序章 第二話
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神界
俺は、眼が覚めると見渡す限り真っ白な空間に居た。
何処かで見た覚えがある。
「……夢で見た場所に似ているな。で、なぜ俺はここにいるんだ?」
確か、中学生達を突き飛ばしてトラックに轢かれたんだったか?
なんか、中学生達光ってたな〜。
「ってことは、俺死んだのか!? 嘘だろ……まだやりたいこといっぱい有ったのに!」
まだ、読み終わっていないラノベやアニメやら
漫画やら沢山あるんだぞ!? 嗚呼、神は死んだ……
「……いや、死んでませんよ?」
突如、美声が真後ろから聞こえた。
「だ、誰だ!? 俺は今、この辛い現実を嘆き悲しんでいるんだぞ!」
そう言い、振り返ると銀髪の美人が立っていた。
「美人だなんてうれしいですね」
すげぇ、美人が微笑むって凄い破壊力だ……
しかも、心を読まれてる!?
「まぁ良いでしょう。では、えー、突然ですが貴方は死んでしまいました」
さ、さっぱり言った!
はぁ。やっぱり俺死んだのか……
「着いてきてください。此処は殺風景ですからね。
貴方に言わなければならない事が有ります。
この魔法陣に乗って下さい」
そう言われ、銀髪の美人とともに魔法陣に乗ると
なんと、ローマのパルテノン神殿より巨大で神々しい神殿?が目の前に現れた。
「す、凄い。なんて美しいんだ……」
「ふふ、すごいですよね」
確かにそれも凄い、それよりも此処はどこで彼女は何者なんだ?
「ええ、で、貴女は何者で此処はどこなんですか!?」
「あ、これは、失礼しました。私は、異世界アーシュテルの主神ミーリアの妹、15英神の一柱、邪神ラルヴァ。
そして此処は神界、神々が住まう世界。
この神殿は、万神殿と言って神々の重要施設ってところですかね」
な、何だと! まさかの異世界の神様、しかも邪神だと⁉︎
すげぇ! 俺の中二心がくすぐられる!
まさか、異世界転生とか出来んのかな?
「はい、では万神殿に入っていきましょう」
な、なに! 神殿の中に行くのか。
ちょっとそれまずいんじゃないのか?
「えっと、邪神様?」
「ラルヴァ、と呼んでください。邪神って言われるの嫌いなのです」
「ラ、ラルヴァ様」
「はい、何でしょう」
「人間の俺がそんな所に行って大丈夫ですかねぇ?」
「大丈夫ですよ。神格保持者である私が許可すれば入れます。罰せられるなどはあり得ません。」
ラルヴァ様は、そう言って万神殿の扉を開いた。
「さぁ、ようこそ万神殿へ」
扉の中から溢れ出た閃光が俺を包み込んだ。