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第6話

「さて、どうしてやろうか」


日向は一気にキメラの前まで迫り大鎌を振り足を斬り落とす。


「グギャアアア」


悲鳴を上げ片足を失ったキメラは立っていることができないため倒れる。


「こんなものではないはずだ」


そしてキメラの足の切り口からは新たな足が生え始める。


「やはりな。ゾンビの再生能力付きか」


キメラは再び立ち上がりもの凄い速さで走り日向へ向かってくる。


そしてキメラは左手の鎌を振り上げ日向目掛けて振り下ろす。


「くっ」


日向が振り下ろされた鎌を避けるがつづいて左から熊の手が襲いかかる


「ちっ」


日向は大鎌の刃を熊の手に向けるが熊の手は鎌に斬られるもそのまま日向を吹き飛ばす。


「ぐああ」


攻撃をくらった日向は地面を擦りながら滑るように飛ばされた。


そして斬られているはずのキメラの熊の手はすでに傷が癒えていた。


続いてキメラは翼を使い飛びながら頭のカブトムシの角で日向目掛け刺してくる。


「ふっまだまだだな」


日向は寸前で避け飛びながらキメラの背後に回り込む。


日向はキメラが地面を突き刺した角を引き抜くという隙を狙い指先を地面へと向ける。


すると地面から木の幹のようなモノが生えてキメラを縛る。


「これでしばらくは身動きがとれんだろ」


日向は続けて指をキメラへ指すと指先から激しい炎が放たれキメラを覆い尽くす。


「まだ終わらんぞ」


さらに指先からは冷気が放たれ炎があっという間に消火されキメラは凍る。


続いて日向は大鎌をしまうと今度は大きな大きな鎚を出してくる。


「これでフィナーレだ」


日向は鎚を振り上げ凍ったキメラへ振り下ろす。


バキィンという音を立て、キメラは凍ったままのいくつもの肉塊となる。


「終わったな」


日向は肉塊となったキメラに背を向け無月と桔梗へ歩き出す。


が、


「ぐぅっ!」


日向の左腕に何かにかすったような傷ができる。


「まだか!」


日向の左腕に斬りかかったのはキメラの蜂の針のようになっている左手だった。


そして凍ったはずの肉塊は溶けており肉塊たちが集まり始めていた。


「ばかな!?肉塊としたはずだが?」


「ハハハ!私のキメラをそこらのゾンビと同じにしてもらっては困りますな!このキメラは並の再生力ではありませんよ!」


研究員が話している間にキメラはほぼ元の姿に戻っていた。


「ぐああ!」


戻っていなかったゴリラの腕が飛び日向を殴る。


「? 避けきれなかった……」


「どうやら効いてきたようですね!蜂の毒が!


かすりさえすれば毒は体内に入り身体を麻痺させることができるのですよ!!」


さらにキメラは機械の腕をウィィィンという音を立て、


エネルギー砲のようなモノに変化させ、倒れている日向へと向け構える。


そして発射口からはエネルギーと思われる光が集まってくる。


「ガァアアアアア」


キメラは雄叫びを上げエネルギー弾を放つ。


「くっ」


「させません!」


日向の前に桔梗が立ち結界を張ってエネルギー弾を防ぐ。


「うらあああ!」


そして無月がキメラの目を刀で刺した。


「ギャアアアア」


キメラは悲鳴を上げて首を振り無月を振り落とそうとする。


「うわあああ」


無月は刺さった刀を持って耐えていたが刀が抜け、日向と桔梗の方へ飛んでいく。


しかし無月は体を反転させ着地する。


そしてキメラの目はすぐさま再生する。


「無月、もう大丈夫なのか?」


桔梗に魔法で治療されている日向は言う。


「ああ、親父には色々と聞きたい事があるからな、ここで死んでもらったらオレが困る」


「そうか。覚悟しておくか」


日向は桔梗による治療を終え、立ち上がり無月の隣に立つ。


「それでは私に考えがあります」


桔梗は2人の後ろに立ち話し始める。


「――――――――――――――――です」


「そうか、危険だが、まかせたぞ」


「大丈夫なのか?それは」


「危険だが、うまくやれば問題ない」


「では、行くぞ。無月」


「ああ」


そして、2人はキメラへと向かう。


キメラは4本の腕を使い2人に攻撃しようとするが無月と日向は腕の間を通ったりして攻撃を避け続ける。


それがしばらく続いた時


「準備完了です」


後ろの方で呪文を唱えていた桔梗が合図を出す。


「よし、無月離れるぞ」


「OK」


無月と日向はキメラから離れる。


桔梗の背後にはうっすらと巫女姿の女性の姿が浮かび上がっている。


「神の使い『卑弥呼』よ。世界の調律のため、あなたに力を貸して頂きたい」


その言葉に応えるように卑弥呼はゆっくりと頷く。


そして桔梗は両手を握り合わせ、卑弥呼も同じように祈る。




―神よ。我の声が聞こえているか―


―あなたの持つ異世界への扉を開いて頂きたい―


―異世界の扉よ、卑弥呼の祈りにより、今開かれよ―




するとキメラの真下に魔法陣が現れ中心から放射状に真っ暗な穴が広がっていく。


そして魔法陣は激しい稲妻を発しながらキメラをいわゆる掃除機のように吸い込もうとする。


そこら辺に横たわっていた死体や研究道具は次々と飲み込まれる。


「ちぃっ、キメラ、飛べ!」


キメラは翼を広げ飛ぼうとするがその翼は根本から斬られる。


その翼はいつのまにか無月と日向が持っていた。


「これで」


「飛ぶことはできねえな」


飛ぶことのできないキメラは吸い込まれるように穴へ落ちていく。


「忘れ物だ」


離れた場所で無月と日向は翼を放るとその翼も穴へ吸い込まれていった。


「う、うああああああ」


叫び声のする方を見ると研究員が吸い込まれそうになっており機械に掴まって耐えていた。


「うわああああああああ!!」


そして握力が尽きた研究員は一緒に吸い込まれていった。


すると魔法陣は消え、それに続くように卑弥呼も消えていった。


「ふう、終わったか…」


無月と日向は桔梗の元へと向かう。


「さっさと祢音を助けないとな」


祢音の入っていたクリスタルは高い所にあり機械で固定されていたため吸い込まれていなかった。


「祢音!」


無月は刀でクリスタルを斬りると中から祢音を引きずり出して地面に寝かせる。


そこで気付いたが、祢音は外からは青いクリスタルでよく見えなかったが


やはり身体を研究するには衣服は邪魔であって…………まぁ全裸ということである。


「あ〜〜………祢音、生きてるか?」


目のやりどころに戸惑った無月は視線を逸らしながら祢音に呼びかける。


「お兄ちゃん……?…………ってええ!?」


気が付いた祢音は自分の姿を見て驚く。


そして無月が傍にいることに気付くと次第に祢音の顔が赤くなっていく。


「お兄ちゃんのエッチ!!!!!」



バコォ



祢音の拳は唸りを上げて無月の顔の側面にヒットする。


「ぐはぁ!」


無月はきりもみしながら真横へぶっ飛んだ。


「祢音、これを着なさい」


どこから出したのか、桔梗は巫女服を祢音へ差し出す。


「お母さん、これは狙い?」


巫女服を着た祢音は首を捻るなどして自分を姿を見回す。


「ん?可愛いですよ?」


桔梗は笑顔で首をかしげる。


「まあ、そんなことはどうでもいい」


日向は殴られ気絶している無月の襟を掴み引きずりながら歩いてくる。


「あれ?そういやみんな揃ってどうしたの?ってゆうかここどこ?」


そう言って祢音は3人を見て続いて荒れ果てた部屋を見渡す。


「お前はさらわれたんだよ。ここの奴らにな」


「へぇ〜何で?」


祢音は状況が良くわかっていないのか、呑気に答える。


「それも含めて話がある」


そして気絶している無月を起こして日向は話し始める。


「さて、どこから話すかな………」

ちなみに次回が最終回となります

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