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原因物質、回収
そして、エリカ宅。
「あった……」
霊液の瓶をしっかとつかみ、マスターはほっと息をついた。
中身をチェックする。幸い、ほとんど減っていない。
食卓の状態を見て、マスターはようやく事件の全貌を予想する事ができた。
さっき逃げていた物件の大きさと皿の大きさを照らし合わせ、薬の量をもう一度見直す。
「……もうすぐ切れる、かな?」
多分、ずっと効いている物ではない……と、思いたい。効き目が切れてくれるといいなあ、と思いながら、マスターはてくてくと帰路についた。
途中、治療術師とすれ違って挨拶を交わし、
ヨゥに呼び止められて顔に薬を塗られ、
チャムに「普通に調理した」プリンをお土産に持たされ、
ケイシィの家の外に追い出された水槽を横目に見ながら、
家に帰り着き、ひとまず瓶を置いて更に先に進み、
道の真中で力尽きてべそをかいているエリカを保護した。
「朝御飯」は、逃げてしまったらしい。
エリカを自分の家まで連れて行き、山盛りの冷めたスクランブルエッグを一緒につつきながら思う。
あじの開きはどうなったのだろう?
ともあれ、事の顛末は管理塔に報告だけしなければいけないかもしれないが。
巡視担当の皆様に何と言えばいいものか、と考えるのに手一杯のマスターには、もはや追跡調査をする気力などなかった。




