第一章 辺境都市カルケル 第七話
今回でやっとカルケルに入ることができました。
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では本編をどうぞ!
「……メテア、これどう言う事だと思う?
俺的にはサリアお嬢様ってのが無事にカルケルに着いて、メテアや他の騎士達の救助する為の救出隊とかそんな感じだと思うんだけど」
「はい。おそらくその通りだと思います」
俺たちは門番の兵士に挨拶してカルケルへ入る為の手続きをして貰らうことにしたのだが、門には何人もの武装をした騎士と軍事用らしき馬車が幾つもあった。近づくにつれて、騎士達の話声が聞こえてくる。
「衛兵隊第五分隊が壊滅した事について、サリア様が言うには数十匹ものグレートハンターウルフと遭遇。二手に分かれたが片方が全滅。サリア様と同行していた第五隊隊長と部下二名が殿となりサリア様達を逃す事に成功。しかし、生存は絶望的だ。
カルケルに近い場所まで来る事ができるも、再度襲われメテアがサリア様を庇い重症、メテアはサリア様を逃し一人残ったとの事だ」
「「「……」」」
「私達は今から現場に行き、遺体を回収する事となるだろう。もし、まだ息の有る者の為に効果の高いポーションを準備しておけ。五分後に出発する。急げ!」
「「「はっ!」」」
やはり、壊滅した衛兵隊の隊員達の救出、又は遺体回収って訳だ。
「メテアは自分が生きてるって報告しなくていいのか?」
「そうだよ。報告しないと遺体の数が合わない! って事になっちゃうんじゃないのかな?」
「あぁ……それはまずいです。早く報告しないと!」
「あぁ。行ってこい。カルケルに入るのはそれからでも遅くないしな」
「ありがとうございます。直ぐに戻ってきますね!」
メテアはそう言って出発の準備をしている騎士隊の隊長らしき人物に走り寄っていった。
「さて、レン君。カルケルに入ったらまず冒険者ギルドに行くとして、その後宿を見つけないとまずいね。もう昼過ぎだし……因みにこの世界の日没は七時ごろだよ」
「そうだな。宿か……どうせ泊まるなら料理が美味い所に泊まりたいな」
「そういえば、レン君。ミーリア神にお金貰ってたよね?」
「あぁ。ちょっと調べてみるよ……」
俺はストレージを開き、お金を探してみた。
すると、グレートハンターウルフの死体や初期装備だった剣。水や食料、幾つかの着替えとタオルの下にお金らしき物が入った皮袋の表示を発見した。
「……あった。取り出してっと、えーっと金貨が一枚と銀貨十枚。それと銅貨が三十枚……この鉄のやつは鉄貨かな? 鉄貨が五十枚だな」
「へぇー。金貨が入ってたか……ミーリア神も奮発したね。えっと、この世界貨幣は……」
ベルゼブブが言うには、価値が低い順に鉄貨、銅貨、銀貨、金貨、白金貨、王金貨、龍貨の七つがあり、鉄貨百枚で銅貨一枚。
銅貨百枚で銀貨一枚。
銀貨百枚で金貨一枚。
金貨十枚で白金貨一枚。
白金貨十枚で王金貨一枚。
王金貨十枚で龍貨一枚。
という事らしい。
「あと、銅貨一枚で百円位みたいだよ」
「それは色々、計算とかに便利かもな。ん? メテアが戻ってくるぞ」
「レンさん! ベルゼブブちゃん! 報告が終わりましたー」
「おぉ。お疲れ」
「じゃあ早速カルケルに入ろうよ」
「はい。まず、兵士の詰所で通行許可を貰いましょう」
「あぁ。任せるよ」
やっと、カルケルに入れるな……
それにしても、さっきから多くの視線を感じるんだよなぁ……
「なぁ、ベルゼブブ? さっきから視線を感じないか?」
「あの騎士達じゃ無いのかい?」
「やっぱり?」
「うん」
「俺何かしたっけ?」
「さぁ?」
見られる原因が分からない。
そもそも、今の俺はこの世界の人々と大差無い服を着ている。黒髪が珍しいのかな?
ん? 騎士達の中から、さっき指示を出していた赤髪の優男が来た。
「貴方がメテア助けてくれたレン君かな?」
「あぁ。そうだが……何か用か?」
「いや、何お礼をしたくてね……。もちろんそちらの女の子もね。
良くメテアを窮地から救ってくれた。騎士団を代表して礼を言うよ。
自己紹介がまだだったね。
私はカルケル騎士団、第三騎士隊第一部隊隊長オルテガ・アッシュだ。オルテガと呼んでほしい。以後宜しく頼むよ」
「わかった。俺も一応自己紹介をしておこう。俺の名前はレン・アカミヤ。旅人だ。こっちはベルゼブブ」
「初めましてオルテガさん。僕の名前はベルゼブブ。訳あってレン君と旅をしているんだ」
「そうか、レン君、ベルゼブブさん。辺境都市カルケルへようこそ。ここは辺境だが、いい都市だよ。気に入ってくれると嬉しい。
では、私はこれで。任務に戻らなければならないのでね」
「あぁ。頑張ってくれ。」
「気をつけてね~」
「ありがとう」
オルテガは去っていった。
さて、では今度こそ通行許可を貰おう。
「レンさーん! ベルゼブブちゃん! 準備が出来ましたよ!」
「今行く」
メテアが先に詰所に行って、準備をしていてくれたらしい。
兵士の詰所に入ると、メテアと二人の兵士が立っていた。
「私は先に街の中に入っていますね」
「わかった」
俺とベルゼブブは椅子に座らされ、兵士達は何やら用紙を持ってきた。
「早速だが、君たちは身分証明を出来るものを持っているかな?」
「身分証明か……。ちょっと旅をしている時に無くしてしまったな。どうすればいい?」
「あぁー。そうだな。一人銀貨一枚で仮の通行許可書を渡されるんだが、これ、発券後一日しか効果が無いんだ。幸い君たちは冒険者に成りたいようだし、冒険者ギルドに行ってギルドカードを発行すれば次回からそれで身分証明が出来るよ
だから効果が切れる前にもう一度此処にギルドカードを持って来てくれよ」
「そうか、わかったよ。じゃあ仮の通行許可書を貰いたい」
「そうか。じゃあ二人共この石板に手を置いてくれ」
「あぁ」
「わかったよ」
俺とベルゼブブが差し出された石板に手を乗せると石板が青く輝いた。
「良し。殺人、窃盗などの犯罪者では無いな。じゃあ、この紙が仮の通行許可書だ。無くすなよ」
どうやらあの石板は犯罪者を見極める魔道具のようだな。俺とベルゼブブは仮の通行許可書を貰い、門をくぐった。すると、そこに広がっていたのはまさに中世ヨーロッパの街並みだった。地面は石造りになっており、馬車などが通りやすくなっている。この道は大通りのようで、道の両脇には露店が並んでいる。
「さぁ。ようこそ! 辺境都市カルケルへ。さぁ、まずは冒険者ギルドに行きましょう!」
俺達はカルケルの街並みを見物しながら冒険者ギルドへと向かった。
今回はアーシュテルの神様についてです。
アーシュテルには十五柱の神々が居て、人々から十五英神と呼ばれている。
創造神ミーリア
邪神・破壊神のラルヴァ
魔族の祖・魔神ディルナ
天使の祖・天神レーノス
海神ザーリス
冥界神ティラン
龍の祖・龍神オルトス
精霊の祖・霊神キルミス
英雄神ダリウス
鍛治神ギリウム
魔術神ティンニン
時空神ルリエナ
戦神バンデル
属性神オリデン
大地神ゴディウ