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暴食の王〜喰らう力で異世界攻略〜  作者: ベニ・ドラ
第一章 辺境都市カルケル
26/30

第一章 辺境都市カルケル 第二十一話

大分間が空いてしまいしました……。


なんと、PV60000、ユニークもう少しで15000ですっ!

ありがとうございます!


ブックマーク、高評価宜しくお願いします!

 無事にゴブリンキングを討伐し、鬼化も一定時間が経過した事で解けた後、俺達はゴブリン達の集落跡に来ていた。因みにレベルは23も上がっていた。しかし、ゴブリンキングのレベルが、45だった訳だけど、そう考えるとあんまり経験値入って無い気がするんだよなぁ。後でベルゼブブに聞くとしよう。

 この集落跡に寄ったのは、倒したまま放置したゴブリン達のギルドに提出する討伐証拠を入手すること、そしてゴブリン達が集めたアイテム類を回収する為だ。


「……ゴブリンキングの奴、派手に暴れたから集落が大変な事になってるぞ。はぁ、これじゃ素材とかアイテム取るのも一苦労だな……」


 ゴブリンキングとの戦闘で、集落は半壊。ゴブリン達の死体も其処彼処でトマトが潰れた様に肉片と化している。


「なぁ、ベルゼブブ」

「えっ? ぁ……うん。そうだね、レン君」

「……ベルゼブブ。まだ落ち込んでるのか? 次から気をつけてくれれば良いんだよ。そう俯く必要はないぞ?」


 ベルゼブブはゴブリンキング討伐後、俺が怒った事がかなり効いたらしく歩いている間もずっと落ち込んでいた。

危険だったとはいえ、ベルゼブブにちょっと強く言い過ぎだったかもしれないな。反省しよう。


「……ごめんな、ベルゼブブ。さっきはちょっと強く言っちゃたな……悪かったよ。だけど、そんなに悲しい顔してたら折角の可愛い顔が台無しだぜ? ほら、帰ったら東門通りで好きなだけ食べさせてやるから、元気出してくれ」

「……レン君。そうだね。いつまでも引きずってちゃダメだよね……ありがとうレン君。あと、好きなだけ食べさせてくれるっていうの忘れないでね!」


 どうやら、機嫌が直ったようで良かった。でも、その代わりに今日の食費で金が無くなっちまうか。はぁ……。

金の足しになるように集落のアイテム片っ端から持ってやるっ!


「さて、ベルゼブブ。早速で悪いが、半壊している建物からアイテムを回収したいんだが、楽に取り出す方法は無いか?」

「簡単さ。魔法でどかすか、瓦礫をストレージに入れちゃえばいいんだよ。そうすれば埋まったアイテムも回収出来ると思うよ。それに、瓦礫って結構便利な使い方があるんだ。例えば、上空から敵に落としたりとかバリケード張ったりとか、色々ね」

「へぇー、確かに瓦礫が上から降って来たらひとたまりも無いな。 ……じゃあ、まず瓦礫を回収するとするか」

 

 やる事が決まったらポンポンと進める。半壊した家屋に手を当てて回収していく。たまに転がっているゴブリンキングが武器として使った木なども一緒に回収した。ほんの数分で倒壊した家屋の類は全て回収する事ができた。


「ふぅー。後はアイテム探しと討伐証明のゴブリンの右耳と魔石を回収するだけだな」

「あぁ、それなんだけど……上位種ゴブリンの死体は回収しておいたほうが良いと思うよ」


 はて? 確かゴブリンの死体は素材として何にも使えないし、食べても不味いから倒したら死体を集めて焼くんじゃなかったっけ? ゴブリンキングを回収するのはなんとなく解るが、何故ベルゼブブは他の上位種の死体も回収しろって言うんだ……理解できない。


「おいおい、ベルゼブブ。なんの役にも立たないゴブリンの死体をなんで回収するんだよ? 集めるだけ無駄だろ?」

「わかって無いねー。良いかいレン君、この世界には死霊魔法が有るんだよ? 死霊魔法を使って上位種ゴブリンのアンデットを作ったら戦力増強になると思うよ」


 俺が苦戦した上位種ゴブリンのアンデットか……それだったら確かに戦力増強になるけど、そのアンデットを作り出す死霊魔法はどうするんだ?


「アンデットを作るのはわかったが、その死霊魔法はどうするんだよ?」

「勿論、あては有るさ。ほら、前にメテアが言っていたじゃ無いか。カルケルの近くに魔窟の森が有るってね。そこにはアンデットの類も居るって僕の真理眼が言ってるのさ。そのアンデットの中に死霊魔法を使えるアンデットが居てもおかしい話じゃ無いでしょ? そいつから悪食で食べちゃえば良いんだよ」

「成る程な……。じゃあ死体を拾っておくとするか」


 上位種ゴブリンの死体を拾うことが決まり、討伐証明の耳を切り取り、胸に埋まっている魔石を取った後、死体の中でも形が崩れていない物をアンデットの材料として回収する。流石の死霊魔法といえど、挽肉になった物からアンデットは作れないだろうしな……いや、作れない事はないのか? でも、俺に挽肉のアンデット作って喜ぶ趣味は無いし、作れたとしても気持ち悪いだろうし、要らないな。


「さてと、後はアイテム探すだけだな。アイテム探しって、なんかワクワクするよな。お前もそう思うだろベルゼブブ?」

「そうかい? あー、まぁ確かに冒険者らしい感じはするよね」

「だろ? さて、倒壊した建物に埋もれてた奴は回収したはいいけどロクなものがなかったな。他はどうかな……。金になるのが有るといいんだが」


 建物として残っているものは、ゴブリンが生活していたであろう小屋が二棟と、少し大きめの倉庫らしい建物が二棟、そして集落の中心に位置するゴブリンキングが出てきた大きな建物だ。


「小屋は……まぁ、期待薄だな。とっとと片付けようか。ベルゼブブは先にあの倉庫っぽいのを見てきてくれ」

「わかったよ。じゃ、早く来てね」


 それだけ言うとベルゼブブは手前に見える倉庫らしき建物へ走っていった。


「じゃあ、とっとと終わらそうか」


 最初の小屋を探索する。小屋と言っても庵の様な作りでドアは無く、木材と枝と干し草を使って作られている壁はガタガタで隙間風が通り抜けて行く。

勿論、こんな小屋に良さげなアイテムが置いてあるはずも無く、旅人が使っていただろうボロボロの食器や何に使うのか判らない長い棒。木製の枕らしきものなど、ガラクタしか転がっていない。


「かなりショボいな……まぁ、ただのゴブリンが生活してた小屋だろうしな。この程度が妥当か?」


 もう一つの小屋も同様に大した物はなかった。ただ、刀身の上半分が欠けた銅剣が立て掛けてあった。剣としては使えないが、鍛冶屋に持っていって買い取ってもらえるだろう。


「まぁ、まだ鍛冶屋に行ったことが無いんだけどな……。良し。回収作業も終わったし、ベルゼブブと合流するか」


 折れた銅剣と小屋自体もストレージに収納し終わり、ベルゼブブが先行した倉庫へ歩き出す。


「……着いたけど、こっちには何があるのかね」


 この建物は、他の小屋には無かった扉が付いている。扉が付いているという事は、何か大事なもが有るに違いない。それはこの建物以外にも、もう一つの倉庫らしき建物、キングが出て来た中央の建物も同様だ。

扉といっても、普通に思い浮かべる扉ではなく、丸太を何本か荒縄でしばり固定して、それを両開きの扉としている。……かなり雑な作りだ。見た感じ、押しても引いても空きそうに見えたので、扉の片方を押してみたのだが、立て付けが悪く開かない。仕様がないから扉を蹴破って建物の中に侵入することにした。


「ベルゼブブはどうやって入ったんだ……?」


 そこのところが不思議だが、今はどうでもいい。因みにドアは、パッシブスキルで強化された蹴りで粉々になってしまった。


「我ながらかなり人間離れしてきてるな……。まぁ無事に建物内に入れたし、在るもの片っ端から収納していくとするか」


 どうやらこの建物は食料の貯蔵庫だったようだ。

乱雑に敷かれた藁の上に、謎の肉やら、果物やらが置いてある。その一つの青リンゴのような果実を手にしてみると、握った瞬間にブチュッと音を立てて潰れてしまった。


「うげっ……。衛生面が気になるから、此処に有る食料の類は持って行かない方が良いな……」


 俺は、ストレージから水を取り出し、腐った果実で汚れた手を洗う。何も無い空間が裂け、そこから水が流れ出る。……ストレージ便利だなぁ。

そんなことをして居ると、奥からベルゼブブがやってきた。


「あ、レン君」

「おう、ベルゼブブ。何か収穫はあったか?」

「何もないよ。全く……此処のゴブリン達はダメだね! ……食べ物に対する敬意を持ってないよ。いや、侮辱だねッ! こんな管理の仕方じゃ、新鮮な食べ物も直ぐに腐っちゃうよ。この先に有る物も、とてもじゃないけど食べられないね」


 どうやら、うちの大悪魔様は食料の管理が杜撰なゴブリン達に怒り心頭らしい。

どんな物で喰らうことが出来る、暴食を司るベルゼブブだが、食べ物の扱いに関しては結構細かかったりする。特に食べ物を粗末に扱ったり、料理を不味いと言って残したりするのを、とても嫌うみたいだ。

 何故、俺がそんな事を知っているかと言うと、実は東門通りを歩いている時、屋台で買ったと思われる串焼きを持った人が、その串焼きを一口食べて直ぐに吐き出し、「なんだこの不味い食べ物はっ!」と言って捨てていったのを見ていたのだ。

ベルゼブブは、「……レン君。僕は、ああいう人が一番嫌いだよ。例え美味しくなくても、食べ物は残さず食べなきゃ」と俺に言って、今直ぐにでもその人を害そうとするかの様に睨みつけていた。まぁ、食べ物を粗末にする事は良く無い事だが、何故そこまで嫌うのか俺には解らない。過去に何かしら有ったのだろうか?


「まぁ、ベルゼブブ。そう怒るなよ。折角の可愛い顔が台無しだぜ?」

「えっ。……あぁ、うん」

「さて、もうこの建物には用は無いし収納してしまおうか。ベルゼブブ外に出るぞ」

「うん」


 建物から出て、ストレージへと収納した。

次は隣の建物だ。最後にゴブリンキングの建物を調べる事にする。

この建物も、食料庫と同様に扉を蹴り破って中に入る。


「……レン君、随分と荒っぽいね。扉は開くものだよ?」

「しょうがないだろ? だって開かないんだから……。そういやお前、食料庫の扉はどうやって入ったんだ?」

「うん? 僕は普通に入ったけど」

「はっ? いやいや、おかしい。両開きの癖に押しても引いても開かなかったぞ?」

「まぁまぁ、良いじゃ無いか。僕は早くご飯食べたいよ」

「あ、あぁそうだな。悪い、早く済ませる」

「うん」


 東門通りでご飯を食べると約束したしな。とっとと終わらそう。

どうやらこの建物は、武器や道具などを保管する倉庫の様だ。これまた地面に敷かれた藁に木や石で作られた剣や槍、棍棒などが乱雑に置かれている。奥には鉄製の武器が幾つかと、縄などの道具が有った。


「うーん。当たりは鉄製の武器だけ……っぽいな」

「そうだね。まぁ、ゴブリンの集落だしこれくらいが妥当だよ。それにキング戦で吸精の大剣と吸魔の大剣を手に入れたし、収穫は大きいんじゃ無いかな?」

「あぁ、確かにそうだな。そういう事にしておこうか。さて、次はキングの所だな」

「うん。早く終わらして帰ろう」


 乱雑に置かれた武器達を魔力を消費して一気にストレージに収納する。折角キング戦の後に回復していた魔力を2000ほど消費してしまった。一つ一つ手に取ってストレージに入れるより全然楽なのだが、魔力消費が半端じゃないのが玉に瑕だな。


「ふうっ。急に大量の魔力を使うとふらつくな……」

「大丈夫かい?」

「あぁ、ありがとう。問題ないよ。さぁ、次がラストだぜ」


 最後にゴブリンキングが出てきた建物だ。

大きさは食料庫、武器庫と余り変わらない。違う点としては、屋根が赤く塗られている点だろう。この建物の扉はゴブリンキングが出てきた時に破壊されていた。


「……扉を蹴破らなくて済んだな。行こうベルゼブブ」

「うん。あっ、レン君。建物の中から生き物の気配がするから気を付けて」

「マジか? うーん、魔物か人か、はたまた只の動物か? そこら辺は解らないのか?」

「……うん。魔物っぽい気配が幾つか。人間の気配が三つするけど、この人間が女性だった場合ーーちょっとヤバイかも、ね」

「……そうか。取り敢えず中に入ろう」


 ゴブリンやオークなどの魔人種と呼ばれる魔物は、他種族の女性を苗床として繁殖する。

つまり、この建物にいる気配が女性の場合、黒鉄の剣亭で聞いたクックさんとシャリアさんの出会った時の様に……いや、最悪の場合、もう終わった後なのかもしれない。兎にも角にも急いで向かう。

 扉の残骸を踏み越えて、室内へ入る。部屋は一つだけの様だ。廊下の先に開いた扉がある。魔物と三人の人間が居るとしたら、確実に其処だろうな。

壁には松明が付いており、まぁまぁ明るい。外からは臭わなかったのだが、何かこう錆び臭くてとても嫌な予感がする。


「……この匂い、なんなんだ?」

「うーん、なんだろね? 錆び臭い。血の匂いかな? 不快になる匂いだよ」

「あぁ。……この匂いも気になるけど、この奥に何かか居るのは変わらない。三人の安否も気になるしな。注意して進もう」

「うん」


 ベルゼブブは塵狼の剣を手に取り、いつでも戦闘ができるよう構えている。俺もストレージから、さっきの武器庫に有った鉄製の剣を取り出し、警戒して歩き出す。

 奥の部屋に近づくたびに、臭いが増して行く。

そして、奥の部屋で俺達が見たものは十数体のゴブリンの死体、数体のゴブリンと一匹の大きいゴブリン。それと戦っている血塗れの獣人の少年と二人の女の子だった。

 短めの縄が何本か落ちている。多分目の前の三人が逃げないように手足を縛っていたものと思われる。何が有ったんだ? 想像していたものと違い、どういう状況なのか良く解らない。

と言うか、この三人何処かで見覚えが有る様な気がするんだよなぁ。

 まぁとりあえず、声を掛けよう。


「えぇっと……お前達、助けようか?」

「えっ?」

「あれっ? 貴方達、ザッコを倒した人ですよね? はっ、はいっ! 助けてくださいっ!」

「はぁッ? 朝の奴か?」

「ギャギャギャッ!」

「あっ、カミュっ! 避けて!」

「なッーー!」


 どうやら、今朝のギルドに居た三人組だったらしい。道理で見覚えがある訳だ。

 大きいゴブリンが、カミュと呼ばれた獣人の少年に攻撃を仕掛ける。ゴブリン達は棍棒を手にして攻撃をしているが、対するカミュは素手で棍棒を受けてる。周りに転がっているゴブリンの死体の半分はこのカミュが倒したのだろう。女の子達が素手で倒したとは思えない。まぁ、死体が濡れていたり焦げてるのを見ると、女の子達は魔法を使えるみたいだな。だけどこいつ、結構やるな。素手で棍棒を防ぐとか……痛くないのか?


「……周りのゴブリンが一気に攻められたら直ぐにやられるな。まぁ、とにかく助けるぞベルゼブブ」

「うん。って言っても、レン君だけでどうにかなるでしょ? 僕の出る幕はないんじゃない?」

「おいおい……。ノリってのが大事だろ?」

「ぐっ、ぐあっーー!」


 あらー、カミュ君吹っ飛ばされちゃったよ。早いとこ助けてやろう。目の前でリンチされてるのを見る趣味なんて無いからな。


「ん、あぁ悪い。じゃあ、お前はゴブリン達の隙を見て後ろに避けて俺と変われ」

「くっ、わかった」


 カミュはそう言って、大きいゴブリンの大振りな攻撃を躱し、その出来た隙を見て、俺の後ろに回る。


「ベルゼブブ。三人を建物の外へ。頼むぞ!」

「うん、わかったよ。じゃあ、獣人さんとお二人さん。行くよ!」

「っ、はい」

「はいっ!」

「あぁ、……くそっ」


 カミュ君は、不満そうだが、大人しく三人と一緒に出口へ走って行った。さて、後は俺がこいつ等を倒すだけだ。


「グギャギャッ!」

「ギャッ!」

「さぁて。次のお前等の相手は俺だぜ? 早くご飯食べに行かなくちゃならないからな。直ぐに終わらしてやるよ」

「グギャ? ギィギギッ!」

「ギャギャギャッ!」

「ギィーギャッ!」


 大きいゴブリンが俺を指差して笑う。それに便乗して他の取り巻きも笑い出す。こいつ等、結構人間臭いんだよな……。だが、奴らは直ぐに笑うのを止めて棍棒を振るってくる。切り替えの早さにちょっと驚いたが、余りにも幼稚な振り方だ。そんなのじゃあ、先の戦闘で成長した俺に当たるはずが無い。


「おいおい、なんだよその攻撃は? キング……いや、ソルジャーとかの足元にも及ばないぞ」


 いやいや、待てよ。此処にまだ残っていたという事は、こいつ等はそもそも戦力外なのか? それとも集落に帰ってきた奴らか? まぁ、どちらにしろ弱い事に変わりは無い。


「強いゴブリンは、全部キングと一緒に倒したもんな……。いや、それにしても武器の扱いが雑過ぎ」


 どうやら、このゴブリン達は訓練も何も受けて無いようだ。ただ乱雑に棍棒を振るだけで、技も駆け引きも全く無い。どうして、武術初心者の俺がそんな事をわかるのかと言うと、勿論、スキルのおかげだ。確かに普通の冒険者とかなら何とかそれで対抗出来るだろうが。だが、相手はこの俺だ。ゴブリンの精鋭達を屠り、集落を収めるキングさえもベルゼブブと二人で倒した。そんな俺に、この程度で勝てる訳が無い。


「まるで子供のチャンバラだな。もういいや。ばいばい」

「ギャ? ガギャッ……」


 鉄の剣を首の高さで横に振る。剣術と身体強化で強化された太刀筋は、防御しようと思ったのだろう構えた棍棒ごと首を切り飛ばす。切断面から緑の鮮血が噴き上がる。他の取り巻きゴブリン供はゴロンっと転がった頭部を見て、やっと自分達が何と戦っているのかに気が付いたようだ。


「ギ……ギィッ! ギャギャッ!」

「ギャァ!? ギ!」


 ゴブリン供は後退り逃げ出そうと振り向くが、目の前は壁。ゴブリン供は絶望したかの様に声を出す。


「ギィギィッ!? ギャ……」

「大丈夫、安心しろよ。みんな直ぐに楽になるからさ?」

「ギャーーッ!」


 ゴブリンの頭部と鮮血がが次々と宙へと舞う。それと同時に頭の中へとレベルアップのアナウンスが流れる。


「討伐完了」


『アクティブスキル、剣術Lv1、棍棒術Lv1、棍棒術Lv1、棍棒術Lv1、棍棒術Lv1を吸収しました。』

『パッシブスキル、腕力強化Lv1、腕力強化Lv1を吸収しました。』

『剣術Lv8が、剣術Lv1を吸収しました。』

『棍棒術Lv5が、棍棒術Lv1、棍棒術Lv1、棍棒術Lv1、棍棒術Lv1を吸収しました。』

『棍棒術がLv6に上がりました。』

『魔食みにより、魔力を580吸収しました。』

『吸収保存により、倒した敵のステータスを保存しました。』

『レベルアップしました。』

『ゴブリンキラーの称号を手に入れました。』


ーーーーーー

名前:レン=アカミヤ(緋宮 煉)

種族:ヒューマン

LV:39


職業:Fランク冒険者


状態:


加護:八岐大蛇の加護

天照大御神の加護

創造神ミーリアの祝福

邪神ラルヴァの加護

暴食の王ベルゼブブの加護


称号:暴食の王

悪食

異世界人

神に誘われし者

ゴブリンキングスレイヤー

ゴブリンキラー


従魔:暴食の王ベルゼブブ


体力:25098/25098

魔力:12653/14680

知力:10081

筋力:31996

敏捷:29817

幸運:53


ユニークスキル

暴食Lv--

魔王Lv--

鑑定Lv--

神蝕Lv--

吸収保存Lv--

ストレージLv--

スキルホルダーLv--


アクティブスキル

・武術系スキル

剣術Lv8  短剣術Lv5 双剣術Lv1 

大剣術Lv5 槍術Lv5  棍棒術Lv6

棒術Lv3  弓術Lv5  暴行術Lv2

格闘術Lv4 体術Lv2  盾術Lv3

回避術Lv1


・技術系スキル

咆哮Lv4 索敵Lv4  追跡Lv3

窃盗Lv2 爆弾槍投擲Lv2

指揮Lv3 嗅覚集中Lv4 剛力Lv2


・生産系スキル

爆発物作成Lv2

剥ぎ取りLv2


・特殊系スキル

悪食Lv10 魔食みLv10 魔爪Lv3

威圧Lv3 鬼化Lv1 嗅覚集中Lv4 

剛力Lv2 覇気Lv1


魔法スキル

火属性魔法Lv5

水属性魔法Lv2


パッシブスキル

・強化系

身体強化Lv10 腕力強化Lv4

脚力強化Lv3  視力強化Lv4

聴力強化Lv2  魔法効率強化Lv1

魔法威力強化Lv1


・耐性系

魔法耐性Lv1

衝撃耐性Lv1


・特殊

武術対応Lv1

危険察知Lv1


スキルホルダー

身体強化Lv4

身体強化Lv3

身体強化Lv3

身体強化Lv2

身体強化Lv1


ステータスストレージ

体力659

魔力245

知力152

筋力520

敏捷352

ーーーーーー


「おぅおぅ。鬼化してなくてもこのステータスっ!いい感じだなぁ。さてさて、解体ナイフは何処だっけ?」


 ステータスを閉じて、剥ぎ取りをする為にストレージ内の解体ナイフを探す。このストレージだが、他人には見えないけど俺にはステータスウィンドウみたいに青白い透明度が高い光の板が出現して見える。画面をスワイプして、アイテムを探すのだが、並んでいるアイテムの種類がバラバラで何が何だかわからない。


「ストレージの中を整理しないとな……っと、あったあった」


 落ち着いたらストレージ内を掃除する事を心に決め、見つけた解体ナイフで討伐証明の耳を切り取り、胴体の心臓部にある魔石を抉り出す。一応死体もストレージに収納した。鉄剣も刃に着いた血を飛ばしてから仕舞う。周りに転がってる死体の証明部位も一応取っていこうか。まぁ、俺が倒したんじゃ無いけど……。


「良し、終わったぞ。……ベルゼブブ達と合流しよう」


 そうして俺が建物の外へ出ると、ベルゼブブと他の三人が俺に駆け寄って来た。


「レン君ー! どうだった? 一人でも楽勝だったでしょ」

「あぁ。あのレベルの奴等なら、幾ら来ても一人で全然余裕だな。……で、其処のお三方は?」


 俺は、ベルゼブブの後ろに立っている三人へ話を振る。どうやら三人は、自分達が苦戦したゴブリン達を一人で掃討したと言った俺に驚いていたらしい。


「あ、あのぅ……。さ、先程は、助けて頂いてありがとうございました……」


「おい、お前強いみたいだな。あの大きいゴブリン、他のゴブリンより強かったんだぜ? なぁ、お前本当にあいつも倒したのかよ?」

「ちょっとカミュ、名乗りもせずに失礼でしょ!」

「もうっ! すみません……カミュに悪気は無いんです……」

「ふんっ!」


 カミュが女の子達に注意される。……そういうお年頃なのかな? まぁ、それは良いとして。


「それで、三人の名前は?」

「はいっ! 私の名前はシェスカって言います。職業は、魔法使いをしています。十四歳です」

「あ、あの……わ、私はミヨンです……見習い神官です。私も十四歳です」

「俺の名はカミュ。武闘家をしてる。十五歳だ。見ての通り狼の獣人だからな……犬じゃあねぇぞ? 間違えたら殴るからな……」

「カミュっ! 失礼でしょ!」


 カミュ君以外は一歳年下か……。成る程。武闘家、魔法使い、見習いとはいえ神官の三人パーティー。ゲーム的にはとてもバランスが取れている。さて、オレ達も自己紹介するか。


「へぇ、三人パーティーかい? 前衛のカミュ君をシェスカ君とミヨン君の二人で援護するってところかな」

「ほぅほぅ。呼び捨てで呼んでも良いかな?」

「はいっ! 大丈夫ですよ」

「は、はい……問題ないです」

「わかった。シェスカにミヨンにカミュ君。紹介ありがとう」

「なんでお前は、俺だけ君付けでシェスカとミヨンは呼び捨てなんだよっ!?」

「……はっはっは。別にいいじゃないか、カミュ君。減るものでもないし」

「ふざけんなッ!」


 ぴーちく煩いカミュ君を放っておいて、俺達の紹介を始めるとしよう。


「じゃあ、俺達の自己紹介をしようか。俺の名前はレン・アカミヤ。レンと呼んでくれ」

「俺の事は無視かよ!?」

「因みに武器は大体使えると思う。魔法も使える。で、こいつが」

「僕の名前はベルゼブブ。レン君と同じく僕も十五歳。武器も魔法も何でも使う屋さんだよ。そして……レン君の恋人さッ!」

「えっ? そうなんですか!?」

「れ、レンさんの恋人……!」

「……って、おいおいおいッ!? ベルゼブブさん? ちょっと何を言ってるのかなぁ!?」


 突然、変な事を言い出すベルゼブブ。本当に突然すぎて度肝が抜かれたわっ!


「勘違いしないでくれよ、シェスカにミヨン? 確かに俺のパートナーだけどさ!?」

「……勘違い、かい。ふぅん。まぁいいよ」

「はぁ……」


 全く……ちょっと嬉しかったけどな。だが、いきなりそんな事を言われると、ビビっちまうぜ……。

……気を取り直して、紹介の続きをしよう。


「まぁ、それでだな。俺とベルゼブブの二人でパーティーを組んで居るわけだ。これで俺等の自己紹介は終わりだ。これからよろしく」

「よろしくね」

「はいっ! よろしくおねがいします」

「よ、よろしくおねがいします……」

「……よろしく」


 こんなんでいいかな? 取り敢えずこれでお互いの事を知れた訳だからいいよな。


「で、何で三人はゴブリン達の所に居たんだ?」

「それはですね……」

「ねぇシェスカ君、レン君、もうだいぶ日が傾いてきたし、その話は、街に向かいながら聞くことにしようよ」


 ベルゼブブに言われるまで気づかなかったが、いつの間にか空が赤く成っていた。大体、午後の五時くらいか? 時間が分からないのは不便だな。街に帰ったら時計でも探すか?


「そうだな……。そうしようか。三人とも、悪いが歩きながら話してくれるか?」

「はい。遅くなると門が閉まってしまいますし……二人もそれでいいでしょ?」

「別に……大丈夫だよ」

「あぁ。問題ないぜ? 唯でさえ疲れてんのに門が閉まって野宿なんてなんったら堪んねえからな」


 どうやら三人も歩きながらでいいらしい。まぁ、嫌がる理由が無いと思うけどな。


「わかった。じゃぁ行くとしよう。大体三kmだから……約一時間くらいかな?」

「そうだね。行きは走って来ちゃたから、数分しか掛からずに着いたけど、結構時間が掛かるね」

「まぁ、それはしょうがないだろ? 別に走っても良いけど、三人が着いてこれないぜ?」


 俺とベルゼブブのステータスなら、三km何てランニングのレベルだ。だが、それはあくまでも俺達のステータスだから出来ること。『鑑定』で見た訳では無いが、三人のステータスが低いだろうという事は、ゴブリンに囲まれていた所を見れば明らかだ。しかも、その内の二人は魔法職。俺達の二人と並んで行けるとは到底思えない。


「行きましょうよ、レンさん。日が暮れると、魔物の活性が上がっちゃいますし、暗くなって危なくなちゃいますよ?」

「あぁ。って事で、帰るとするか。ベルゼブブ、別に回収忘れも無いだろ?」

「無いと思うよ? さぁ、早く帰ってご飯食べようよ」

「そうだな。じゃあ皆んな、カルケルに帰るぞ。道中、魔物に合うかもしれないから警戒して行くとしよう」


 一応、五人で周囲の警戒しながらカルケルへ歩き出した。

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