表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴食の王〜喰らう力で異世界攻略〜  作者: ベニ・ドラ
第一章 辺境都市カルケル
6/30

第一章 辺境都市カルケル 第一話

今回から、第一章始まります。

何回か視点が変わります。

初戦闘があります。

今回は結構長めです。

ーーーーーーーーー

大草原・南部 レン視点


 眼が覚めると、俺は草原に倒れていた。

青く茂る草の匂いが鼻をくすぐる。

見たことの無い草花が辺りを色とりどりに飾っている。

間違いなく地球とは異なる世界、異世界に来れたようだ。


「……あぁ、転生が出来たのか」


 無事転生できたことを実感していたら、突然隣からベルゼブブの声が響いた。


「やぁレン君」

「うわぁ!? び、びっくりした。なんだよベルゼブブか。驚かせるなよ 」

「あはは、ごめんね」

「ったく。で、なんか用か?」

「理由がないと……ダメなの?」


 急に艶っぽくそう言って俺を押し倒した。

おかしい! なんで俺は異世界に転生した次の瞬間から、ベルゼブブに押し倒されてるんだ?

それに、いくら中学生位の体つきだと言っても、ほぼ、半裸の美少女に押し倒され艶っぽくそんなことを言われたら、体が反応してしてしまうのも仕方ないことだろう。

俺は自分の理性が保つうちに行動した。


「な、何をするんだよ!?」


 俺はベルゼブブを押し退け、そう彼女に言った。

すると彼女は何故か残念そうに俺を見た。


「押し退けるなんてひどいじゃないか、本当は嬉しいくせにさ。……まぁいいよ。僕は、これからレン君がどう行動すればいいか教える為にきたんだよ」


 ベルゼブブは、拗ねた感じで話し出した。


「僕のスキル『真理眼』で調べたら、今の君に丁度いい相手を見つけたんだ。

ここからとりあえず北に進もう! そうすると魔物と遭遇する。で、その魔物からステータスを奪うんだ」

「魔物か……あまり殺したくないけど……」


 たとえ、魔物であったとしても、日本人の俺からしては生き物を殺すことに抵抗がある。できれば殺したくはない。


 するとベルゼブブが真剣な表情をして話し出した。


「うーん……レン君は何か勘違いをしているね。いいかい? 魔物は魔物なんだよ。まぁ、中には意思疎通ができる友好的な奴や、人と共存できる奴もいるけど。基本的に奴らは人を襲う。だからこの世界の人は魔物を狩るんだ。それに、レン君が魔物を倒せば、それだけ人を助けることになるし、何よりレン君の力になる。この世界で最強になりたいんでしょ?」


 あぁ、そうだ俺は最強になりたい。俺は頷いた。

俺は……この世界に転生するとき世界最強に成るって決めたんだ。

すると、ベルゼブブは微笑んだ。


「なら、やるしかないんだよ。君の為にも他の人の為にも」


 俺が魔物を殺すことによって誰かが救われる……か。

世界最強にもなれる。……いいだろう。

やってやろうじゃないか。


 俺は覚悟を決め、ストレージからミーリア神に貰った剣をストレージから出した。


「……これで良し、出発するか。

ベルゼブブ、ガイドとか出来るのか?」

「もちろん。出来るに決まっているじゃないか。じゃ行こう!」


 俺とベルゼブブは青い草原を踏みしめ歩き出した。


ーーーーーー


エルランデ王国北部 大草原


 一台の豪華な馬車と四騎の騎兵が猛スピードで走っている。

その後ろを黒毛に赤の筋が入ったでかい狼、

二十数匹ものグレートハンターウルフの群れが追っていた。


 四人の騎士達は全員、鎧に返り血がべっとりとくっついており、騎馬達の息は絶え絶えだ。

 彼らはカルケル騎士団・衛兵隊所属の騎士達で、四人の内の一人は、女騎士だ。

その女騎士、メテアは新兵だった。

初任務で、カルケス辺境伯家長女サリア=カルケスの護衛をすることになったのだが、帰りの道中にグレートハンターウルフの群れに襲われ部隊は壊滅。辺境都市カルケルに撤退しているところだった。


「グルルァアアアァア」


 グレートハンターウルフの咆哮が聞こえる。


「クソが! メテアお前は、サリア様と一緒に逃げろ。俺たち三人は、此処で足止めをする!

なんとしても、お嬢様に傷一つでもつけるなよ!」

「隊長! そんなの嫌です……

みなさんが戦うのなら私も戦います!」

「黙れ! メテア、お前はまだ若いんだ。俺たち老ぼれのことは気するな。いいか、俺の最後の命令は、未来があるお前にしか頼むことが出来ないこと何だぜ?

……サリア様を頼むぞ。お前ら、構えろ!」

「隊長、みなさん! ダメです、それなら一緒に戦いながら街へ行きましょう!」


 彼女は、必死に隊長達を呼び止めるが、彼らは後ろから迫り来る怪物と戦闘する為それぞれ自分たちの得物を手にする。


「残念だが、それは無理だ。俺達のステータスじゃな……それに、もう奴らが迫っている。お前はサリア様と自分の安全だけ考えろ」


 白髪の長剣使いが力強く言った。


「そうだぞ、メテア……無事に生きて帰ってくれよ?」


 まるで自分達は死ぬと言っている隊長達にメテアは怒った。


「皆さん、それじゃまるで遺言じゃないですか!

私は生きて、皆さんと私達のカルケルのために戦いたいんです!」

「ふん! 何偉そうなこと言ってんだ。俺らがあの程度の魔物にやられて死ぬ訳ないだろうが。まぁ小娘、……そうだな。これを受け取れ。」


 長槍を得物とする大柄な老兵が、鎧の間から淡い水色の石が柄に嵌った装飾の豪華なナイフを取り出し、メテアに手渡した。


「……これは?」


 大柄な老兵は、伸ばした髭を豪快に撫でながら言った。


「それはな、精霊の瞳という魔法鉱石を嵌めた魔銀製のナイフだ。絶体絶命のとき、一度だけ自分の身代わりになってくれる。

俺が若い頃付き合っていた女からもらったものだ。彼奴は冒険者でな、なかなか強かったのだが飛竜との戦いで戦死した。」

「えっ……あのっ、なんというか。そのっ、ごめんなさい。」

「なんで小娘が謝るんだ? 気にするな。十年以上昔のことだしな。

しかし、これで一旦お別れだ、そのナイフに守ってもらえ。サリア嬢ちゃんを頼んだぞ」

「うぅ……了解です。ですが、絶対生きてカルケルへ帰ってきてくださいね。約束ですよ!」

「わかっとる。距離稼げよ」


 それだけ言うと、隊長達は闘志に満ちた顔になり、それぞれの得物を構え勢いよく掲げた。

そして、大声でアーシュテルの戦の神バンデルに祈りを捧げる。

何故ならその祈りがこれから戦いによって散っていく魂を浄化する方法だからだ。


「「「戦神バンデルよ、我らの死が、祖国の礎となるように。我らの魂を導き、不浄の存在とならぬよう浄化したまえ!」」」


 この祈りを捧げることにより、もし自分が戦死してもアンデットとして蘇らないようにすることができる。

騎士達にとって、戦死してアンデットになることは禁忌であり、とても不名誉なことなのだ。


 祈りを捧げ終わると三人の騎士は、グレートハンターウルフ目掛けて突撃していった。


「うう、サリアお嬢様は私が守らなきゃ!

行きましょう!」

「わかりました。はっ!」


 彼女は、戦っている隊長達に自分の無力さを呪いながら敬礼をし、サリアを無事に返す為騎馬に乗り、サリアが乗っている馬車の御者に合図をして走り出した。


 その後ろでは、隊長達が奮闘する。


「ふんッ! 死ね!」


 白髪の長剣使いが、グレートハンターウルフの攻撃を掻い潜り、噛み付く為に口を開けた奴に得物を差し込む。


「グ、グァアアアァルルアァな!」


 血飛沫が舞う。

しかし、続いて長剣使いの絶命の声が響く。


「ぐはあぁぁっ!」


 白髪の長剣使いの喉笛を得物を差し込んだグレートハンターウルフが噛みちぎったのだ。

喉笛を噛みちぎられながらも、一匹を確実に殺し、名誉の戦死となった。


「野郎! よくもやりやがったなぁ……死ねぇぇぇ!」


 大柄な長槍使いの老騎士が、長槍を巧みに扱いグレートハンターウルフを貫いていく。


「おい! 無理するなよその長槍安物だろっ、折れたりでもしたらすぐに殺られるぞ!」


 辺境都市の兵士や下級騎士達が使っている得物は、基本的に鋳物で作られた安物だ。

騎士団の幹部などは、魔剣やら、オーダーメイドやらを使っているが、老騎士達は衛兵隊の所属の為、高い得物を使うことはほぼ無い。

代わりに、都市の方から鋳物の得物を支給される。

ちょうど老騎士達が使っているものは鋳物の為、耐久性に心配がある。

どんなに経験豊富な老騎士達でも、品質が悪い物を使っていたら、勝てる戦いも勝てなくなってしまう。


「なぁに、まだ大丈夫だ。いくら鋳物でもそんなに弱くわ無い!」


 大柄な長槍使いは何の根拠も無く強気にそう言い、飛びついてきたグレートハンターウルフを長槍で叩きつけた。


「油断するなよ」

「わかっとる! ちっ、こいつらさっきより早くなってないか?」


 グレートハンターウルフ達の動きがだんだんと良くなっている。

これは、ハンターウルフの習性で獲物を狩るときに、最初は手を抜き獲物を油断させて、一気に狩るという物だ。


「まずいぞ、動きがトリッキーになってきてやがる。気をつけろ、死角を作るなよ!」


 隊長は、剣を振るいながら、長槍使いに怒鳴った。


「わ、分かっとるわ! うらぁっ!」


 投げ飛ばし、斬り伏せ、貫く。長槍使いの猛攻により怯むグレートハンターウルフ達。

しかし、そんな長槍使いをグレートハンターウルフ達は一気に畳み掛けた。


「ぬぅうんッ! まずい、避けられん!」


 長槍使い目掛けて三匹のグレートハンターウルフが飛びついてきたのだ。

長槍使いはなんとか避けようとするが、若かりし頃ならば避けれたが、体が老いている為避けきれず押し倒されグレートハンターウルフに腕を噛みちぎられる。


「ぐぁあああぁあああぁっ!」


 グレートハンターウルフ達は腹を噛みちぎり、長槍使いが生きたまま内臓をを咀嚼する。


「やめろっ! この離せッ、うがぁあああッ!」


 長槍使いは、余りの痛みにショック死した。

槍を持つ指がピクピクと動いている。


「ちッ! だから油断するなと言っただろうが!」


 そういう隊長も、片腕を噛まれ負傷していた。

その傷からだんだんと少しずつ血が出て行っている。

その為、隊長の動きがだんだんと遅くなっている。


「くそッ! まだだ、まだ、お前等に食われるわけにはいかない! サリア様とメテアをもっと遠くへ行かせなければ……」


 しかし、グレートハンターウルフ達は無慈悲に攻撃の勢いを上げていく。

上や下、後ろや横の死角からトリッキーに攻撃をしてくる。

隊長が与える傷より、受ける傷がどんどん増えていく。


「はっ、このっ、ぐっ⁉︎」


 一匹のグレートハンターウルフが、咆哮を上げた。

この咆哮は、グレートハンターウルフのスキル『咆哮』である。これによって、ステータスが一時的に強化され、興奮状態となり痛みを感じにくくなる。

鑑定スキルを老騎士達が所持していたら、対応が変わっていたかもしれないが、残念なことに鑑定スキルはとても貴重で老騎士達が持っている筈がなかった。


 『咆哮』によって一時的にステータスが上がったグレートハンターウルフは、隊長の脇腹に噛み付いた。


「ガァッ!、いてぇ! 糞がーー!」


 隊長は苦悶の表情を浮かべながらも、勢いよく剣を振り脇腹に噛み付いているグレートハンターウルフを刺し殺し、腰のポシェットの中からポーションを取り出した。


 ポーションとは、様々な素材で作られる魔法薬のことである。

味は、物凄くまずい。

基本的に、ポーションは値段が高い。しかし、水で薄められたポーションは、効果に心配があるが大量生産できる。

隊長が取り出した物は、その薄められたポーションである。


 隊長はポーションを見て嫌そうにしながらも、胃に流し込んだ。

すると、途端に痛みが引き脇腹や他の傷が少し治った。


「よしっ。これでいい。さぁ、掛かって来い犬っころども! 全部切り刻んでやる」


 啖呵を切り、突っ込んでいった。

毛皮を切り裂き、肉を断って行く。


「『ペインスラッシュ』! どうだ?」


 隊長が放ったのは発技といい、それぞれのスキルにより習得できる技だ。

その中で、剣術スキルの発技である『ペインスラッシュ』は、切った相手の痛みを増加させる発技だ。

これにより、グレートハンターウルフの隙を突こうと考えた隊長だったが、『咆哮』により、痛みを感じにくくなっているグレートハンターウルフ達には効果が無く、油断した隊長は剣を破壊されてしまうのだった。


「なっ! クソったれが……だから、安物は嫌なんだよ。もっといいの寄越せっての」


 グルルルと唸り声を出しながら少しずつ近寄って来るグレートハンターウルフ達と壊れた剣を見て、隊長は諦めた。


「はぁはぁ、もう駄目か。メテアとの約束は残念だが」


 隊長は、安物の武器を支給する実戦を知らない上層部の奴らを恨んだ。


(そうだ、もういい。俺は十分頑張ったんだ。)


 抵抗をしないで自決しようと折れた剣を自分の首へ向けた時、一瞬自分達を止めようとしたメテアの顔が脳裏を過ぎった。


(メテア……くそ!)


 諦めかけていた自分を奮い立たせ、割れた剣先をグレートハンターウルフに向け、発技の名を叫んだ。


「『ヴォーパルストラぃぐぁあァ……」


 しかし、グレートハンターウルフが後ろから首を噛んできたのだ。隊長は最後まで発技の名を口にすることが出来なかった。


 首の鋭い痛みの中、だんだんと目の前が真っ暗になっていき、完全に体力がゼロになり生命活動を停止する。


 グレートハンターウルフ達は、そんな隊長に近寄り肉を咀嚼した。


 こうして、大草原にて老騎士達はメテアたちを少しでも遠くへ逃がすためにグレートハンターウルフの犠牲となった。


ーーーーー

大草原・カルケル付近 メテア視点


 老騎士達が稼いだ時間によって、メテア達は距離を取ることができたのだが、グレートハンターウルフ達は老騎士達の肉が不味かったらしく、猛スピードでメテア達の匂いを辿り走っていた。


「だいぶ、離れたと思いますが……」


 私達はずっとトップスピードで走ってきた為、馬がばててしまいました。


「はっ、はぁっ! ……馬がもうだめです!」


 御者が馬車がもう走れそうにないことを報告してきました。


「馬が、潰れてしまいましたか……

仕方が有りません。危険ですけど、ここで止まっていたらすぐに奴らが襲ってきてしまいます、カルケルまで後少しです。ここから徒歩で行きましょう」


 御者が、サリアお嬢様を馬車から降ろす作業をしている間、私は周囲の警戒をしていた。


 私は今、せめてサリアお嬢様だけでも、先輩方の為にも必ず生きて返さなければ、という使命感と自分にできるのかという不安で心が押し潰されそうになっていました。


「メテア、大丈夫? 怖い顔になっているわよ」


 そんな私に馬車から降りたサリアお嬢様が心配し、声をかけてくれたのです。

優しく微笑んでいるサリアお嬢様を見ると、私はサリアお嬢様の前で情けなく不安を吐き出してしまいました。


「サリアお嬢様、私はとても不安です。

あの魔物どもに私が殺されて部隊のみんなように食べられるのが怖いんです。隊長達からの期待に応えれず、サリアお嬢様に怪我を負わしたりするのも怖い。怪我ならまだいいです。もし、サリアお嬢様が私の眼の前で奴等に食べられたら……」


『グルルルァァアアアアッ!』


 グレートハンターウルフ! もう来たんですか⁉︎

という事は、隊長達は……。

はっ! 悲しんでいる場合じゃない。サリアお嬢様を逃さないと!


「サリアお嬢様……私は、ここで奴らの足止めを致します。その内に、出来るだけ遠くに馬車で、行ってください!」

「いや! もう、みんなを失いたく無い!それに……」


 グレートハンターウルフがサリアお嬢様目掛けて飛び付いてきました!


「サリアお嬢様……危ない!」

「きゃっ!」


 私は、咄嗟にサリアお嬢様を庇い私は背中を鋭い爪で斬られ瀕死の状態になってしまう……はずが代わりに長槍使いの老騎士から託され、鎧に装着したポシェットの中にしまっていたナイフが砕け散りました。


「あれっ?」

「メテア!」


 私は折角ナイフに助けられたのに、気が抜けてしまって迫っているグレートハンターウルフに気付くのに一瞬遅れ、足を噛まれてしまいました。


「あああっぁぁ!」


 痛い、痛い痛い!

肉を通り越して筋を切られちゃった!

これじゃ、動けないじゃないですか。このままだと私は確実に食べられてしまいます。

でも、それより先にサリアお嬢様だけでも、逃さないと!


「メテアっ! 魔法を使うわ!」

「だ、ダメです! 奴等にはあの毛皮で魔法はほぼ効きません、サリアお嬢様っ。に、逃げて下さい!」

「嫌……い、嫌ぁぁあ! メテアまで死ぬなんて嫌よ!」


 嫌だと言って逃げないサリアお嬢様に私はつい、強く言ってしまいました。


「逃げてください! ……なんで逃げないんですか……いいから逃げてよっ! 貴方は此処で死んでは行けないんです!」

「うっ、うぅ……うわぁあああぁ!」

「サリアお嬢様行きますよ! サリアお嬢様の為にメテア殿は犠牲になるのです。無駄にしてはいけません!」


 サリアお嬢様は、泣きながら御者とともにカルケルへ走り出した。グレートハンターウルフ達がこのまま手負いの私を食べれば、サリアお嬢様や御者を追うことは無いでしょう。いや、そうだと思いたいですね……。


「……そうです。そのまま振り返らずに走り続けてください……だけど。喧嘩別れみたいでなにか、悲しいですね」


 私は、逃げるサリアお嬢様の背中を見つめ自分の使命を果たしたと安堵しました。


 ですが、動けない私にグレートハンターウルフ達が近づいて来て、私の命を刈り取るため、大きな口を開けました。隊長たちの物だと思われる血がグレートハンターウルフの口と牙に付着しています。

死が、近寄ってくる感覚。


 安堵が急に恐怖に変わってしまいました。

私が生きたまま、無残に食い散らかされる姿を想像してしまいました。

怖い、怖い。死ぬのが怖い。


「ーーい、いやですッ。こんな……狼に、魔物に食べられて死ぬなんて、いやですッ!

だ、誰か、た、たすけ、ておねがいです……」

「グルルルアアル、グアアァッ!」

「ひ、ひいっ!」


ジョオ、オオジョロロロ。


 余りの恐怖に私は、失禁してしまいました。

私の座り込んだ地面にシミが出来ていきます。

うぅ、恥ずかしい!


 新兵とはいえ騎士なのに、魔獣ごときに辱められてしまいました……。

騎士の誇りを傷つけられた。それに対しての怒りが湧くけど、目の前のグレートハンターウルフに対する恐怖心が勝り腰が抜けてしまいました。

 完全に負けてしまったんだ。情け無い。

動けないでいる私にグレートハンターウルフ達は無慈悲にも嚙みつこうと飛び付いてきます。


 全てがスローに見え、グレートハンターウルフが大きな口を開けその血の付いた鋭い牙が日光を反射して輝きます。


 嫌だ、嫌だ、死にたくない。私はまだ……!


「い、いやあアァァァッ!」


 私の首元にあと少しのところで目の前に、黒い影が間に入り込んできました。


「今助ける! 『悪食』ーーッ!」


 影が剣を二閃しました。私に飛び掛かってきたグレートハンターウルフは肉片へと変わっていきます。

その影は強く、剣を振るうたびに、ウルフ達が一瞬で血の噴水に変わっていってしまいました。

とても強い。

 私は何が何だかわからなくなり、もう何も考えられなくなってしまいました。


 そして、その影が最後のウルフを倒した後、振り返り優しく私に言葉を掛けてくれました。


「もう、大丈夫だ。安心して」


 その時、私はその影、レンに心を奪われてしまいました。

……これが噂に聞く初恋という奴なのでしょうか?


ーーーーーー

大草原 レン視点


 俺が、草原をただひたすらに歩いていると、前方に緑の醜い小鬼の群れが見えた。


「うわぁ、ベルゼブブなんだあれ?」

「あれはね。ゴブリンの群れだよ。しかも、アーチャーとメイジがいるなんて、珍しいね。さぁ、早速悪食の出番がきたね。奴らのスキルやステータスを食べちゃうんだ。

悪食は、アクティブスキルだから、使うイメージをしっかりしないと使えないからね。」

「ふーん。イメージか」


 この世界は、イメージとその才能があれば、ほとんどのことが出来る。

それは、魔法しかりスキルしかりだ。

しかし、アーシュテルの人々にイメージしろと言うのはとても難しい話だ。

そもそもこの世界の人は科学を知らない。

火が燃える原理を知らない。

肉体が、治る仕組みを知らない

物理法則を知らない。

だが、地球から転生した俺はは火が燃える原理を知っている。

肉体が、治る仕組みを知っている。

物理法則を知っている。

俺からしては、イメージすることはとても簡単な訳だ。それは、物凄いアドバンテージになるだろうな……。


「先に、鑑定した方がいいよ。」

「わかった。『鑑定』!」


 頭の中に、ゴブリンたちの情報が流れ込みステータスが表示された。

ふーんこれは便利。すごいな。


ーーーーー

ゴブリン

Lv3


体力160

魔力32

知力12

筋力35

敏捷25


スキル

剣術Lv3

腕力強化Lv1


ゴブリン

Lv2


体力120

魔力41

知力10

筋力40

敏捷29


スキル

索敵Lv2

剣術Lv1



ゴブリンアーチャー

Lv2


体力160

魔力25

知力42

筋力62

敏捷35


スキル

弓術Lv2

身体強化Lv1



ゴブリンメイジ

Lv2


体力90

魔力150

知力45

筋力12

敏捷13


スキル

火属性魔法Lv2

魔法効率強化Lv1

魔法耐性Lv1


ーーーーー


 ゴブリン達、なかなか強いな……良く、ラノベなどで雑魚キャラとして登場するが、今の俺だと囲まれたら殺られる。


「ステータスは見えた?

見えたら、対象に集中して欲しいものを食べるんだ。」

「集中して、食べる?」

「そう。君が持っているスキル『悪食』は敵のスキルとかを食べれるんだ。そして、自分のスキルにすることが出来る。相手からスキルを奪うイメージをするんだよ」


 成る程。ベルゼブブの言う通り、一匹目のゴブリンから、スキルを食べる感じで集中したら、なんと、凄く簡単にスキルを奪い取ることができた。


『アクティブスキル剣術Lv3を吸収しました。』


 無機質な声が頭の中に響く。

俺が好きなアニメのヒロインの声を演じていた声優の声だ。


「出来たみたいだね。それが食べるってこと。

遠距離から食べると、魔力を多く消耗して、疲れちゃうから近距離から物理で攻撃しながら食べると効率が良いんだ。

じゃ、ストレージからミーリア神から貰った剣を出して、切り込みながらスキルやステータスを食べるんだ!」


 確かに、怠惰感が少し出てきたな。

だが、このまま行けば俺は強くなれるだろう。


「わかった。あの感覚で切りながら食べる、だな! 行くぞ!」

「僕は此処で見て待ってるよー。頑張って!」


 俺が駈け出すとすぐゴブリンたちは気づき、粗末な武器を構え襲ってきた。


「グギャギヤギャァ」


 不愉快な声を出しながら剣を振ってくるゴブリン二匹を切り、そして『悪食』でスキルなどを食べる。素人の俺がこんな簡単に生きてる相手の肉を切れるなんて、スキルは偉大だな。


 緑の鮮血が吹き出しゴブリン二匹が倒れる。


『アクティブスキル索敵Lv2と剣術Lv1、

パッシブスキル腕力強化Lv1を吸収しました。』

『剣術Lv3に、剣術Lv1が吸収されました。』

『剣術がLv4にあがりました。』

『魔食みにより、魔力を175吸収しました。

吸収した魔力は、魔力貯蔵用ストレージに収納されます。』

『吸収保存により、倒した敵のステータスを保管しました。』

『レベルアップしました。』


 すごい。レベルが上がったことによって、身体が軽くなった。

ってか、『魔食み』強いな。


 そんな事を考えていると、ゴウッ! という音が聞こえ振り向くと、ゴブリンメイジが火球を飛ばしてきていた。


「うわッ! まずいぞ」


 避けられそうにないから剣で防御する。


『魔食みにより、ファイヤーボールを吸収しました。火属性魔法Lv1を取得しました。』

『ファイヤーボールを魔力に変換、吸収しました。』


 魔法を吸収して、使えるようになるってチートだな。

しかも、魔力変換でダメージ受けないとか、やばすぎる。


「……火属性魔法、取得しちゃたぜ。使ってみたいが、やり方がわからないし、余裕が無いしな……」


 考え事をしていると、殺られそうな気しかしない。


 ゴブリンアーチャーが矢を放ってきている。

ゴブリンメイジも火魔法を放ってくる。

魔法は、魔食みで吸収出来るが、矢はそうはいかない。

当たったら相当痛いだろう。


「あぶなっ! 今、頭かすったぞ! あの野郎ふざけやがって」


 俺は、飛んでくる矢を潜り抜けゴブリンアーチャーの脇腹に剣を刺した。


「ギャァギィィー!」

「うるさいなぁ!」


 絶叫を上げるゴブリンアーチャーから剣を抜き、首を刎ねる。

近くにいたゴブリンメイジも、剣を二閃することによって絶命した。

首を刎ねたところから血が吹き出る。


『アクティブスキル、弓術Lv2と火属性魔法Lv2

パッシブスキル、身体強化Lv1、魔法効率強化Lv1、魔法耐性Lv1を吸収しました。』

『身体強化Lv1は、すでに身体強化Lv10を所持しているため、スキルホルダーに吸収されました。』

『火属性魔法Lv2に、火属性魔法Lv1が吸収されました。』

『火属性魔法がLv3にあがりました。』

『魔食みにより、魔力を175吸収しました。』

『吸収保存により、倒した敵のステータスを保管しました。』

『レベルアップしました。』


 戦闘が終わると、俺は野原に座り込んだ。


「つ、疲れたぁ。」


 すると、俺の戦いを見ていたベルゼブブが目の前に歩いてきた。


「初戦闘お疲れ様ぁ。どうだった、楽しかったでしょ。」

「はぁはぁ、楽しかったといえば楽しかったのかな? でも、初めて生き物を殺したな……なのに忌避感とかないんだよ。どうしてだ?」

「それはね、此処がそういう世界だからさ。

殺らなきゃ殺られるからね。

あぁ、そうそう。さっきの戦闘でレベルアップしたみたいだから、ステータス見てみなよ。」

「わかった。見てみる」


 俺は心の中でステータスと念じてステータスウィンドウを出した。


ーーーーー

名前:レン=アカミヤ(緋宮 煉)

種族:ヒューマン

LV:5


職業:


状態:


加護: 八岐大蛇の加護

天照大御神の加護

邪神ラルヴァの加護

創造神ミーリアの祝福

暴食の王ベルゼブブの加護


称号:暴食の王

悪食

異世界人

神に誘われし者


従魔:暴食の王ベルゼブブ


体力:1280

魔力:520

知力:93

筋力:105

敏捷:350

幸運:40


特殊スキル

暴食Lv--

鑑定Lv--

ストレージLv--

神蝕Lv--

吸収保存Lv--

スキルホルダーLv--


アクティブスキル

悪食Lv10

魔食みLv10

剣術Lv4

弓術Lv2


魔法スキル

火属性魔法Lv3


パッシブスキル

身体強化Lv10

腕力強化Lv1

魔法効率強化Lv1

魔法耐性Lv1


スキルホルダー

身体強化Lv1


保管魔力350


ステータスストレージ

体力530

知力109

筋力149

俊敏102


ーーーーー


 凄い! 体力が四桁に入った。他も結構強化されてるな。

でも、LV5で体力1280っておかしくないか?


「なぁ、ベルゼブブ」

「なんだい?」

「LV5で体力1280あるんだけど、おかしいかな?」

「LV5で体力せ、1280! ありえない。普通、そのLVだったら体力なんて、だいたい500あるかないかだよ!?

流石は僕の御主人様だね!」


 やっぱり……おかしいのか。

まぁ、能力値が高いことに越したことはないからね。


「ん? 御主人様……? まぁ、いいか。じゃあ休憩もできたし、出発するか」


 そう言って立ち上がった時、狼のような鳴き声と、女性の悲鳴が聞こえた。


「っ! 今の鳴き声と悲鳴は?」

「うーん結構近いね。鳴き声の感じだと、ウルフ系魔獣種。多分誰かが襲われてるんじゃないかな?」

「助けないと! ベルゼブブ行くぞ」

「わかった。私は、従魔用ストレージに入ってるよ」


 俺は悲鳴の主を助ける為、強化された敏捷力で走り出した。

 敏捷350の力は凄まじく、すぐに悲鳴の主が見えた。

黒くてでかいオオカミ達に見るからにお嬢様の女の子と、手負いの女騎士が襲われていた。


「メテアっ! 魔法を使うわ!」

「だ、ダメです! 奴等にはあの毛皮で魔法はほぼ効きません、サリアお嬢様っ。に、逃げて下さい!」

「嫌……い、嫌ぁぁあ! メテアまで死ぬなんて嫌よ!」


 こんな時になんだけど、女騎士の方、俺のタイプだ……助けたら、仲間になるとかないかな? 異世界あるある的に。


「逃げてください! なんで逃げないんですか……いいから逃げてよっ! 貴方は死んでは行けないんです!」

「うっ……うわぁあああぁ!」

「サリアお嬢様行きますよ! サリアお嬢様の為にメテア殿は犠牲になるのです。無駄にしてはいけません!」


 お嬢様が泣きながら召使みたいな人と一緒に逃げ出したぞ。まぁいい、早く助けに入らないと、俺の将来の仲間、もとい女騎士がバカでかいオオカミに食われちまう。


「そうです。そのまま振り返らずに走り続けてください……喧嘩別れみたいでなんか、悲しいですね」


 オオカミがジリジリと近づいてる。まずいぞ、間に合うか?


「……い、いやです。こんな、狼に食べられて死ぬなんて、いやですッ!

誰か、た、たすけ、ておねがい……」

「グルルルアアル、グアア!」

「ひ、ひぃッ!」


ジョオ、オオジョロロロ。


 あらら、漏らしちゃったよ。そんなところもタイプだ。可愛い。

そんな事言ってる場合じゃないか……。あっ、狼の野郎が飛びかかる!


「い、いやあアァァァッ!」

「くっ! 間に合えぇぇぇ!」


 俺は、全力疾走し、女騎士とオオカミの間にギリギリで入り込んだ。


「今助ける! 『悪食』ッ!」


 剣を一閃し、飛びかかってきたオオカミを斬り伏せ、後続のオオカミ達を切り裂いていく。


「俺の未来の仲間の為に死ね!」

「グルアアアアアァァアァ!」


 オオカミ達は、突然間に入ってきて、仲間を殺した俺に怒こっているらしい。

だが、俺の知ったことじゃぁ、ない。

俺の仲間(まだ決まってない)を殺そうとしたんだ。

俺は今、非常に怒っている。


「ふぅ。……オオカミ共、行くぞ!」

「グルル、グガァッ!」


 オオカミが口を大きく開けて、飛びかかってくる。俺は身体強化で強化した能力で回し蹴りを食らわした。


「ギャン! グギャアッ!」


 蹴りを喰らったオオカミは2バウンドして、動かなくなった。


「グルル、グア!」

『グルアァァアァ!』


 残ったオオカミ達がスキルを使ったようだ。

奴らの爪が赤く光っている。


「……ちょっと、それに当たったらヤバそうだな」

「グルアアアアアァァアァツッッッ!」


 一匹が爪で攻撃してくる。俺はそれをバク転して避ける。パッシブスキルとステータス様々だ。


 オオカミは空振りして地面を抉る。すると当たったところが小さなクレーターになった。


「そんなに、力強いの……避けといて良かったぜ。

しかし、どうやって倒そうか……あっ!」


 強化された狼の攻撃が一度でも当たったら相当なダメージを食らうだろう。

どうにか奴の攻撃に当たらずに、倒せないか考えていると、ふと、自分のステータスを思い出した。

今現在、俺が持っている唯一の魔法スキル。

火属性魔法。


「火属性魔法。これならいけるかも!

全てはイメージから……魔法は魔力が必要だよな。うーん? ……これか?」


 俺は集中して体を巡っている魔力らしき物を発見した。

魔力らしき物をを意識して、

同時に火が燃える原理と投げ槍を頭に浮かべた。

すると、十数本の炎の投げ槍が俺の周りに発生する。


「へぇ……これが魔法か、案外簡単だったな。火と投げ槍をイメージしたからこうなったってことか。

良し、行け。俺の魔法!」


 そう言うと一斉にオオカミ達に向け発射された。

二、三発オオカミに当たったが、何かのスキルによって、ダメージを与えられなかった様だ。


「なッ! ……魔法が効かないだと!? だがなぁ、動きが止まってるぞ!」


 確かに魔法は効かなかったが、不意に魔法を放たれたオオカミ達は一瞬動きを止めた。その一瞬の隙に俺は『身体強化』と『剣術』によって強化された剣筋で、数匹のオオカミを切った。


 残り二、三匹になったオオカミ達はもはや恐れるに足らない。

俺は一匹ずつ、確実に首を切り飛ばした。

オオカミ達を倒し終わると俺は手負い女騎士の方を向いた。


「もう、大丈夫だ。安心して」


 俺は、彼女が安心できるように、そっと語りかける。、


「私は……た、たすかったのですか?」

「あぁ、そうだよ。君は助かった」

「う、う……うぅ、うあぁあぁあああぁぁぁ!」


 彼女は、相当怖かったのか泣き出してしまった。

俺はそっと彼女の頭を撫でる。

すると彼女は、いきなり俺を抱きしめてきた。

鎧がゴツゴツして痛いが、髪の毛からいい匂いがする。


……かわいい。良し。絶対に仲間にする。


「うぅ、怖かった、怖かったんです。サリアお嬢様を守らなくてはいけない。だけど、自分が死ぬのが一番怖かったんです!」


 あのオオカミ、グレートハンターウルフって言うのか。

しかし、この子も大変だったんだな。


「大丈夫だ。そのグレートハンターウルフって奴は俺が全部倒した。……頑張ったんだな」


 彼女を落ち着かせていると、急に場違いなレベルアップの知らせが頭の中に響いた。


『レベルが上がりました。』

『アクティブスキル、咆哮Lv4、追跡Lv3、魔爪Lv3、嗅覚集中Lv4とパッシブスキル、脚力強化Lv3、視力強化Lv4、聴力強化Lv2を吸収しました。』

『魔食みにより、魔力を420吸収しました。』

『吸収保存により、倒した敵のステータスを保存しました。』


 鑑定し忘れたけど、グレートハンターウルフはそんなに美味しくなかったんだな……。


(レン君。グレートハンターウルフの死体をストレージに入れてね)


 頭の中に、ベルゼブブの声が聞こえた。

どうやら彼女が従魔用ストレージにいる時は、頭の中で会話ができるようだ。


(わかった。素材の剥ぎ取りでもするのか?)

(そうだよ、ハンターウルフの亜種なんて滅多に出会わないからね。素材は、回収したいんだ)


 なんと、グレートハンターウルフは、ハンターウルフとか言う魔獣の亜種のため、個体数が少なくだいたい三つのハンターウルフの群れに一匹いるかいたいかぐらいな感じで、そのグレートハンターウルフの素材は様々なものに使える為、凄く貴重な物らしい。


(ストレージって遠くから使えたりするのか?)

(遮蔽物が無くて、目に見えるのなら魔力を消費してつかえるよ)

(ありがとう)


「う、うっうぁあああーん!」

「頑張ったな、よしよし、大丈夫だよ」


 俺は、助けた女騎士を落ち着かせながら、グレートハンターウルフの死体をストレージに遠隔操作でどんどん入れていく。

端から見ると、死体が一緒で消滅しているように見える。


 俺はストレージに死体を全部入りて、まだ泣き止まない彼女を見た。


「……さぁって、これからどうするか?」


 俺の独り言は、青い草原を走る風に溶けていった。

レン君に二人目のヒロイン出現!

お漏らし女騎士、いいですよね?


戦闘描写が苦手…上手くなりたいです。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ