぁぁあ!」

「父さん?」

「ウォルターラナも、無事だね?」

「おふくろにオヤジ・・・やっぱり帰ってきてたのか」


 そして──


「アルフレッドにフラジール。2人とも無事でよかったよ」

「パトリックさん」

「・・・」


 子供達の親、保護者たちもまた、無事であった大切な子供たちをそれぞれの形で迎える。


「ティナちゃん!」

「フグ・・・」

「無事だったかティナちゃん」

「おかあさん。おとうさん」


 しかし──


「ところでティナちゃん。リアムはどこだ・・・」

「り・・・」


 ほとんど全員が帰ってきた中で──


「なぁみんな! リアムはどこだ?」

「「・・・」」


──帰らぬ者が一人。


「クソッ!モグリ!」

「モグッ!」


 すると突然、ウィルは彼の契約精霊であるモグリを呼び出す。そして──


「ウィル?」

「アイナは先にコンテスト会場に戻っていてくれ。もしかすると映像が戻るかもしれねぇ」

「え、ええ」


 アイナには会場に戻っての待機を。


「おいジジイ!」

「なんだ?」

「悪いがジジイの私兵のうち2人ほどここで待機させておいてくれないか?」


 また、ブラームスには私兵の貸出とこの場での待機を願いでる。


「わかった・・・だがお前は」

「俺はダメ元だが、今からエリアCのセーフポイントまで行ってくる」


 そして彼は手短に、自分のこれからの行動を伝えると──


「ふぅ・・・」


 深く、息を吐いて一呼吸する。


「はぁ・・・」


 同時に、ウィルの中に存在する魔力が急激に膨れ上がる。


「す、すごい・・・」


 この場にいる子供、彼を知らぬ誰もが全力のリアムほどではないものの、それでも尋常じゃない魔力の膨れ上がりに驚愕する。そして──


「・・・消えた」


 気が付いた時にはもう、彼は消えていた。


「剣狼の2つ名は健在か」


 残像すら残さなかった。


「チッたり前だ!」


 唯一、この中で彼の動きを目で追えていたカミラが、ブラームスの吐露に舌打ちする。


「あいつはここにいる誰よりも、強いんだからな」


 彼女の視線は既に街の先、街道の更に先へと向けられていた。

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