表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
暴食の王〜喰らう力で異世界攻略〜  作者: ベニ・ドラ
第一章 辺境都市カルケル
10/30

第一章 辺境都市カルケル 第五話

今回で回想が終了します。


評価、ブックマーク等よろしくお願いします‼︎




「……」


 空に部隊の壊滅を意味する二回の火炎石の爆発を目撃した私達はただ、愕然と空を見上げていました。


「……嘘だろ。彼奴が、壊滅だと?」

「あの副隊長が殺られたのか? あのオオカミ共に? ありえないだろっ!?」

「副隊長や……皆さんが……?」


 私を含めて隊長以外は動揺を隠せませんでした。

私達は様々な功績を出した副隊長が指揮している班が壊滅したなど信じられる訳がありません。

そんな私達に隊長が喝を入れてくれました。


「お前等、いい加減にしろ。今は感傷に浸っている場合じゃ無いだろ。今は、お嬢様を無事にカルケルまで送ることが大事だ」


 そう、ですよね。皆さんがグレートハンターウルフに殺されたのはとても悲しいことです。

ですが、今はサリアお嬢様の事が大事です!


「……隊長、行きましょう」

「あぁ。」

『ウルオオオオオォオォォォォオオ!!!!!』

「隊長! 後方から約三十のグレートハンターウルフが接近して来ているぞ!」

「くそっ! お前等走れ! 御者、急げ」

「はいっ!」

「メテア、奴らが近くに来たら一斉にファイアーウォールを使え。少しでも足止目になるだろ」

「了解しました!」


 遠目から見てジリジリと近づいてくるグレートハンターウルフ達。

私達はすぐに逃げる準備をして、走り始めました。


 しかし、馬車や騎馬より確実に魔獣であるグレートハンターウルフの方が速い訳です。

必死に逃げていてもグレートハンターウルフが近づいてきます。そこで私のファイアーウォールです。


「グルオオオオ!」

「オオカミ共が大分近くまで来ている。メテア頼むぞ」

「了解しました」


 私の出番が来ました。

私達の後側、距離で言うと80メートル後ろ位に狙いを定めます。


「『炎の壁よ我を守れ。ファイアーウォール』!」

『グアアアアアァァァッ!』

「良くやった。今の内に距離を稼ぐぞ!」

「了解!」


グレートハンターウルフ達が炎の壁へ飛び込み苦しがっている間に私達は走ります。

ですが、ファイアーウォールを上手く避けたやつが追って来ます。


「グガァッ!」

「来てるぜ、隊長! どうすんだ?」

「……火炎石を有るだけ撒いて起爆しろ」

「了解」


 長槍使いの方がありったけの連絡用火炎石に魔力を流し、後方にばら撒きました。

魔力を流した火炎石は連絡用とは言え、なかなかの殺傷力を持っています。

携帯している火炎石の数を考えても直撃を受けたグレートハンターウルフはひとたまりも無いでしょう。


ドガアァァァッン!


「グガャアッ!?」

「グルアァァアァ!」

「ガァッ!」


 予想通り爆発音に紛れ数匹のグレートハンターウルフの断末魔が聞こえます。


「やったぜ隊長!」

「ハッハッハ! ざまぁ見やがれ! このまま走り続けるぞ!」

「了解しました!」

「メテア、やっぱり隊長は凄いな。連絡用の火炎石を攻撃に使うなんて」

「はいっ! 流石ですね!」


 現在私達は馬車を先頭に二騎ずつ並んで走っています。馬車とは言ってもサリアお嬢様を乗せている馬車ですから、沢山の魔道具や魔法が付与されています。その為、騎馬とほぼ同じ速度で走る事が出来るのです。

 その後もかなりの距離を走り続けました。確認できるグレートハンターウルフは居ません。

馬が潰れてしまう前に此処で休憩する事になりました。

馬の調子を確認し隊長に報告しに行きます。


「お嬢様。残念ですが、確実に彼奴らはグレートハンターウルフに殺されたと思われます」

「……そう。ねぇ、彼らが死んだのは私の所為なのかしら?」

「いえ。それは違います。彼奴らは俺の命令で班に別れ俺の命令でグレートハンターウルフ達と戦うことになりました。断じてお嬢様の所為ではありません」

「……。もう一つ聞きたい事が有るの。

彼らは私を恨んでいるかしら?」

「彼奴らはお嬢様をあの憎いオオカミ共から守る為に死んでいきました。班別に行動するに当たって、彼奴らは何時でも逃げる事が出来た。なのにそれをしなかった。

貴方は皆んなから慕われています。だから貴方を守る為に死んだのです。

そんな彼奴らがお嬢様を恨む筈が無いじゃ無いですか?」


 隊長は馬車の中でサリアお嬢様とお話をしていた様です。

私は馬車のドアをノックします。


「サリアお嬢様、隊長。失礼します」

「……メテア? 入りなさい。」

「サリアお嬢様。元気になってください。

隊長。馬達に水を与えてきました。

報告します。さっきまでの走りで大分疲弊しています。このまま同じペースで走り続けるのは危険だと思われます」

「……そうか。だが、あと少しでカルケルだ。馬車の馬を騎馬と交代させ、走らせろ。それで大分持つだろう」

「了解しました。失礼します」


 私は馬車を出ました。早速馬車の馬を騎馬へと変えましょう。それが終わると出発の準備をします。

そんな時、見張りをしていた長剣使いの方が叫びました。


「数十匹のグレートハンターウルフを発見! 奴ら完全にキレている。猛スピードで接近中だ!」


 これ聞いて隊長がすぐに行動を開始しました。


「メテア! 馬は変えたか?」

「はい。万全です」

「そうか。おい! 急いで馬に乗れ。逃げるぞ!」

「「「了解!」」」


 素早く馬に乗り、馬車を先頭に走り始めました。

 

今回はカルケル騎士団の説明です

カルケル騎士団に限らずこの世界の騎士団は基本的にこういうかんじです。


辺境都市カルケルを守る騎士団。

第一騎士隊

第二騎士隊

第三騎士隊

工作隊

衛兵隊

の五つで出来ている。

第一騎士隊は少数精鋭の遊撃隊。

第二騎士隊は近距離から中距離が専門。

第三騎士隊は都市の防衛と都市からの遠距離攻撃が専門。

工作隊は偵察や情報操作、敵の撹乱が専門。

衛兵隊は都市中の警護や、簡単な任務。街道付近の魔物の掃討、他の隊より数が多い為、雑務などをこなす。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ