辺境都市カルケル 第二十四話
お待たせしました……久々の更新です。
いつのまにか、PV108000、ユニーク23000を突破しておりました。
ありがとうございます!
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では、二十四話をどうぞ!
解体場から戻ってきた俺達だが、今はギルド内部に存在する個室でお茶を頂いている。
何故かって?
エリスさんに、グレートハンターウルフの魔石を買い取りをしてもらう為だ。
なんでも、かなりの大金に成るらしいので買い取りカウンターではやり辛いのだとか。
「金額の詳細ですが、グレートハンターウルフの討伐報酬が24体分ですので、金貨24枚。魔石が一つ金貨3枚で買い取り、金貨72枚です。合わせて金貨96枚、ご確認下さい」
金貨10枚のタワーが9つと余りが6枚。確かに金貨96枚だ。
因みに、金貨一枚を日本円に換算すると、約100万円に成る。つまり、今ので9600万円も手に入れたことになるのだ。
冒険者は滅茶苦茶に儲かる職業だと再確認する。
「金貨が96枚……。ゴブリンのも合わせると、俺の総資産が早くも一億円を超えてしまうなんて……」
「やったねレン君! 君がお金持ちになれて僕もとっても嬉しいよッ」
「ベルゼブブ……。お前の場合、食費に回す分が多くなったとか思ってるんじゃないか?」
「なっーー! ちょっと、レン君? それじゃ、まるで僕が大食漢みたいな言い方じゃないか。
僕は女の子なんだぞ!」
おいおい、それを暴食を司る悪魔が言うか?
金は魔物狩れば幾らでも手に入る。多少食費に回しても問題はそんなに無いだろう。
普通の冒険者なら、自分の残存体力や魔力などを考えなければならないが、幸い俺には「悪食」によって、敵からそれ等を奪える。極論を言うと、休んだりする事無く延々と狩りをすることが出来る。
まぁ精神的に疲れるだろうからやりはしないが。
だからポーションや、薬草なんかにお金を使う必要が余り無いので、稼いだ金の大体が貯金に行く事になる。
「まぁ、じきにその貯金も食費に消えていくだろうけどな」
ベルゼブブはぷりぷりと怒っているが、置いといて……金貨を数えるとしよう。
金貨10枚のコインタワーが九つ。残りの6枚。
「確かに金貨が96枚……頂きます」
手持ちのお財布代わりの革袋に金貨を詰め、ストレージへと放り込み、エリスさんに礼を言う。
「それにしても、お二人は凄いですね……。
冒険者になられて数日で報酬金に金貨。しかも数十枚なんて普通じゃ有りえません。少なくとも私は今までに見たことが無いです」
エリスさんの瞳が真っ直ぐに俺達へと向けられている。
前世でもそうだったのだが、女性に見られる耐性がない。だから、そうまじまじと見られるとかなり恥ずかしい。
折角だから改めて彼女を見返す。
エルフは美形というお約束。それはアーシュテルでも健在の様だ。
薄い金髪のセミロング。瞳は薄い碧。エルフ特有の長く尖った耳。細くて綺麗な顔立ち……。
誰もが想像する理想的なエルフだ。
これは……ミーリア神には足を向けて眠れない。
ミーリア神の御技を心から賛美し、急いで思考を現実に戻す。
「いやいや、運が良かったんですよ。な、ベルゼブブ」
「謙遜なさらないでください、レンさん。
貴方は冒険者なんですから、運も実力の内です。優れた冒険者は運も、その能力も高いものですよ」
ステータスに幸運値が有るぐらいだし、本当に運も実力の内なのだろう。
「良いですかレンさん。貴方はもっと自分に自信を持って下さい。貴方達はきっと大成しますよ。私の感がそう言っています!」
「あぁ……ありがとうございます」
結構当たるんですよ私の感! と、エリスさんは言う。なんかそう言うスキルでもあるのかなっと、ちらっとエリスさんを「鑑定」で見てみた。
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注意!
対象には隠蔽魔法が付与されています。
隠蔽を看破しますか?
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隠蔽魔法が付与されてるだと?
初めて見る表示だが、まぁ、書いて字の如くステータスに隠蔽魔法が掛けられているのだろう。
答えは勿論、看破します、だ。
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名前:エリス(エリス・アル・ヴァルナァーラ)
種族:エルフ(ハイエルフ)
LV:42
職業:冒険者ギルド カルケル支部 受付嬢
(世界樹の巫女)
状態:良好
(隠蔽魔法付与)
加護: (世界樹の加護)
称号: (世界樹の巫女)
契約精霊:世界樹 ユグドラシル=ウルザブルン
高位闇属性精霊 シャドーファンタズム
高位風属性精霊 エアリエル
中位水属性精霊 ウンダ=エレメント
低位火属性精霊
低位土属性精霊
体力:513
魔力:3586
知力:452
筋力:59
速力:128
攻撃:352
防御:425
幸運:83
特殊スキル
直感Lv--
祈祷Lv--
儀式演舞Lv--
王族威光Lv--
アクティブスキル
弓術Lv4
短剣術Lv2
索敵Lv3
自然感知Lv5
自然感応Lv6
パッシブスキル
礼儀作法Lv8
身体強化Lv2
魔法効率強化Lv2
麻痺耐性Lv3
毒耐性Lv3
魔法スキル
精霊魔法Lv6
風属性魔法Lv4
水属性魔法Lv2
時魔法Lv5
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直感
未来を朧げに見通す力。
見えた未来が本当に現実となるかは保持者のスキルレベル、適正に左右される。
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隠蔽魔法を看破したら、こんな結果だった。
特殊スキルの項目に「直感」が存在してる。
さっき言ってたのはこれか。
って、ちょっと待ってくれ……。
「直感」よりもエリスさんが只のエルフじゃない事の方が驚きだ。
エルフじゃ無く、王族であるハイエルフだ。しかも世界樹の巫女。明らかに冒険者ギルドで受付嬢やってる人とは思えないのだが。
「ベルゼブブ、ちょっと……」
取り敢えず、ベルゼブブには知らせる事にした。
未だにぷりぷりと怒っているベルゼブブの肩を掴んでを近くに寄せる。
「むーっ。なんだい?」
「あぁちょっとな。……エリスさんを鑑定してみたんだが、ステータスが色々と凄くてな」
耳打ちする為に顔を近づけると甘い、いい香りがした。優しい香りだった。
気を取り直して、エリスさんのステータスをベルゼブブに伝える。
「えっ、本当に?」
「ああ」
流石のベルゼブブも驚愕している。
当たり前だ。
只の美人な受付嬢さんだったと思っていたら、かなり重要な人物だったら、当然誰だってそんな反応になるものだ。
よく考えて欲しい。精霊魔法が有るのはわかる。
エルフと言って、真っ先に思い浮かぶのは容姿端麗と精霊魔法だろう。その流れは理解できる。
問題は種族や加護と称号だ。
そもそも隠蔽魔法とは、誰かに知られると不味いものに掛ける魔法だ。
王族や貴族などが好んで使う物らしいのだが。
したがって、エリスさんは身分が高いのかそれとも特別な職業についていたかだ。
ハイエルフと世界樹の巫女。この場合は両方だな。
そうとなると、何故このカルケルで冒険者ギルドの受付嬢の仕事をしているのかになるが、まぁ、事情が有るのだろう。
その事情をわざわざ聞くのもなんだし、聞いてエリスさんとの関係が悪くなるのも嫌だから、この話は置いておくことにした。
「……その方が良いね。ハイエルフってだけでも驚きなのに、世界樹の巫女ときた。僕たちには荷が重いよ」
「あぁ、そうだな」
エリスさんが待っているし、この話はこれで終わりにしよう。
「あの……、もう大丈夫ですか?」
「あぁ大丈夫です」
「待たしてごめんね」
「いえいえ……では、お手数ですが、この書類にサインと魔力を。金額が金額なので、何処にお金が流れたのかを残さなくてはいけないんですよ」
そう言って特殊な紙で出来た書類と魔力を通しやすい特殊なインクのペンを渡される。
言われたように名前を書き、魔力を流す。
魔力は指紋のように、人それぞれ違う波長を持っているらしい。魔力紋というのだとか。
魔力紋を魔力媒体である紙とインクに記憶させる事によって、個人の特定が出来るらしい。ギルドカードにもこの技術が応用されているのだとか。
つまり、これの技術を使う事により書類偽を完全に無くす事が出来るのだ。
「これでいいですか?」
「ええ、バッチリですよ。ではこれで手続き完了です。お帰り下さって大丈夫ですよ」
今ので必要な手続きは全て終わった様だ。
さて、帰るとするか。
「じゃあ帰ろうかレンくん」
「ああ、そうだな。エリスさん、今日はありがとうございました」
「いえいえ、仕事ですから。お送りしますよ」
そう言って立ち上がりドアを開く。
廊下に出るとかなり暗くなっていた。
帰ってきた時点で日は傾いていたが、ランプや街灯の殆どが灯っていなかったが、今は虚ろに輝く灯が街を照らしている。
エリスさんに出口まで送って貰った。
かなりの人数の冒険者が並んでいた受付には、数える程しか人が居ない。
既に、殆どの冒険者は酒場で酒盛りを始めている時間だ。
早く帰らないと晩御飯が無くなってしまうな。
「エリスさん、今日はお世話になりました」
「色々と勉強になったよ、ありがと」
「いえいえ、こちらこそ。また明日お待ちしております。帰り道、お気をつけくださいね」
エリスさんと別れ、足早に黒鉄の剣亭へと帰った。
冒険者ギルドの受付嬢、エリスさん。
実は凄かった。




