序章 第五話
初投稿初日に読んで下さった方々、ブックマークして下さった方々、
本当にありがとうございます。
今後もがんばって投稿して行きますので、
よろしくお願いします。
俺は、閃光が無くなったと思ったらまたもや、真っ白な空間にいた。
「……あ?」
うん? 此処は、何処だ?
おかしいな。
確か俺は、ミーリア神にアーシュテルへ送って貰ったはず、だよな?
なのに、何でまた同じような所にいるんだ?
そんな事を考えていると、幼い中性的な声が響いた。
「やぁ、はじめまして緋宮 煉君。いや、今はレン君かな?
ボクは、君が来る事を此処でずぅーっと待っていたんだよ」
驚き振り向くと夢で見た、赤と黒のロングコートを着た中学生位の体つきをしている銀髪美少女が黄金の王座に座って俺を見つめていた。
だが、彼女の首と足には枷がつけられていて、際どいロングコートと黒のショートパンツ以外服を着ていない。
少々……いや、とても目のやり場に困る。
しかもボクっ娘だと⁉︎
や、やばい。もろタイプだ……!
「……君は、誰? 此処は何処なんだ?」
「此処は、君の中。つまり、レン君の精神世界さ。
ボクの名前は、さっきミーリア神が言ってたじゃ無いか。
ボクこそが七大罪が一つ。暴食の王、ベルゼブブ。ハエの王では無いよ。あれは、教会が付けたただのイメージだからね」
ベルゼブブだと!? もっとキモくて怖いのを想像してたが、ボクっ娘美少女だったとは……。
「なるほどね。で、何で此処にいるんだ?」
「それはね。君の魂にボクが封印されているからなんだ。だからね、君にボクの封印を解いてほしいんだよ。
あぁ、封印を解いたからって、別に世界が終わるだとか、君を呪い殺すだとかはしないから安心してね」
本当に封印解いても大丈夫か?
暴れないって言ってるけど。
まぁいいか。可愛いし。
「……いいだろう。だけど、俺に何のメリットがあるんだ?」
「そうだね……ボクが君の力を解放してあげるよ」
まぁ、それも嬉しいけど物足りないな。
「なんだい? 不満なのかい? じゃあボクを君の旅の仲間にしてよ。まぁ、最初からそのつもりだけど。
君もボクのような美少女と一緒旅できるなんて最高でしょ?」
美少女と自分言っちゃったよ。実際にそうだけど。
ふーん。まあ、確かに暴食の王が仲間になれば安心だな。
「あとね。君の今持ってるスキルのスキルレベルを全部Maxにしてあげるよ!」
それは嬉しい……よし。
ベルゼブブを解放しようか。
「わかった、封印を解こう。どうすればいいんだ?」
「ボクの胸に手を当てて僕の額にキスするんだ」
「胸に……手を当てるだと? ご、ごくり」
天才だとか言われてる癖に彼女いない歴=年齢の俺に、胸に手を当てて額にキスをするだなんて芸当が果たして出来るのか?
……いや。出来ない。
だけどこれをしなければ、始まらない。
俺は、震える手で彼女の何も着てない胸に手を当てる。
彼女がそれに反応する。
「ん、あっ」
あっ、柔らかい……これはやばいな。ずっと触っていたい。
小さくてもちゃんと柔らかく……って! 何を考えているんだ俺は!
俺は、その誘惑をどうにか振りほどき、そのまま彼女の額にに恐る恐るキスをした。
その瞬間、ベルゼブブの王座を中心に魔法陣が浮かび上がっては消え、浮かび上がっては消えていった。
魔法陣が消えていくたびに彼女の枷にヒビが生じた。だんだんヒビが広がり、最後には、完全に砕け散った。
「……ふぅ。解いてくれてありがと。
約束のスキルレベルMaxと、神を食う力、特殊スキル『神蝕』と『吸収保存』そして魔物を喰らい自分の従魔とする特殊スキル『捕食』と『僕化』をあげよう。
ステータス確認してみて」
あれ? そんなにスキル貰う約束してたか? いや、そもそもステータス確認ってどうやんの?
そんなのミーリア様に教えられてないぞ!
「……どうやって確認するんだ?」
「あぁ、もしかして教えられてない?
はぁ、わかった。じゃ、頭の中でステータス! って強く念じて」
強く念じるか。
よし、ステータス!
念じた瞬間、ヴォン! と鈍い音が聞こえ、目の前に薄い青色の透明な板が現れた。
「出たね。それがステータスウインドウ。
君の能力の情報が書かれた大切なものさ」
だんだん文字が浮き出てきた。
確認してみようか。
ーーーーー
名前:レン=アカミヤ(緋宮 煉)
種族:ヒューマン
LV:1
職業:
状態:
加護: 八岐大蛇の加護
天照大御神の加護
邪神ラルヴァの加護
創造神ミーリアの祝福
暴食の王ベルゼブブの加護
称号:暴食の王
悪食
異世界人
神に誘われし者
従魔:暴食の王ベルゼブブ
体力:350
魔力:300
知力:45
筋力:82
敏捷:140
幸運:35
特殊スキル
暴食Lv--
鑑定Lv--
ストレージLv--
神蝕Lv--
吸収保存Lv--
スキルホルダーLv--
捕食Lv--
僕化Lv--
アクティブスキル
悪食Lv10
魔食みLv10
パッシブスキル
身体強化Lv10
ーーーーー
俺のステータス、こんな感じなんだ。
すげぇ、本当に良くあるファンタジーだな。
てか、なんで従魔の欄にベルゼブブ載ってんだよ!?
「どう? ステータスの従魔に僕が載ってた?」
「ああ、載ってるよ。これどういうことだ!?」
「それはね、僕が、君に屈服したからさ」
「く、屈服?」
「そう。もともと僕の封印を解いてくれたらその人の従魔になるって決めてたんだ」
話を聞くと、魔物などは屈服させると従魔として、服従させることができるらしい。
無論、悪魔や天使も例外では無いとか。(『捕食』と『僕化』を使うことによって屈服状態に強制的にすることが出来るが今回は置いておく)
この時、俺がベルゼブブの封印を解いた時、彼女はレンに屈服したという訳だ。
「従魔ってことは、アーシュテルでもついてくるってことだよな?
なんか、どっかに隠れるとかできないのか?
出来ると、便利なんだけど」
「出来るよ。従魔用ストレージってのがあってね、そこに入れるんだ」
「わかった、それなら良い」
従魔用ストレージって、いくらでも従魔を入れれるのかな?
「それじゃあ、精神世界を崩すよ。
世界が崩壊したら、自動的に転生出来るからね」
「へぇ。すごいんだな」
「でしょ? じゃあ……崩壊!」
そう言った途端に、真っ白な空間に亀裂が入り、どんどん崩れていく。
俺が立っていた場所も崩れ落ちる。
「いや、崩壊するの早過ぎだろ!? ちょっと待て、まだ心の準備がぁぁああああ!」
そう叫ぶのと同時に、俺はまた閃光に包まれた。