第一章 辺境都市カルケル 第十一話
投稿遅くなりました。
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今回はお買い物回です。
俺達が外へ出る為に階段を下がっていくと、シャリアさんが声を掛けてきた。
「あっ、レン君とベルゼブブちゃん。ちょうど良かったです。夕食は日暮れの鐘がなる頃からですからね」
「ありがとうございます。じゃあ、俺達は少し商業街に行ってきます」
「行ってくるよ」
「分かりました。気を付けて行ってくださいね」
シャリアさんはそう言うと仕事に戻っていった。
さて、じゃあ出発するか。
「行くぞ」
「うん」
黒鉄の剣亭を出ると、ギルドに向かう冒険者の数が増えたように感じる。
大体の冒険者は鎧が魔物の血が付いている。
その冒険者達はきっといい仕事ができたんだろう。
「レン君。生活必需品って言っても何買うの?」
「う〜ん。タオル、下着、歯ブラシ、歯磨き粉、石鹸とかかな?
後、皮袋買ったり服買ったり…傷薬とかの消耗品とかもかな。」
「服買うなら私のも買ってくれる?」
「いいよ。欲しいもの買うよ」
「やった!僕この服好きだけど、ずっと着てるからさぁ。新しい服とか買いたかったんだ」
「そうだよな…って、その服ずっと着てたのか?」
「だから、そうだよって言ってるじゃ無いか」
封印されてた間、汗とかかくのか?トイレとかってどうしてたんだ?
聞くに聞けないな…。
でも、封印されてたのは精神世界だったから排泄だとかは無いのかな?
「どうしたのレン君、何かあった?」
「い、いや、なんでも無いよ。さぁ、早く商業街に行こう」
ベルゼブブに何か感づかれる前に話を切って、冒険者街を進んだ。
歩いていると冒険者達の噂話が聞こえてきた。
「おい、魔窟の森の奥に入った奴がワイバーンの咆哮を聞いたらしいぜ」
「どうせ嘘だろ。奥って言ってもそんな深く無いんだろ?ワイバーン程の強力な魔物は奥から出てくる訳がない」
「ハッハッハ!違いねぇ。もし本当にワイバーンが出たとしてもな騎士団長と第一騎士団が退治するだろう。俺らの出番は無いし、有って欲しくも無いぜ」
「あぁ。この都市の騎士団長はバケモンだからな」
カルケルの北に有る魔窟の森にワイバーンが出たらしい。
ワイバーンて言ったらあのワイバーンだよな?
前足が羽で尻尾に毒が有るドラゴンだったような…
「へぇー、この世界のワイバーンはどんな奴なのかな?」
「えっ?ベルゼブブはワイバーンを見たことが有るのか」
「有るよ。どこら辺だったかな?ドイツの荒野の沼とかに住んでたよ。まぁ、ワイバーンは動物って感じだったかな…ドラゴンと比べるとやっぱり頭は悪かったね」
「…ドラゴンにも会ったことが有るのか。凄いな」
「そうでしょ?僕は暴食の悪魔ベルゼブブだよ?他の大罪の名を冠する悪魔達もドラゴン位はあったことはあるんじゃ無いかな?
因みにそのワイバーンはオリュンポスのアポロに狩られたかな?」
「そうなんだ…なんか凄い事をサラッと言うな。
だけど、魔窟の森に出たっていうワイバーン気になるな。是非、従魔にしたい」
「何を言っているんだい、君は。僕が居るんだから他に従魔なんて要らないと思うよ?しかもワイバーンなんか。まだ、悪食で食べたり装備に加工したりした方が役に立つよ」
「そうか…ベルゼブブが言うんだからそうなんだろう」
そんな話をしているともう冒険者街を抜け商業街に入っていた。
ここら辺はちまちま冒険者を見かけるが一番多いのは一般人だ。
商業街って言われるのは伊達では無いらしく、雑貨屋から始まり、八百屋、肉屋などの食品を扱う店や武器屋、魔道具専門店、本屋、果てには奴隷商まで、様々な店舗が建てられていた。
…奴隷か。後で見たいな。やっぱり異世界ファンタジーと言えば奴隷だろ!
「ねぇ、レン君。まず、買うものを買っちゃおうか。タオルは服屋に良いのが売ってると思うけど、安くても良いならそこらの露店で買えるよ」
「俺一人だったらそれでも良いけど、ベルゼブブも使うなら良い奴を買おう」
「僕は安いのでも良いけど…」
「ダメだ。女の子に安い服とかタオルとか肌に付けるのは使わせれない」
「レン君は心配性なんだね。まぁ、その気持ちは嬉しかな…」
「ん?なんか言ったか?」
「なんでも無いよ…。じゃあ、石鹸とか歯磨きだね。これは雑貨屋を見てみようか。」
「あぁ。品質の良い奴を買おう。…あの雑貨屋とか良いのがありそうだ」
俺は高級そうな雑貨屋を見つけた。
周りの店と比べると比較的店舗が新しかった。
看板にアスガン商会と書かれている。
中に入ると棚に雑貨がずらっと並び、大小様々な品物が置いてあり、高級そうな魔道具なども有った。そして、オレンジ色の光の洒落た照明の魔道具が気に入った。
店員が挨拶をしに来た。だいぶ若い顔をしているが見た目からして豪華な服を着ており、店長クラスの人なんだろう。
「いらっしゃいませ。私はアスガン商会、カルケル支部の店長、マリ・アスガンでございます。マリと呼んでください。以後お見知りおきを。
本日は当店にはどんな御用でしょうか?」
「ええっと、歯ブラシと歯磨き粉や石鹸などの日用雑貨などを買いに来たのですが」
「かしこまりました。歯ブラシ、歯磨き粉や石鹸ですね、これなどどうでしょう?」
マリさんは俺達を石鹸類が置いてある棚に連れて行き、良い匂いのする石鹸を取り出した。
「この石鹸は特殊な素材を使っており、泡立ちが良く、殺菌効果のある薬草と香油を使っております。
お客様にピッタリな石鹸です」
「なるほど。どうだベルゼブブ?」
「良いんじゃないかな?良い匂いするし」
「じゃあ、この石鹸を十個ください」
「ありがとうございます。次は歯磨きですね。これをどうぞ。」
マリさんは歯ブラシと歯磨き粉を棚から取り渡してきた。
「この歯ブラシは、把柄部をトレントの木で刷毛の部分をジャイアントボアの毛で作られており、非常に歯茎に優しく、しかし汚れをちゃんと落とす優れものです。そしてこの歯磨き粉は薬草と重そう。そして、魔物の骨を砕き、それを合わせて作ったものです。歯を白くしながら汚れを落とし殺菌作用もあります」
「では、歯ブラシを二本と、歯磨き粉を十個ください。後、タオルとかって置いてありますか?」
「ありがとうございます。タオルは置いてありますよ。こちらです」
「お願いします」
「よろしくね」
「はい。此処です。このタオルなどはどうですか?」
マリさんは触り心地の良い白いタオルを出した。
「これは、凄いな…」
「ふかふかだねレン君。僕、このタオル欲しいな」
「気に入って貰えて何よりです。
このタオルは羊毛を特殊な用法で加工し、魔絹と一緒に織ったものです。触り心地が良く、丈夫な為、人気の商品でございます」
「そうですね。このタオルを二十枚下さい」
「かしこまりました。では勘定場に行きましょう」
レジ行き、お会計をして貰う。
なかなか良い買い物が出来たんじゃないか?
後は、下着とか上着。武器や消耗品かな。
「高級石鹸を十個で銀貨一枚と鉄貨四十枚枚。
高級歯ブラシ二本で銅貨十枚枚。
高級歯磨き粉十枚で銀貨一枚。
魔絹のタオル二十枚で銀貨五枚です。
お会計は銀貨七枚と銅貨十枚と鉄貨四十枚です。ですが、鉄貨四十枚は勉強させて頂きます。」
「ありがとうございます!では銀貨七枚と銅貨十枚ですね」
銀貨七枚銅貨十枚を皮袋から取り出し、マリさんに渡した。
マリさんは銀貨を受け取り、商品を包装して手渡した。
「毎度ありがとうございました」
「ありがとうございます」
「ありがとうね。」
「またのお越しを」
マリさんの店から出て、次は服屋だ。高級そうな服屋を見つけよう。
因みに荷物はストレージに入れておいた。地味に重いからね。
十分位は彷徨い良さげな服屋を見つけた。
服屋ナアスという店だ。表通りでは無く、少し裏にあるのだが、見るからにセンスの良い服屋だ。
「良い感じゃない?この服屋」
「そうだね。僕の好みの服売ってるかな?」
「あると良いな。でもまずは下着だな」
「うん」
早速店に入る。
すると、赤髪の短髪おっさんが出てきた。おっさんとはいうが、ムキムキマッチョだ。
「いらっしゃい!にいちゃんと可愛い嬢ちゃん。
初めて見る顔だな。俺はこの服屋ナアスの店長ナアスだよろしくな」
「俺はレンよろしく」
「僕はベルゼブブ。よろしくね」
「おう。レンとベルゼブブちゃんだな。
今日は何の用だ?」
「下着とかを探してるんですが…」
「可愛い下着ないかい?」
「勿論あるぜ?此処は服屋だぜぇ?下着がねぇはずねぇだろ?こっちだ」
イカした内装の店内を見ながらナアスさんに付いて行くと、下着が置いてある区画に着いた。
「此処だ。パンツや、シャツ。女にはサラシがある。靴下も置いてあるぞ。俺は服の整理してくるから、選んだら声を掛けてくれ」
「ありがとうございます」
「さぁ、レン君。下着を選ぼう!」
まぁ、俺は適当で良さげな奴を買うだけだからな。
ベルゼブブは楽しそうに下着を選んでる。
十数分後、ベルゼブブは何枚もの下着を持って来た。
「レン君!選んだよ。こっちは見ないでね。下着は見せないよ〜?」
「わかってるよ。ナアスさん!選びました」
「おう。…どれどれ。じゃあ、他に何か買うものがあるなら一緒に会計するからカウンターに置いといてくれ」
「はい」
「わかった」
ナアスさんに言われた通り、会計カウンターに下着を乗せ服を置いた。
「さて、レン君。これでもう生活必需品は揃ったね。後は服だよ!」
「わかったてるよ選んできなよ」
「ありがとう!」
ベルゼブブは服を選びに行った。
俺は俺でナアスさん服を選んでもらおう。
「ナアスさん。このお店特殊な効果が着いた服とかありますか?」
「あるぜぇ?どんなのが欲しい?」
「暑い時は涼しく、寒い時は暖かくて、防御力が高くて動きやすいやつですかね」
「うーん。そんなん有ったかな?ちょっと調べてくるわ」
「お願いします」
ナアスさんが服の有無を調べている間に、俺は俺の服を二、三着選ぼう。
で、選んだのは無難な白と黒のコートと魔物の皮で出来たんジャケット。で丈夫そうなジーパンみたいな長ズボンを二着だ。
ちょうど選び終わった頃にナアスさんが服を持って戻って来た。
「待たせたな。結論から言うと有った」
「有ったんですか!良かったです」
「だがな、ちっと特殊なんだわ」
「そうなんですか。どんな感じで特殊なんですか?」
「まず、これはローブとズボンなんだが、
ローブの方に温度を調整する魔法刻印が刻まれていて、敏捷を上げる効果もある。材質が前にカルケルを襲ったワイバーンの皮と魔絹、金属繊維の為に防御力もあるし、丈夫だ。
だが、衝撃に弱い。薄いからな。結構なダメージを受けるだろうな。
で、ズボンはワイバーンの皮で出来てるいる。相当の防御力だ。防刃、魔法耐性もある。これだけ聞くと結構良い感じに思えるが、
このズボンは敏捷が下がる。
つまり、この服。ワイバーンセットとでも呼ぶか。
ワイバーンセットを一緒に装備しないとデメリットが出るってことだ」
ふ〜ん。まぁ一緒に装備すれば良いんだしな。
デザインカッコ良いし買おう。
「なるほど。じゃあ、ワイバーンセット下さい」
「買うのか?わかったカウンターに置いておく。
ベルゼブブちゃんが選び終わったら声を掛けてくれ」
「わかりました」
さて、残りのお金を調べてみるか。
金貨一枚、銀貨無し。
銅貨二十九枚、鉄貨五十枚…か。
さて、此処でどんだけ使うかだよな…
悩んでいると、ベルゼブブが戻って来た。
「レン君!可愛い服がいっぱいあったゆだよ!
でもその中から三着持って来たんだ」
「わかった。カウンターに置いてくれ。
ナアスさん!お会計をお願いします」
「今行く。よっと…待たせたな。
ワイバーンセットは半額にしておく。
じゃあ会計するぜ。まずは下着だな。
男物パンツ五枚。シャツ五枚、靴下五足。
女物パンツ十枚、サラシが三枚。靴下十足。
で、銀貨一枚と鉄貨四十枚。
男物コート、皮のジャケット。ズボン二着。
女物黒のワンピース。室内用黒のキャミソール。
黒のトレンチコート。
ショートパンツ二着。
で、銀貨三枚と銅貨二十枚と鉄貨十枚。
ワイバーンセットが銀貨六十枚のところ半分で銀貨三十枚だ。
計四十九点で銀貨三十四枚と銅貨二十枚、鉄貨が五十枚だ」
ギリギリ、間に合った。ワイバーンセットが半額にしてもらったが高い。
金貨一枚と銅貨二十枚、鉄貨五十枚をナアスさんに渡した。
「はい。お釣りは銀貨六十六枚だ。毎度あり、梱包しておくぜ。待ってな」
「良いお買い物したねレン君」
「あぁ。この後武器屋行って武器買わないと」
「ん?レン達は冒険者なのか?まぁ、そうか。冒険者じゃなかったらワイバーンセットなんて買わねぇか」
「はい。まぁ、今日なったばかりですけどね。」
「そう見えないがな。強者の気配がするぞ。
そうだな、俺も昔は冒険者だったんだが、その時使ってた武器がまだ有る。
それをやるよ。業物だぜ?」
「良いんですか?ありがとうございます!」
「良かったねレン君」
「武器も使われなきゃよ可哀想だしな。このまま錆びるより誰かに使われた方が良いだろ。
良し。梱包が終わったから剣をもってくるぜ」
そう言って、ナアスさんは店の裏に行った。
で、直ぐに帰ってきた。
「これだ。塵狼の剣って言ってな、ウルフ系の何かしらの牙から作られてる剣だ」
「凄いですね…」
「相当な魔力を感じるね。きっと凄い魔物だったんだよ」
「その剣はな、俺が若かった頃にドワーフの鍛治師がくれたんだ。その鍛治師がこの程度のものしか作れなかった。こんなのガラクタだやるよって言って貰ったんだだぜ。凄ぇ剣なのにな」
「そうですね…そのドワーフはどこにいるかわかりますか?」
「わからねぇ、もう死んでるかもな。まぁ良い。もうそろそろ夕方の鐘が鳴るからよ店じまいにするから今日はもう帰れ。毎度ありがとうよまた来てな」
「はい!また来ますね」
「またね、もっと可愛い服を仕入れといてね」
「おう。じゃあな」
服屋ナアスを出ると大分辺りが薄暗くなって来ていた。
「大分暗いね」
「そうだな、早く帰ろう。もう御飯の出来てるかもしれないぞ」
「楽しみだね、かえろ!」
剣と服をストレージに入れ、
俺達は黒鉄の剣亭に帰って行った。




