第一章 辺境都市カルケル 第四話
今回は回想三回目です。
次回で回想をおわらしたいですね。
前回のあとがきにアーシュテルの人種の平均ステータスを公開しました。
評価、ブックマーク等よろしくお願いします!
私はグレートハンターウルフを追い、最初の一匹に近づきました。相手が攻撃する前に後ろへ回り込み発技を発動し、倒します。
「はぁっー! 『ペネトレイト』ッ!」
今私が放った発技は細剣術Lv2で覚えれるもので、レイピアによる高速の突きを繰り出し敵の急所を貫く。という発技です。
たとえ相手が素早くとも、死角からいきなりこれを放たれたら避ける事は出来ないでしょう。
ですが、相手は魔獣種の魔物。しかもハンターウルフの亜種であるグレートハンターウルフ。
私の甘い予想は容易く裏切られました。
「グガァアァァァッ!」
「えっ、避けた!?」
私の放った『ペネトレイト』をグレートハンターウルフは軽々と避け、反撃を繰り出して来ました。
「くっ!」
隙だらけの身体を如何にか翻し、グレートハンターウルフが放った爪の斬撃を避け距離をとりました。
「はぁはぁ、何故避けられたんですか!?」
「グルルル、グガゴォッ!」
「くっ、魔物にそんなこと聞いても答えてくれる訳がないですよね……いきます!」
私は目の前で唸り吠えているグレートハンターウルフに攻撃を仕掛けました。
「物理耐性も有る毛皮に包まれたグレートハンターウルフでも、何処かに弱点が有る筈です。騎士学校でもそう学びましたっ!」
私は死角に回り込み、レイピアで柔らかそうな所を刺そうとするとグレートハンターウルフが振り返り吠えると爪が赤く成り、その爪を私に向けて振るってきました。
「グガァアァァァッ!!」
「なっ!? それは危なそうですね!」
私のレイピアでは、グレートハンターウルフの爪斬撃を受け止める事は出来ません。なので、後ろに引きます。
グレートハンターウルフの爪斬撃が私がいた場所に当たります。
すると、なんとそこがガッポリと抉れてしまいました!
「……当たんなくてよかったです! 今の抉れ方、赤く光る爪。スキルで強化されているのですか!?」
グレートハンターウルフは私を仕留め損なった事に機嫌を悪くしたのかさっきよりも唸り声が大きくなっています。
正直なところ、勝てる気がしないです……
「ガアアアアアアルルルアアアアァ!」
「ひっ!」
そんな事を考えている暇は無いようで、グレートハンターウルフが走り近づいて来ました!
「『炎の壁よ我を守れ。ファイアーウォール』!」
とっさに火属性の防御魔法を使い、念の為後ろに下がります。
「グルアアアアアァァアァ!!!」
猛スピードで走ってきたグレートハンターウルフは止まることができず突如現れた炎の壁に正面から突っ込んでしまいました。
幾ら魔法耐性が有る毛皮でも自分から火の壁に入ったら相当なダメージになるでしょう!
グレートハンターウルフは魔法の火炎に巻かれ絶叫を上げています。
「良しっ! この隙にグレートハンターウルフに止めを刺しましょう! 念には念をです。『ペネトレイト』」
「グガァアァ! ガァ、アアァ……ァ」
私の放った『ペネトレイト』が弱ったグレートハンターウルフの頭を完全に捉え破壊し、グレートハンターウルフは絶命しました。
「や、やった! やりました! 私、一人で……」
「おい! 小娘、一人で先走るな! 死ぬぞ!?」
「メテア! お前ふざけるなよ。死にたいのか!」
私がグレートハンターウルフに勝った嬉しさに舞い上がっていると血まみれた長槍使いと長剣使いの方が怒りながら追いついてきました。
「ひっ!? ご、ごめんなさい!」
「謝る事は簡単な……」
二人が私に近寄ると私の後ろにグレートハンターウルフが倒れているのを見つけたようです。
「……メテア。良くやった。だが、今度からは気をつけろよ」
「はい。了解しました!」
よかったです。怒られずに済みました。
しかし、他のグレートハンターウルフはどうなったのでしょうか?
「あの、他のグレートハンターウルフはどうされたのですか?」
「あ? あぁ、お前を追っている時に一匹倒した。残りの一匹は隊長が倒してくると思うぜ? ……ほらな」
隊長が笑顔を浮かべながらグレートハンターウルフの死骸を引き摺ってきます。その後ろを馬車が続いています。……子供が見たら泣きさけびそうな程恐ろしく見えました。
「た、隊長? なんで死骸を引き摺ってくるのですか」
「……素材を取りたいが、持っていく余裕が無いしな。つまりだな、引き摺ってきた事に、特に意味は無い。」
「……そうですか」
特に意味は無いらしいです。
ですが、グレートハンターウルフ撃退に成功しました。これで、カルケルへと向かうことができます。
「隊長。カルケルへ急ぎましょう」
「あぁ、急ごう。一刻でも早く気を抜きたい」
私達は馬に乗り、カルケルへ向かって走り始めました。しかし、突如空に二回火炎石の爆発音が響きました。
ほぼ同時に二つの火炎石を起爆させるのは部隊の壊滅を意味します。
「……」
今回はボクっ娘悪魔ベルゼブブちゃんのステータスを公開します。
名前:ベルゼブブ
種族:悪魔
Lv:1(経験値が消失した)
職業:大罪の悪魔
状態:従魔
加護:七大罪の祝福
七天使・ラジエルの封印
暴食の加護
称号:七大罪の悪魔
暴食の化身
神食い
つるぺた魔王
封印されし者
体力:2509
魔力:5600
知力:4012
筋力:1842
敏捷:2580
幸運:120
特殊スキル
暴食Lv--
真理眼Lv--
ストレージ共有Lv--
神蝕Lv--
身体能力吸収保存Lv--
魔力吸収保存Lv--
アクティブスキル
悪食Lv10
魔法破壊Lv10
魔力反射Lv10
魔法スキル
#治療魔法Lv--
#破壊魔法Lv--
#封印魔法Lv--
パッシブスキル
身体強化Lv10
魔法効率強化Lv10
魔法耐性Lv10
物理耐性Lv10
保管魔力 985
ステータスストレージ
体力 857
知力 654
筋力 635
俊敏 365