Prologue 2 The dream _夢
処女作なので至らない所があるかもしれませんが、楽しんで読んで頂ければと思っています。
「私は真冬の雪解けのように輝くあなたの白銀の髪が大好きだったわ、木苺のように赤みがかかる頬も。。。晴天の空を写す大きな瞳も。。。」
「君の笑顔は僕らの太陽で、はしゃいだら時々嵐のように部屋が散らかって、毎日が彩っていたね」
「覚えてる?。。。あなが私の誕生日に仕掛けたサプライズ?わたしの周りのベッド一面にはお花が咲き乱れていたわ。あまりにも私が花に埋もれていたからあの人はお葬式みたいだねって笑い飛ばしていたわね。。。ほんと、昔から失礼な人だわ」
「君はなんでママになついて、僕とは中々目線を合わせてくれなかったのかな。。。最初の言葉はママよりパパだったら違ったのかな」
遠くから、暖かい夫婦の談話が聞こえる。
これは私の記憶じゃない。ここはどこかの窓辺?耳を澄ましていないのに私の意識に侵入してくる暖かい波動。私を包むなにかに、私は身体を預け揺らいでいる様に感じる不思議な空間。夕焼けの日差しが頬を優しく撫でる、風の匂いは郷愁をかんばわせる。ああ...私はまたここに訪れてしまったみたい。
風の温度が急に冷え込み突然荒い風が吹き乱れる
カラスの鳴き声が聞こえ、場面が切り替わろうとしている
夕焼けは既に暗闇に喰われ私を包む温もりも激しく揺らぐ
「何を言っているの!?この子は選ばれた神の申し子じゃないは!!なんでそんないかれている事がいえるの!そんな嘘で私からこの子を取り上げないで!!」
「お義父様は約束してくださったではありませんか!?なぜ。。。なぜ今になって我が子を私の手の元から離れさせたがるのですか!」
激しい怒声と叫びが曇り空から聞こえる
雷鳴が落ちるのと共にに声は激しく落ちてくる、しまいに雨が降り声の主からすでに生気のある声は消えていた。夢の中だというのに激しい雨は私の身体に強く打ってくる。
眠い。。眠いのに身体が言うことをきかない
寒い、手足を感じる事すらできない麻痺が私から身体を奪っていく
「私は、私からあの子を。。。そしてあの人を奪ったあいつらが憎いわ!!復讐してやる!私から幸せを奪ったやつらを!アハハハハ。。。」
今度の耳が痛いほど渇れた声は怒り狂った女性のものだった。この声の主はあの女性なのかな?復讐とか言い放つあたり良くない事が起きてしまったのだろう。それにしても。。。今回の夢はやたらと長くないかな。あと感情の波が激しすぎる。。。居心地が悪くて、気持ち悪くなってきた。
大きな揺れは小さく、小さくと止まり私を襲う居心地の悪さは消えた。また違う断片に切り替わるのだろうか、窓から太陽が昇ってきた。
「私。。。いえ、オーレリア・エーデンは制約の元に時空の神エシュファールトに誓いましょう。我禁忌を起こし罪人、長き血に汚れた歴史の幕を閉じるものなり。器は新たな命が宿る清き乙女の宿り木に、魂の巡回に私の魂を道しるべに。この老いぼれた心の闇も今世にはいらない迷惑であろう。そして力を、弔いの炎では鎮める事のできなかった亡き者達より。」
今度の記憶は暖かく静かだった。お日様の光がもたらすのどかさと、嵐の後の静けさが同時に訪れた。いつもは映画を見るようにただ眺めているだけなのに、今日はとても喉がムズ痒くなる。
ああ。。。また眠気が、夢なのに眠くなるのは果たして夢と呼べるのだろうか。夢なのに考えさせられるのも不思議な話だ。
ゆりかごに揺られながら私の意識はそこで途切れてしまった。
そうか。。。これはこの子供の記憶なのかもしれない
誤字とかあれば教えていただけると嬉しいです