血ぃすーたろかー29回目
地下への入り口で待っていたラーキン達と合流し、議会へ。因みに、オオムカデとサソリはヘルシングに毒の事を話したら興味を持ったのでそのまま連れて行く事にした。ラーキンが仕切りに噛まないよな?とか大丈夫だよな?とか言って来たので、大丈夫だと言っておいた。知らんけど。
ただ、滅茶苦茶デカイ。街を歩くには唯でさえデカイ多脚装甲車で行くのに、其処に更にサソリだのムカデが歩くととんでもない事に成るとか。しょうが無いので、毒だけを抜いて後は殺すしか無い。
死んだ魔物の遺体は貧乏っぽそうだった少女の家にやった。何か、すげー金になるそうだが、金とか要らんし。困ったらナノマシンを大量に含むナイフを売れば良い。1本数百円でうれるし。
あと、地下に潜る際に大量にゲットしたスラミネーターもラーキンにあげた。正直、要らない。
道中、ノンナから事情を詳し聞き、議会へ到着。
「おぉ、デカイな。国会議事堂みたいなもんか」
「みたいですわね。
貴方、確りと服を整えなさいな。汚れているとみっともないですわよ」
ヘルシングが俺の襟を直し、帽子の埃を落とした。
「おう、済まん。
ノンナも、カプセルに入れ。汚ぇから」
「わかったわ!」
ノンナはカプセルに入り、ストーカーにノンナの準備ができたら連れて来いと告げる。ヘルシングと共に議会に入る。
ラーキンがこっちだと先導し、続いて議場へ出る。議場は扇型であり、俺達はその要の部分に行く。要の部分に置かれている椅子は豪華な作りだ。議長席って奴だな。議場には既に貴族達は集まって座っている。俺もその議長席に腰掛けてから向こうを睥睨する。
貴族側がざわついているが無視をする。ヘルシングをチラッと見るとフォローは任せてくださいましと俺に告げ、目の前にはヘルシングからのメッセージが表示された。
これを読み上げろと言うのだろう。
「さて、貴様等はこの私がこの国に仇なす朝敵だと考えているようだな」
声はゆっくり静かに告げろと注訳がしてあったので俺はその通りに。背凭れに体を預け、手を組んで睥睨しろと。
「事実関係を見直せば、ノンナが地下に潜り、ノンナから逃げるために魔物が地上に溢れでた。
そもそも何故、ノンナが地下に、それも最下層に向かったのか?貴様等に説明しなければいけないだろうな」
俺は脇にいるラーキンを見る。ラーキンは俺の元にやって来た。
「な、何だ?」
「飲み物を出せ」
「わ、分かった」
ラーキンは衛兵の一人に飲み物をと告げる。
「ノンナは昨日の午後、家に帰ろうとしたそうだ。
すると、ダンジョンの入口で肺結核を患う母親を持った少女が必死に周りの冒険者に生命の泉だったか?其処まで一緒に行って欲しいと懇願していたそうだ」
うん、さっき聞いたとおりだ。
「ノンナは阿呆であるが馬鹿ではない。義理に熱い。ノンナはそんな必死な少女を見て自分が連れて行ってやろうと思ったそうだ。
肺結核は一度流行ると大変ぞ?公衆衛生はどうなっている?治療方法の研究はしているのか?防疫と医療機関はどうなっている?」
ラーキンを見るとラーキンはそれは……と言葉を詰まらせて宰相を見る。宰相、つまりラーキンの弟は別の貴族を見る。名前は何だったかな?ジョーキンだかショーキンだかって名前だったな。
貴族を見ると貴族は冷や汗を掻きながら聞いたことのない病気ですと告げる。
「血を吐いて死ぬ病気だ。
他の物にも罹る伝染病の一種だな。他にインフルエンザ、天然痘、数を上げれば非常に多い。国の発展するには医学も発展させねばな」
へーまぁ、医学の発展と科学の発展は近代国家の通る道だよな。
「その一家については私の技術を見るために治療させたが、国をあげて研究せねばどうにも成らんぞ」
「あ、ああ。その事なら問題無いぞ。
我が国も病については研究を推奨している」
な?とラーキンが振り返って宰相を見る。宰相もエエと頷き貴族も頷いていた。
「研究を推奨しているだけで、進捗はどうなっているのか?
研究したって成果が上がっていなければ意味が無い。成果はどうなのだ?」
俺の質問にラーキンは宰相を見て、宰相は貴族を見る。貴族は青い顔をして冷や汗を拭き拭き。
「フン、どうやら上がっていないようだな。
推奨ではなく命令にしておけ。伝染病は国民を死滅させるぞ。早急に対策を立てた方が良いだろう」
「な、成る程。では国の急務として成果を上げた者には褒賞を与えるとする!」
「いや、それよりも国中のあらゆる者に対して結核を含めたあらゆる難病とされている病気の治療法を見つけたものに爵位を授けるというので良いだろう」
領地は与えずに研究資金と成る金をあげる形での貴族への任用。んで病理院みたいな組織を作ってそこでそういう貴族を統括するみたいな提案をヘルシングが俺に送ってくるので俺はそれを読み上げていく。ヘルシング、凄まじい速度でタイプしてますわ。もう、カチャカチャターンッ!ってレベルっすわ。
実際、あんな事しないけどね。
嘘です、時々やってました。カチャカチャターンッ!っての。
で、俺の意見を書記係は凄まじい速度で書き記していき、ラーキンや上級貴族っぽい連中が興味深そうに言っている。
「それと、貴族の子弟は金で学校に入っているようだな。
あれ、止めにした方が良いぞ。阿呆共が寝ている」
で、此処で終われと言うメッセージが届いたが敢えて俺は意見を出す。
「名前は知らんが、猫の下等人種やその他貴族や商人出のバカ共は授業中大鼾を掻いて寝ていた。
農民たちの子供は羽ペンとインクで手を汚しているのに、貴様等貴族の子弟はヨダレで顔を汚しているだけだ。名前は知らんがインクがいらんペンを使わずに居る。
ラーキン、あの学校は国の為に有るのだろう?農民の子は必死に羽ペンとインクで紙と手を汚して書いており、貴族の子弟はヨダレで紙と頬を汚している。
どっちが国の為に成るかよく考えることだな」
チラッとヘルシングを見るとヘルシングが滅茶苦茶こっちを睨んでいた。めっちゃ怖い。
余分なこと言ってんじゃねーぞカス!って感じの目だ。
「何と!」
「それに、要らん貴族は容赦なく切り捨てよ。
例えば後ろの方で居眠りをしている馬鹿や隣の輩と話に夢中に成っている前列の阿呆みたいな連中はな」
俺の言葉にラーキンがキッとそちらを睨み付け、お喋り連中は大慌てで前を向いて体を小さくするし、寝ている者は隣の席の者に揺さぶられていた。
話は以上と告げて立ち上がったところで扉がバーン!と凄まじい音を立てて開き、ノンナが入ってくる。少し遅れてノンナちゃん!と叫びながらストーカーも登場。ノンナはそのまま俺の所まで来るとクルッと向きを変えた。
「迷惑かけたわね!
ごめん!」
取り敢えず、後頭部をスパーンとやっておいた。ごめん!じゃねーよ。あやまれつったっけどもうちょっと登場の仕方とか有るだろうが。裁判に遅れて入って来た主人公弁護士が「裁判長!新しい証拠を提出します!」ってレベルで何言ってんだこいつ状態だよ。
「騒がしいぞノンナ。
入るなら静かに入れ」
「む……」
ラーキンにノンナもこう謝っているから許せと告げると勿論ですと返答が返って来た。一件落着?
「では帰るぞ」
「ま、待て!まだ話すことがあるのだ」
立ち上がって帰ろうとしたところでラーキンが慌てて止める。まだ何かあるん?ヘルシングがまだ何かあるのか?と不機嫌丸出しで尋ねた。
多分、これでもう帰れるから実験の続きしよう!とか思っていたのだろう。
「あ、ああ。
エッゾへの調査団に関してツェペシュ殿達も交えて話をしたいのだ」
「話?
まだ貴様等は誰が行くのか決まっていないのか?」
「い、いや、そうじゃない。
行く者達は決まっているが、その行く為の日程や行程等がまだ全然決まっていない」
そっか~俺、そういう事全然考えてなかった。
「どう言う経路で行くとかも決まっていないだろう?」
「いや、此処から横須賀までは多脚装甲車で向かう。
横須賀の旧海軍造船所の乾ドックに船が有ればそれを使う。希望で言えば水上艦だが、無ければ潜水艦だ」
「せ、せんすいかん?それは一体どんな船なのだ?」
水中に潜って進める船であると説明した。因みに、日本も原子力潜水艦を保有するように成ったそうで、原潜なら確実に1隻はドックに入ってるはずだとか。空母は無いのか?と尋ねると、開発中だったはずだと言われた。
原子力空母の名前は信濃だってさ。沈んだじゃねーか!知ってるんだぞ!
「まぁ、兎に角其処に行き船を手に入れて北海道へ向かう。船が手に入らなければ一端此処に戻って貴様に船の手配を頼むつもりだ」
そのつもりで居ろと告げて、周囲を見る。全員が潜水艦や横須賀に付いて何やら話をしていた。何やら質問もあるっぽいな。
ヘルシングをチラリと見ると完全に勝手にしろと言う顔で居た。
「質問は以上か?
以上ならば我々は帰るぞ」
すると貴族の男人かが手を挙げる。
「言ってみろ」
「は、はい」
自己紹介を始めようとしたのでそんな物は要らんからとっとと用件を言えと告げる。質問内容は簡単。横須賀の何処にそのような施設があるのか?と言う質問だ。
なので、俺は立ち入り禁止区域と言うか警備ロボットに追い返されまくっていた地域が造船区画であり、其処には船が最高で6隻入れる乾ドックがあるのだと説明した。ノンナにそうだな?と確認を取るとノンナはそうよ!と頷いたのでほぼ確実だろ。
「次」
次は、その潜水艦とか空母とか駆逐艦は何人ぐらい人が乗れるのか?と言うのと操縦だった。
「潜水艦なら80人ぐらいよ!
武装を抜いたりして無理矢理広げれば潜水艦でも100人ぐらい乗れるわね!空母なら航空機抜けば数千人近くは乗れるわ!まぁ、そのうち半分は甲板で寝泊まりするハメになるでしょうけど!」
つーか、操縦はどーすんだよ。
「操縦ならまぁ、操舵方法なり何なりのマニュアルが有るでしょうからそれをデータ化してスラミネーターにインストールさせればよいですわ。ルーチンワークになりますが、航行する程度なら問題ないはずですわ」
だから我々はもう帰りますわとヘルシングが宣言して行きましょうと俺に告げた。俺はウムと頷き、疑問があれば私に聞きに来いと告げて颯爽と議会から去って行くことにした。これ以上ヘルシングを激おこプンプン丸させているとムカ着火ファイヤーになる。
リスクマネジメントは大切。
俺達は学校に帰り、ヘルシングは直ぐに実験棟に消えていき、ノンナはストーカーに何やら潜水艦だの空母だのと言う話をしていた。
俺は校内をブラつく旅に出た。




